今朝、すぐ前の遊歩道に人が倒れ、3,4人が心配そうにのぞき込んでいた。
高齢の女性が歩いていて、前に倒れ込んで顔に怪我をしたようだ。
目撃した若者がいち早く119番してくれ、救急車の到着を待っている状況だった。
取り敢えず、みんなで本人のリュックを枕にして、仰向けの姿勢で寝かせてあげた。
その場にいる人に医療関係者はいなく、さあ、どうすればいいのか分からない。
取り敢えず声をかけてみたら、徐々に眼の力もしっかりとして言葉も出るようになってきた。
ところが、
「ここはどこ?」、「私、どうしてここにいるの?」、「私、どこへ行くの?」
こんな調子で、さっぱり要領を得ない会話を、何回か繰り返す。
住まいはどこか訊こうと思って、
「おばあちゃん、どこから来たの?」と聞いてみた。
なんと、なんと、
「私、おばあちゃんじゃない!」と叱られてしまった。
(どう見ても、おばあちゃんだったのに・・・)
そこに、ロードバイクを止めた女性が「私は看護士です」と言いながら近づいてきた。
道路わきに寄せる、体を起こして傷の状態を診る、顔の血を拭いてあげる。
みんなの手を借りて、てきぱきと処置をする。
ただただ見守るしかなかった我々に、ホッとする安心感が広がったのだった。
「プロ」一人がすることは、しろうと三人のそれとはまったく比較にならない。
そうこうしているうちに、救急車が到着。
救急隊員の姿が見えると、一同には更なる安心感が広がり「良かった」という表情に変わった。
少し現状を理解したのか、おばあちゃん(ゴメンナサイ)は、「救急車なんか乗らない!」とダダをこねていた。
それも救急隊員に説得され、素直にストレッチャーに身体を横たえた。
平日の遊歩道は、高齢者が散歩するのを多く見かける。
私もその一人である。
他人様に迷惑をかけないよう、自分を戒めた一日であった。