幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

目に青葉、鰹の味も格別なり

2022-05-31 | グルメ

青葉の季節には初ガツオ。

コロナの影響で足の遠ざかっている「橙や」さんで、久しぶりの夕食。

 

お通しに出たのは、チーズ豆腐。

上に乗った枝豆の色が鮮やかで、ビールも進む。

 

「本日のおすすめ」の中から、この季節らしいものをオーダー。

おいしそうなアスパラ、そして「新」のつくものから、新じゃがとベーコンの炒め物、新玉ねぎのかき揚げを加える。

アツアツのかき揚げは、口にすると新玉ねぎの甘さが広がり、いくつか入っていたソラマメも初夏を感じさせる。

これはおいしかった。

 

目当てのカツオのタタキは、たれではなく「塩タタキ」。

何年か前、高知旅行で「塩タタキ」を食べて以来、もっぱら塩にしている。

おろしにんにくを載せて、厚く切られた切り身をほおばりながら、芋焼酎のお湯割りをぐびッといく。

 

コロナの感染も下火になりつつあるのか、少しずつ夜の人出も増えてきたように見える。

それでも、まだまだ手指の消毒はもちろん、会話は小声で最小限にと気を遣う。

友人のSさんは、娘さんのいるロンドンにたびたび行くそうだが、あちらではマスクをしている人をほとんど見ないという。

日本も早くそうならないかと心待ちにしている。

なんの気遣いもなく、呑み、食べ、話し、大声で笑う。

そんな呑み方が、私には一番おいしく感じる。

 

 


カシワバアジサイ

2022-05-30 | 

アジサイで埋め尽くされている公園で、たった一株の「カシワバアジサイ」が珍しい存在である。

花弁は薄い緑色を帯びて、実にみずみずしい。

花の形状はちょっと変わっていて細長く、木は背が高く、てっぺんは私の身長を超えている。

この花を追いかけるように、アジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイなどが咲きだしている。

今度の土日には、多くの写真愛好家が、カメラを担いでやってくることであろう。

 


睡蓮が咲く

2022-05-29 | 

公園の池には「睡蓮」が咲きだした。

 

この間、9羽のカルガモのひなが、母親のあとを追って必死に泳いでいたのだ。

そのカルガモ一家が引越しをして以来、あの騒ぎはどこへやら池の周りはすっかり静かになった。

池には睡蓮、周りにはアジサイが咲きだして、梅雨が近いことを思わせる。

 


知床半島

2022-05-28 | 旅行

海底に沈んでいた、知床半島の観光船が引き上げられたことが報道された。

機能を失った単なる物体にしか見えず、なんとも切ない気持ちになる。

遭難された方、その身内の方を思うと、言いようのない怒りがこみあげてくる。

 

私もずいぶん前になるが、知床半島のクルーズ船に乗ったことがある。

その時の旅行では、知床五胡をのんびり巡るハイキングをメインに入れていた。

ところが、ヒグマが出没し行方不明者も出ているということで、探索は一湖のみでそれから先は進入禁止となってしまった。

計画外ではあったが、宿をとっていたウトロに戻りクルーズ船に乗ることにしたのだった。

ただし、知床半島の先端まで行くのではなく、中ほどまでで折り返すコースであった。

海上から眺める荒々しく削られた崖や変化に富む滝の景色は、船で行ってこそ見られる景色であった。

 

写真は当時撮ったもの。

季節は秋、波は静かであった。

 

誰でもそうであろうが、観光船に運行の不備があると疑うことはなく、「安全」だと思って乗るのだ。

事故に遭われた方たちも、海上から眺める景色を楽しみに、ワクワクした気持ちで「安心」して乗り込んだはずである。

その船が沈没するとは・・・。

無念さを思うと、言い表す言葉も見つからない。

徹底して原因の究明をし、安全な航行のためのハードウェア、ソフトウェア両面からの対策をしてほしい。

殆んどの観光船会社は適切な管理や運行をしていると思うが、例外なくすべての会社がそうであるべきである。

 

 

 

 

 

 


「仏」と「おらが蕎麦」の信濃路を楽しむ

2022-05-26 | 旅行

東京から友人のSさん、Kさんの二人が善光寺の御開帳に合わせて信州にやってきた。

善光寺にお参りし、前立本尊と紐で結ばれた回向柱にタッチし、本尊とのご縁を結ぶ。

 

翌日は、絵画鑑賞が好きなSさん、俳句が趣味のKさんの希望もあり、「小布施」の北斎館を訪ねる。

北斎は80歳を過ぎて、何度か小布施に足を運んだといわれる。

北斎館には、小布施滞在中に制作した作品、その他祭り屋台などが展示されており「ホンモノ」を楽しむことが出来る。

 

次に、葛飾北斎や文人を小布施に招き、小布施を文化レベルの高い地に育てたとされる高井鴻山(たかいこうざん)を記念した「高井鴻山記念館」を見学。

二階建ての建物、文庫蔵、屋台蔵、庭園などが往時の面影を残している。

展示室にあった「富岳三十六景」は、六曲の屏風に36枚の版画が貼られたもので、このような名画がさりげなく展示されているのが驚きでもあった。

また、北斎の良き支援者であり、北斎を師とも仰いだとされる鴻山は、自らも書画に傑作を残している。

 

最後に訪れたのは、ここも小布施では欠かせない「岩松院」。

周りは山、田んぼや畑に囲まれ、その寺は静かに佇んでいる。

なんといっても、北斎が最晩年に描いたといわれる「八方睨み鳳凰図」である。

その華やかな色彩は、いまでも鮮やかそのものである。

首が痛くなるように天井を見上げると、どこから見ても鳳凰の眼が自分をにらんでいるようにも見える。

本堂の裏手に廻ると、福島正則の霊廟がある。

少し進むと「蛙合戦の池」があり、「やせ蛙 負けるな一茶 是にあり」の句碑を見ることができる。

見どころの多いお寺である。

 

「信濃では月と仏とおらが蕎麦」という句がよく知られているが、ここでの”仏”とは善光寺、”おらが蕎麦”とは信州蕎麦のことらしい。

今回、二日間の旅の昼食は、三人が三人ともに、連日「信州そば」に舌鼓を打ったのだった。

「仏(善光寺)」にお参りし、「そば」を食べ、残るは「月」である。

次回は、月の名所として知られる姨捨山(千曲市)の「田毎の月」でもご案内しようかと思う。