職場に出社せずに、自宅で働くスタイルが増えていることを実感する。
現役世代の人に訊くと、毎日かどうかは別として、ほとんどがリモートワークをしている。
ディジタル技術の進展により、リモートワークに必要なインフラを構築しやすくなったのが要因であろう。
それに新型コロナの感染拡大が、働き方の改革に拍車をかけたのは否めないことであろう。
私が現役の頃は、リモートワークはそれほど採用されてはいなかった。
その経験がないため、自宅では仕事ができない古い体質を引きずったままの人間である。
朝起きて、スーツを着てネクタイを締め、通勤電車に乗って通勤した何十年の働き方が染みついている。
自宅のリビングから、この机までの移動だけではダメなのである。
家を出てからの通勤が、自らを「仕事モード」に切り替えてくれるプロセスだった。
家にいたままだと、どうもその切り替えスイッチが働かないのだ。
たまに週末に会社から仕事を持ち帰ったにしても、手を付けるのは日曜日の夕方になってしまう体たらくであった。
ちょっとしたことでも同僚や上司、部下とは「対面」でコミュニケーション、それが当たり前であった。
一日の仕事が終わると、アフター5は「呑ミニケーション」。
月~金は、このルーチンで回っていた良き(?)時代だったと言えよう。
最近の若い人たちがホームワークで十分な成果をあげると聞くと、ほとほと感心してしまう。
ネットワークでの商談や会議などに、普通に参加することを求められたりすると、リテラシー不足を痛感する。
相手からすれば普通のことが、こちらはモタモタしながらついていくのがやっとである。