海岸にて

海が好き。時事ニュース・海外ドラマ 、日々徒然

自民党と民主党

2008-09-15 | 政治〈国内〉

党首激突? 小沢代表自身の「刺客」決意で政権交代への覚悟示す (1/3ページ) 2008.9.14 21:52   (一部抜粋)

 ■命がけを示す

 「小沢代表は『自分も背水の陣を敷く岩手4区は任せて別の選挙区から出る』と私に何度かいっていた。(12日の第1次公認)187人の名簿から自分を外したのだから、岩手から出ないと判断している」

 鳩山氏は14日、都内で記者団に、小沢氏の決意をこう解説した。

 小沢氏は総裁選で自民党の支持率が上昇傾向に転じたことに「かなりの危機感を持って」(周辺)いる。

 そこで出てきたのが、大政党トップの国替えという前代未聞の作戦だ。小沢氏が連続13回当選した地元を去って国替えに踏み切れば、政権交代への覚悟を国民アピールできる。インパクトは決して小さくない。

 衆院選を「自分にとって最後の戦い」とする小沢氏が、自身を「決戦の象徴」(民主党ベテラン)にするというわけだ。

「空白区が条件だ。自分自身が命をかけているということも示す必要がある。そういう選挙区に限られるだろう」   (続きあり)  (MSN産経)

 

 

自民党総裁選を見ていると、5人全員が首相にふさわしいとは思えなくても、それぞれがきちんと主張をし、自由に政策を論じているので、見ていて安心感があります。総裁選のこれらの議論を経て、自民党は、党として今よりも結集できる可能性が出てきていると感じます。

それに比べて民主党。この一年、政策を議論する機会はたくさんあったはずなのに、ひたすら反対のための「キャンペーン」をはったり(ガソリン値下げ隊でしたっけ?・・)、審議拒否をして政策をわざと通さなかったりと、政策を練り上げる機会を自らでことごとくつぶしてきたことは、大きな間違いだったと思います。それに加えて、代表選もできない議論もできないような小沢代表への集権的な雰囲気。この小沢氏の国替えも、同じく「注目を集めたいがための手段」キャンペーンとしか見えません。キャンペーンだけでは困るのですよね。

  

Banner_04

オバマ氏、マケイン氏の「変革」を揶揄

2008-09-14 | 国際・政治

「豚に口紅」…オバマ氏、マケイン氏の変革批判

 【ワシントン=貞広貴志】米大統領選で、民主党候補のバラク・オバマ上院議員が、共和党候補ジョン・マケイン上院議員の唱える「変革」を「豚に口紅を塗ったようなもの」とやゆしたところ、マケイン陣営から、女性の副大統領候補サラ・ペイリン・アラスカ州知事への侮辱と反撃され、両陣営の間で非難合戦に発展している。

 オバマ氏は9日の選挙集会で、マケイン陣営が最近オバマ氏のお株を奪うように「変革」を訴え始めたことを、「豚に口紅を塗ることはできる。でも、豚は豚だ」と述べ、みせかけだけの変革と批判した。

 これに対しマケイン陣営は10日、「ペイリン氏への中傷」と強く反発。ペイリン氏は子供のアイスホッケーの応援に熱狂する「ホッケー・マム」を自称し、「ホッケー・マムと闘犬の違いは何か? 口紅だけ」というジョークで自らの戦う姿勢を強調している。

 オバマ氏は、共和党の批判を「ウソとまやかしの政治宣伝」と退けたが、米メディアでは、女性候補差別を巡る論議が再燃している。

(2008年9月11日10時36分  読売新聞)
 
 
  
 
オバマ氏にも(ヒラリー・クリントン氏よりは)好印象は持っていたのですが、これには、びっくりしました。
「豚に口紅を塗ることはできる。でも、豚は豚だ」と述べ、みせかけだけの変革と批判した。
みせかけ」ということを言いたいにしても、言い方というものがあるでしょう。オバマ陣営はよほど余裕がないのでしょうか。・・「ソフトで知的」というオバマ氏のよいイメージも、(個人的には)これでかなり台無しに。良いイメージはガラガラと崩れてしまいました。
ところで、サラ・ぺイリン氏という女性。TVで見たのですが、自然体で、にもかかわらず圧倒的な存在感のある人だと思いました。その上、、簡潔で印象的に話すのが上手い。
ぺイリン氏の政治的な部分はまったく未知数ですが、オバマ氏陣営にとって彼女の「存在感」が脅威なのは、わかるような気がします。
 
  

Banner_04
 

農林水産次官「私どもに責任があるとは考えていない」

2008-09-13 | 政治〈国内〉

「事故米」で政府の危機管理は?与党内にも批判の声  (一部抜粋)

 工業用「事故米」の食用転売問題をめぐり、政府の危機管理態勢を問題視する声が12日、与野党から相次いだ。

 福田首相が太田農相に全容解明などを急ぐよう指示したのは問題発覚の6日後で、対応が後手に回っている印象は否めない。首相の退陣表明と自民党総裁選に伴う「政治空白」が影響しているとも言えそうだ。

 「食用でないものが病院などで消費されていたのは大変問題だ。事態をもっと重大に受け止めなければいけない。率直に言って、農水省の対応は大変不十分だ」

 町村官房長官は12日の記者会見でこう述べ、事故米の食用転売問題に関し、監督官庁である農林水産省への憤りをあらわにした。

 関係者によると、首相は5日午前、「三笠フーズ」の不正転売の発表に先立ち首相官邸に報告に来た同省幹部に対し、秘書官を通じ、事実関係の早期解明のほか、流通先の公表も求めたという。

 ところが、数時間後に同省で記者会見に臨んだ担当課長は、流通先について、「言えない」「答えられない」と繰り返し、事故米を使用した業者名などの公表を拒否し続けた。

 首相は、問題が拡大の一途をたどる事態に危機感を強め、11日、農相を首相官邸に呼び、全容解明や再発防止策の検討を早急に行うよう直接指示した。

 だが、白須敏朗農林水産次官は同じ日の記者会見で、事故米問題の責任を問われ、「私どもに責任があるとは考えていない」と発言。これを聞いた首相は「勘違いしている。とんでもない」と憤り、町村官房長官が12日に次官を呼んで発言を厳重注意する異例の展開となった。こうした事態に至ったことは、官僚に対する首相の威光の低下を物語ったともいえそうだ。

 自民党からは12日、「消費者重視の時に『何をやっていたのか』という感じだ。役人の怠慢としか言いようがない」(自民党の武部勤・元幹事長)など、農水省への批判の声が上がった

 一方で、与党内には、政権の危機管理のまずさを指摘する声も出ている。公明党幹部は12日、記者団に、「首相は退陣表明して気が緩んでいたのではないか。国民感情に対する感性が鈍い」と苦言を呈した。

(2008年9月13日03時04分  読売新聞)
  
  
 
 政府の目が届いていないことももちろん問題ですが、現場の省庁の態度、これは何??
 
「言えない」「答えられない」と繰り返し、事故米を使用した業者名などの公表を拒否し続けた。」
「私どもに責任があるとは考えていない」と発言。
 
まず、事故「米」を買ってしまうことも疑問。返品の余地はないのでしょうか? 事故米が混ざらないようにしっかり監視するのは、当然省庁の責任だと思います。「責任があるとは考えていない」・・理解できません。省庁って、いったいなんの仕事をしているのですか?
 

   

Banner_04


麻生太郎氏新宿街頭演説

2008-09-13 | 政治〈国内〉

12日の麻生氏個人街頭演説がアップされています。

現在の日本の経済状況、やるべきことの第一が「景気対策」であるということが、大変わかりやすいいい演説でした!麻生氏どんどんのってきましたね。 トップには、こういう方が立つべき。今の日本に、必要な方です。

自民党総裁選 麻生太郎新宿大演説(1)

自民党総裁選 麻生太郎新宿大演説(2)

自民党総裁選 麻生太郎新宿大演説(3)   

(You Tube)

 

Banner_02                  

気ブログランキングへ


総裁選 小泉氏は小池氏支持

2008-09-12 | 自民党

【自民総裁選】「小泉氏が支持」 小池氏陣営が表明    2008.9.12 11:37

 自民党総裁選に出馬している小池百合子元防衛相の陣営は12日午前、緊急選挙対策会議を開き、選対本部長の衛藤征士郎元防衛庁長官が、小泉純一郎元首相が小池氏の支持を表明したことを報告した。

 衛藤氏によると、衛藤氏は同日朝、武部勤元幹事長、小野次郎衆院議員とともに小泉氏と約30分間会談。この中で小泉氏は「オレは小池氏を支持する。小池氏に1票を入れる。小池総裁が実現すれば小沢民主党といい勝負になる」と述べたという。

 この報告を聞いた小池氏は「ついに言ってくれたんですね。チョーうれしい。勇気百倍です」と述べた。

 小泉氏は11日夕、都内のセミナーであいさつし、「今の時点で誰に(1票を)入れるか言うのは躊躇している。水泳の北島康介選手ではないが、『今は言えねえ!』」と述べていた。

 

昨日、「5人が全員小泉内閣の閣僚だった」とか、「今は言えねえ!」とか、もったいぶって皆を引きつけていた小泉氏。一夜明ければ、しっかり「小池氏支持」と明言。呆れるやら感心するやら。多分こんなことだろうと思っていましたが、小泉氏のパフォーマンスはもう食傷気味。小池百合子氏は、中川秀直氏と小泉氏、二人の「実力者」の傀儡となる可能性大ですね。「ついに言ってくれたんですね。チョーうれしい。勇気百倍です」これが我が国の総理大臣候補の言葉・・・、勘弁してほしいです。

しかし、麻生氏陣営には「刺激」になるかもしれません。気を引き締めて頑張ってください!

それから問題はメディアです。娯楽番組のレベルもひどいものですが、特に「報道番組もどき」は一番たちが悪い。昨日たまたま見た夕方の民放。まるで井戸端会議。特にキャスター(男性でしたが) 「政府」がきらいなのか「自民党」が目ざわりなのか、見るからに、私情まるだし。どうしたらあんな態度で「キャスター」が務まるのか不思議です。メディアの堕落・・衆院選もまた去年のようにTVによる中傷が繰り返されるのでしょうか、これはどうしても看過できない問題です。

   

Banner_04


北朝鮮情勢への対応

2008-09-11 | 韓国・北朝鮮

北朝鮮情勢の急変を懸念 韓国主要各紙   2008.9.11 11:14

 【ソウル=水沼啓子】北朝鮮の金正日総書記(66)の健康悪化説を受け、11日付の韓国主要各紙の社説は、いずれも北朝鮮情勢の急変や最悪の事態に備えるよう主張している。

 東亜日報は「“金正日有事”対応に万全を期して」と題した社説で、「独裁体制の北で、金総書記の有事は、北の体制に計り知れない変化をもたらす可能性が大きい」としたうえで、「最悪の事態を想定した多角的な対策を用意しなければならない」と主張。

 また、まだ決まっていない後継者の問題に触れながら、「後継者と呼べるような人物がいないため、権力の空白と深刻な混乱を醸(かも)し出す憂慮がそれだけ大きい」とし、「流血の事態も排除できない」としている。

 朝鮮日報の社説は「必ず近づく北朝鮮情勢の急変に総力で備えろ」と題して、金総書記の年齢を挙げ、「いまから10年後、どんなに長く見ても20年後まで彼が正常な活動ができる可能性はない」と断定。後継者問題に触れながら、「どんな道を歩もうが、暫定的に北朝鮮情勢の不確実性は増大し、朝鮮半島全体の不確実性も大きくなるほかない」と論じている。

 さらに「金正日が消える場合、体制全体が共倒れする可能性が少なくない」としたうえで、「核爆弾と化学・細菌兵器で武装した117万の北朝鮮軍がどんな動きを見せるのか予想しにくい」と指摘。「金正日有事は韓国最大の非常事態だ」と強調し、朝鮮有事に対応した米韓の軍事シナリオを「作戦計画に格上げして実質的に準備しなくてはいけない時がきた」と主張した。

 中央日報は「突然やってくる北朝鮮情勢の急変に対策はあるか」と題し、北朝鮮の有事に備えた対策を何も準備してこなかった金大中、盧武鉉政権を非難し、「李明博政権はこうした誤りをこれ以上繰り返してはならない」とする社説を掲載している。  (MSN産経)

 

 

韓国だけの問題でなく、北朝鮮と目の先の距離にある日本にとっても、これは問題であるはずです。日本政府の対応は大丈夫でしょうか?福田総理大臣はまだ日本の総理ですよね、最後まで責任を全うしてくださいね・・・日本政府、外務省、防衛省などなどは、今も、しっかり機能していますよね?・・・そう思いたい。

そういえば3日、辞任会見の翌々日、こんなこともありました。

福田康夫首相は3日、防衛省で行われた自衛隊高級幹部会同への出席をとりやめた。自衛隊の最高指揮官である首相が年に1度の高級幹部会同を代理も立てずに欠席したのは異例。」(こちら

でも、もし辞任がなかったとしても、間違いなく福田内閣では不安だっただろうと思います。速やかに堅固な政府の誕生を願います。

   

Banner_04

 


自民党(与党)の底力を

2008-09-11 | 自民党

【自民総裁選】「選挙の顔」問う総裁選 衆院選の前哨戦に 再編視野に余波広がる2008.9.11 01:38

 「総選挙で戦わなければならない相手を想像してほしい。誰が民主党と戦うのか。これが総裁選の最大の争点だ。この12日間でわれわれの底力を全国に訴えていかなければならない

 10日午前、自民党本部7階で開かれた麻生陣営出陣式。満員電車のような会場に勝利の手応えを感じた麻生氏は「選挙の顔」を選ぶための総裁選であることを強調、誰が民主党の小沢一郎代表の好敵手にふさわしいかを問うた。

 終了後別室で開かれた1回生議員との対話集会は麻生氏との写真撮影会と化した。目的はもちろん選挙ポスター。総裁選は次期衆院選の前哨戦となりつつある。

 午後の共同記者会見でもこの傾向は顕著だった。5候補の経済政策の違いが最大の争点となり積極財政論者の麻生氏が他候補の集中攻撃を浴びるとの見方が強かったが、同氏への批判はほとんどなく、批判の矛先は民主党に向いた。

(中略)

 総裁選で国民の注目を引きつけ、その勢いで衆院解散。「自公連立政権が生き残る唯一の手段」(党幹部)として浮かんだシナリオは現実味を増している。衆院選投開票日も「10月26日」「11月9日」など具体的な期日が浮かぶ。党重鎮は「こうなれば誰が首相になっても解散風は止まらない」と断言する。

 解散すれば、自公は衆院の3分の2以上の議席を失い、衆参のねじれがより深刻化する公算は大きい。それでも与党が解散に急ぐのは「次の衆院選で自民、民主の負けた方が解党する」との見方が強いからだ。

 逆に衆院選を制することができれば、その後の政界再編の主導権を握ることができる。5候補の発言にもその青写真がにじむ。

(続きあり)    (MSN産経)

 

誰が民主党と戦うのか。これが総裁選の最大の争点」 本当にそうだと思います。自民党がここにきて、民主党と戦うための素地ができつつあるようで嬉しいニュースです。麻生氏のもとに結集することが一番良いこと、必要なことだと思いますが、総裁選で闊達な論戦をすることは、野党とは違う「与党」としての自信と意地を示すこともできますし、「活気」も生まれることでしょう。それに、福田政権下の閉塞状況で我慢に我慢をしたことも良いエネルギーになりそうな気配です。どうなるにせよ、新たな流れのきっかけができることは確かのような気がします。(しかし、思うにマスコミの動向にだけは注意を怠ってはならないと思います。)

 

Banner_04

 


『百億の昼と千億の夜』 ① 〈漫画〉

2008-09-11 | 漫画
百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)

百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)
価格:¥ 740(税込)
発売日:1997-04

 原作:光瀬 龍  画:萩尾望都

  

光瀬龍さんの原作は昔たしか読んだ記憶?はあるのですが、理解できたとは言えず。 漫画の方は何回か読み、圧倒的な印象が残っているものの、あらすじや感想を書くことは、結構難しい気がしています。

 

主な登場人物はプラトン、ポセイドン、イエス、ユダ、シッタータ(悉達多太子・釈迦国)、阿修羅、四天王、etc.  (色々な名前が登場します。これはフィクションです。)

 

<前半>あらすじ 

その昔 微細な星間物質の一個一個が - 遠い星の弱い光の波に押され押されて この空域に少しずつ集まってきた  それはしだいに濃いガス雲となり 重力の場を支配し始めた このようにして星々は生み出されたがー その時から 歴史はすでに その行きつく所へ向かって歩み始めていた 

  

 

世界は何故生まれ、どこへいくのか。生命はなぜ誕生し、進化し、争いを繰り返し、文明が生まれ、また進化し、われわれはどこからきてどこへ行くのかという根源的な問い。科学が宇宙の誕生の謎に迫り、星の誕生や宇宙の膨張が知られるようになっても、この根源的な問いの答えは誰も知らない。この世界はどこから来て、どこへ向かっているのか?

    

〈アトランティス〉  アテナイの学者プラトンは、長くアトランティス伝説の夢を見続けた人で、伝説の古文書を発見しそれに基づいて旅にでる。アトランティスの子孫の村エルカシアでは、プラトンが来ることは予期されていたことで、プラトンに村の長老の娘から「宗主」の伝言が伝えられ、彼は過去のアトランティス王国にタイムスリップ。王国の司政官オリオナエ(=プラトン)として目覚める。

アトランティス王国のポセイドン王は、王国を神の国アトランタへ移動する命令を出す。 アトランティスで「神」と崇められていたものは、実は「惑星開発委員会」であり、「惑星開発委員会」はこの惑星において、一つの実験として「文明」をつくり、それを移動させようとしていた。ポセイドン王の命令に怒った市民の暴動で、「移動」に手違いが起こり、アトランティスは破壊されてしまう。 オリオナエ(プラトン)は叫ぶ。「アトランティスを返せ。なぜ、なぜ神ならば、なぜわれわれをこんな目にあわせるのだ。」

 

〈シッタータ〉  釈迦国のシッタータ太子は、家族も国も目の前の悲惨も、「すべての現世」を捨て、出家する決心をする。 「天の意志は人のためにはたらくものではない・・全ては流転する大いなる相の一つにすぎない」として。

天上界をめざした太子は、そこで宇宙が静かに「終末のための終末」に向かっていることを目の当たりにする。 梵天王はシッタータに、広大な天上界は危機にあり、「五十六億七千万年後に人間界に現れ、人々を救うとされる救世主弥勒菩薩のいるこの地までも、侵略されようとしている」と語る。侵略?誰に? 「阿修羅」に。そして、全ての破壊は阿修羅王のせいであり、この者こそ宇宙の悪であり、われらの敵弥勒の敵であると言う。

シッタータ太子は、「なぜ阿修羅は天上界に攻め入ったのか、なぜ破壊を繰り返すのか、阿修羅に願いはないのか、失うものはないのか?」と会って尋ねたいと考え、帝釈天に阿修羅王に会えるように頼む。

  

〈阿修羅〉 シッタータは阿修羅に問う。「なぜ戦う?」 阿修羅は太子に答える。「弥勒に会え!」と。そして、

波羅門のいう兜率天浄土に弥勒という沙門のありて、この世の末法に現れ出でて人々を救うという弥勒。では、五十六億七千万年後に何が起こるというのだ?末世にいたるほどの出来事、それほどの破滅とはいったいなんであるか?」と。

人の死も(宇宙から見れば)完全な消滅ではない。すべては単なる変化にすぎない。しかしこの世界は完全なる死へ向かっている。一切の無。終末のための終末へ。これは、いったい何者のしわざであるのか?」と。

  

〈弥勒〉 シッタータは阿修羅の案内で、弥勒に会いに行く。 しかし、弥勒像は単なる作りもの・・。では弥勒像を作り、末法の世と救いの予言を残した者は何者か?宇宙の生成に何らかの作為が含まれていたとしたら?神が支配する宇宙の存在理由とは何か?

   

〈ユダとキリスト〉 長い間ローマの支配下にあり貧しかったガラリヤの人々は、救世主が現れると信じていた。ナザレの大工イエスは(「惑星委員会の」暗示と指令により) 「天使」のお告げを聞いたとし、いずれ神がこの世を裁く「最後の審判」の時が来ると人々に吹聴する。ユダはイエスの言葉に不信と疑惑を感じ、不安を抱く。「神とは裁くものなのか?」「もしこの世が最後の裁きを必要とするならば、この世は滅びの道にこそさだめがあるものなのか?」と。

ユダはイエスにただならぬものを感じて、彼を告発する。イエスはゴルゴダの丘ではりつけにされるが、しかし、これは予定されていた事だった。ユダは、何か大きな恐ろしい計画を察知する。

  

 

〈トーキョーシティ〉 長い間、海の中で眠っていた。記憶を無くしたまま「ユダ」は、トーキョーで目覚める。要塞のような場所で、トーキョーシティの市民の生き残り数十人が暮らしている。その中にオリオナエ(=プラトン)がいる。

彼は、今は太陽系紀元3905年だと言う。この都市は内惑星連合の首都として栄えていたが、2900年に太陽が色褪せたことを始まりに、地球の平均気温はマイナス65度になった。大陸は砂漠となり、動物は死滅し、千年の間に地球は死の星となってしまった。そして、この衰退は太陽系だけではない、銀河全体宇宙全体に起こっていることだと。そして、オリオナエは、これは””によって計画されたことだと言う。

  

〈戦士たち〉 地球を監視していたイエスの攻撃によって、この場所も破壊される。オリオナエはユダに、アトランティスをはじめとする人々の悲劇について語る。そして、「アスタータ50における惑星開発委員会は”シ”の命令をうけ、アイ第三惑星にヘリオ・セス・ベータ型の開発を試みることになった」とアトランティスの支配者ポセイドンは言った、とユダに告げる。

阿修羅が現れ、イエスに問う。「ナザレのイエス、””の手先! この宇宙を支配するという絶対者、人の世の運命を支配し破滅へと引き込むお前の主””はどこにいる!」

 

 

 

Banner_02                  

 ↑ 記事が面白かったらクリック

    

 

百億の昼と千億の夜 (角川文庫―リバイバルコレクション エンタテインメントベスト20)

百億の昼と千億の夜 (角川文庫―リバイバルコレクション エンタテインメントベスト20)
価格:¥ 693(税込)
発売日:1996-12  

光瀬龍

 

 

 

 

 

 

 

  

 


「総理総裁にふさわしいか」

2008-09-09 | 自民党

自民党総裁選】紛糾! 町村派 「ノーサイド」となるか (1/3ページ)  2008.9.8 23:42   

(一部抜粋)

 福田康夫首相の後任を決める自民党総裁選の告示を10日に控え、森喜朗元首相以来4代連続で首相を輩出した最大派閥・町村派(清和政策研究会)が揺れている。小池百合子元防衛相を支持するグループと麻生太郎幹事長を支持するグループの溝は深まる一方。森氏は自らの「麻生支持」表明により事態収拾を図ったが、派内の路線対立は解消しそうにない。小泉純一郎元首相が「自民党をぶっつぶす」と登場して7年半。派閥崩壊の潮流はついに小泉氏の出身派閥に押し寄せてきた。(石橋文登、加納宏幸、文中敬称略)

 町村派臨時総会は8日午後4時、グランドプリンスホテル赤坂の別館で始まった。立ち聞きされないように記者団はフロアの一角に隔離され、会場はピリピリした緊張感が漂った。

 町村派では代表世話人の元幹事長中川秀直らが小池を強力に支援。これに対し、前首相の安倍晋三らは麻生支持打ち出し、派内を二分する形となった。事態打開を狙った総会で、代表世話人の中川はこうあいさつした。

 「危急存亡の時の大事な総会だ。政策集団が対応を強制したり縛ったら国民目線にかなわない。わがグループからは小池さんが捨て身で出馬を決意した。同志ならば応援する方がいても私は理解する…」

 その傍らでコツコツと指で机をたたいていた最高顧問の森は「長いぞ…」。それでも中川は話を続けた。

「それぞれの動きが仮にあっても終わればノーサイド。これは代表世話人としてのお願いだ」

 中川はラガーメンである森の口癖である「ノーサイドの精神」を引用し、小池支持の容認を訴えたが、同じく代表世話人の町村信孝官房長官は真っ向から異議を唱えた。

 「総選挙に勝てる人、総理総裁にふさわしいかを真剣に考えなければならない。最大グループである私たちの支えがなければ新政権は非常に不安定となってしまう。グループとしての方向付けができれば…」

 町村氏が暗に麻生支持の一本化を訴えたことは明らかだった。その後は所属議員がせきを切ったように麻生支持、小池支持を表明。 (続きあり)   (MSN産経)

  

 

町村派内では、森氏、町村氏、安倍氏らは麻生氏支持、中川秀直氏らは小池氏支持で割れているそうです。

町村氏は「総選挙に勝てる人、総理総裁にふさわしいかを真剣に考えなければならない。最大グループである私たちの支えがなければ新政権は非常に不安定となってしまう。」全く町村氏のおっしゃる通りです。まず、「総理総裁にふさわしい人」を選ばなければ、そうでなければ、自民党はまた元の木阿弥です。政権はまた停滞し日本は窮地から脱することもできなくなります。

このことは野党民主党も同じのはずで、民主党党首は「総理総裁としてふさわしいのか」と問われなければなりません。自民党は5人の候補が政策において、総裁の座を競おうとしているのに対して、民主党は代表選もせずに小沢氏を無投票(独裁状態)で3選してしまいました。町村長官がこの1年の民主党の国会対応について反省を求めたいと述べています。(こちら)。ひたすら政権をとるために政局第一で、政策を与党と国会審議しようともせず、遅らせ、法案の成立を阻むー、国民よりも自党の利益優先ということで、こればもう政党としてどうなのでしょうか?

小池氏については、女性であることと、バックに中川秀直氏がいることくらいしか、どうもよくわかりません。 【自民総裁選】小池氏の立候補会見要旨によると、主張は「改革」「女性の目線」「プリマリーバランス平成23年黒字化堅持」だそうです。中川秀直氏は強硬に「改革」と主張していますが、改革をするにも、できる「とき」と、できない「とき」があります。小池氏は、自民党の総裁にふさわしい、日本の総理にふさわしいといえるのでしょうか?(中川秀直氏の傀儡になることは必至でしょう。)

町村氏のおっしゃるように、「総選挙で勝てるか」「総理総裁にふさわしいか」ならば、小池氏も与謝野氏も石原氏も石破氏も、ふさわしいとは思えません。自民党が再生するためには、麻生氏の力が必要だと思います。麻生さん、どうか頑張ってください!

 

Banner_04

 


中川昭一氏の新刊と講演会

2008-09-08 | 日記・エッセイ・コラム

飛翔する日本

飛翔する日本
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2008-09

 

   

   

   

        

中川昭一氏『飛翔する日本』という本が9月3日に出版され、8日八重洲ブックセンターにて、「開店30周年記念・中川昭一氏講演会」がありましたので、行ってまいりました。中川氏は、読んだ感想など反対意見も含め思うことがあれば、HPのメール欄などからお寄せください、とおっしゃっておられました。総裁選になるなど、この時勢を誰も予想していなかった展開の中での講演会になり、このような時に出版された『飛翔する日本』というタイトルを持つ本、後に意味のある本になるかもしれないと、漠然とした予感を感じています。日本は確かに「飛翔」する力を持っているはず、今の暗雲をよい流れに変えるために、賢い選択をしなくてはなりません。

また、講演会後のサイン会など、企画していただいたブックセンタースタッフの皆さま、中川昭一氏とスタッフの方々、本当にありがとうございました。

10日の総裁選告示からは、麻生氏も、中川氏をはじめ麻生氏を応援する議員さん方々も本当に忙しくなることでしょうが、思えば、昨年9月の総裁選の無念から再びめぐってきた大きなチャンスということ。自民党の問題だけではなく、日本にとっても後がない重大な局面を迎えています。自民党復活、日本の復活の「機」を逃さないように、頑張るべき「とき」です。

 

Banner_04


橋下知事、大阪府教委批判

2008-09-08 | 政治〈国内〉

【学力テスト】「このザマは何なんだ」橋下知事が大阪府教委批判  2008.8.29 22:41

全国学力テストの大阪府の結果について、府教委や府の関係者からは落胆や怒りの声が相次いだ。

 橋下徹知事は「教育委員会には最悪だと言いたい。これまで『大阪の教育は…』とさんざん言っておきながら、このザマは何なんだ」と述べ、26日の教育委員との懇談の際と同様、府教委を厳しく批判した。

 そのうえで教員の意識改革が必要との考えを示し、「現場の教職員と教育委員会には、今までのやり方を抜本的に改めてもらわないと困る」と注文をつけた。

 綛山(かせやま)哲男教育長は「昨年の結果を受け学力向上を喫緊のテーマとしてきたが、改めて大変厳しいと認識した」とのコメントを発表。小中学校の放課後無料学習や習熟度別授業推進など新たに取り組む施策の充実を目指すことを強調し、「保護者、子供たちをはじめとする府民の期待に応える教育の実現に全力を尽くす」とした。

 今月6日に府特別顧問に就任した東京都杉並区立和田中学校前校長、藤原和博氏は「全国第2の都市としては考えられない結果。先生方は熱心で頑張っていると感じるが、システムが成り立っていないのだと思う」。課題として、国際学習到達度調査(PISA)に対応した学力の育成を挙げ、「先生方の熱意が効果を発揮するシステムを作れば大阪でも不可能ではない」との見方を示した。 (MSN産経)

全国学力テストの都道府県別順位表

 

 

このザマは何なんだ」、まるで親が発する、我が子への嘆きと憤りの言葉のようです。中学校のワースト3は、沖縄、高知、大阪で、大阪は45位/47。小学校は、大阪は41位/47で、知事が嘆くのも無理もありません。以前も同じことを書いたのですが、橋下知事を得た大阪府は本当に幸いです。これほど我がことのように、「公」のために闘ってくれる政治家はそうはいません。

ところが、このような結果が出てもまだ、大阪の教育委員会は学力テスト結果の開示を渋っているらしいです。くそ教育委員会が」 橋下知事、FM公開生放送で発言 当事者である本人と保護者に結果を開示せず、先生と教育委員会が結果をぼーっと眺めて、どうするつもりでしょうか。何故、結果を非公表にする必要があるのですかね。

しかし、橋下知事を見ていると、こういう方が出てくる今の日本も捨てたものじゃない、これからきっと良くなる、と思えます。

 

Banner_04

 


麻生さん、頑張れ。

2008-09-07 | 自民党

福田首相退陣表明で、自民党の支持率は上がったそうです。

次期首相に麻生氏1位35%  全国電話世論調査

福田康夫首相の退陣表明を受け、共同通信社は全国緊急電話世論調査を2日夕から3日にかけて実施した。自民党総裁選を経て選出見通しの次の首相に「誰がふさわしいか」と聞いたところ、自民党の麻生太郎幹事長が35・3%でトップ。次期衆院選比例代表で投票するつもりの政党については、自民党38・4%、民主党34・9%でわずかに自民党が上回った。支持する政権の枠組みは「自民党中心」が43・3%で、8月の前回調査より8・5ポイント上昇。これに対し「民主党中心」は41・7%で6・5ポイント減少した。

 内閣支持率が低迷した福田首相が退き、自民党総裁選で新たなリーダーが選出されることへの期待感が背景にあるとみられる。

 次期首相にふさわしい人は、自民党議員10人の名を挙げて質問。2位以下は小泉純一郎元首相15・0%、小池百合子元防衛相9・2%、舛添要一厚生労働相8・5%、石原伸晃元政調会長7・1%の順だった。  2008/09/03 18:54  【共同通信】

   

電話世論調査で、自民党総裁選を経て選出見通しの次の首相に「誰がふさわしいか」と聞いたところ、麻生太郎幹事長が35・3%でトップです。国民は自民党に、「リーダー」を望んでいる、求めているのです。(他の候補の方々には申し訳ないですが)これができるのは、麻生氏しかいません。自民党議員と党員が、国民の思いに沿った総裁を選び、結集できれば、自民党は衆議院選でも「支持をつなげる」可能性は十分あると思うのです。自民党は、これを重く受け止めて総裁選に臨んでほしいと思います。

それから、総裁選の大きな焦点は、「経済政策」のようですが、複雑で多岐にわたる「経済政策」を、多くの人に十分に理解してもらうことは簡単ではありません。(甘い単純な言葉に国民はどうしてもなびきがちです。) また、マスコミは故意に、例えば「ばらまき」と一言でたたくこともするかもしれません。 やろうとすることの本質を「上手く国民に伝える」ことができるかどうかも、大変重要だと思います。麻生氏と、麻生氏支持の議員の皆様方、応援しています。頑張ってください!

 

Banner_04

   


中国製の義歯輸入急増

2008-09-05 | 中国

中国製の義歯輸入急増、歯科技工士81人が国相手に訴訟

 中国製の入れ歯や差し歯などの「義歯」を巡り、全国の歯科技工士81人が、国を相手取り、海外への義歯製作の委託禁止などを求める訴訟を東京地裁に起こしている。

 国内では、義歯を製作できるのは歯科医と歯科技工士に限られているが、海外品については規定がない。国は「歯科医が安全と判断すれば輸入は自由」との姿勢だが、技工士側は「無資格者が作っており、放置すれば健康被害を招く恐れがある」と猛反発している。

入れ歯や差し歯、欠けた歯へのかぶせ物などは通常、歯科医が個々の患者の歯型や体質に合わせ、歯科技工士に指示して一つずつ作らせる。歯科技工士は国家資格。無資格者の義歯製作は歯科技工士法で禁じられており、違反すると懲役1年以下の罰則もある。

 一方、訴状などによると、近年、主に中国から輸入された義歯が医療現場に浸透。日本の歯科医の指示を中国の技工所に伝え、製作された義歯を輸入する業者も現れた。医療保険は適用されないが、値段は日本で作ったものの半額から3分の1程度。近年、歯科医間の過当競争が進んでいることから、コストダウンを図るための需要は多いとみられ、全国保険医団体連合会が7月に緊急調査したところ、全国2008か所の歯科診療所のうち130か所が「海外発注の経験あり」と回答した。

訴訟で原告側は「義歯製作が厳しく規制されているのは、人の口の中に入れるものだけに安全性を確保する必要があるため。海外なら無資格者がどんな材料を使って作ってもいい、というのでは法律の趣旨に反する」と主張。厚生労働省歯科保健課は「安全性は歯科医が責任を持って判断できるし、海外製義歯の危険が具体的に明らかになった例もない」と反論する。

 同省は2005年、「海外品は材料の性状が明確ではない」として、患者に材料などを説明し、同意を得て使うよう求める通達を出した。年度内に海外製義歯に関する研究班を設置し、実態を調べる予定だが、原告代表の歯科技工士、脇本征男さん(66)は「何のために歯科技工士という国家資格があるのか。患者への危険が明らかになってからでは遅い」と話す。 

(一部抜粋、続きあり)

 (2008年9月5日14時31分  読売新聞)

 

何のために歯科技工士という国家資格があるのか。患者への危険が明らかになってからでは遅い その通りだと思います。厚生労働省歯科保健課の態度には首をかしげてしまいます。

このニュースを読んで、はっきり言って心配になってきました。義歯やつめものは口に入れるものなので、歯科技工士がしっかりチェックして当然だと思います。厚労相歯科保健課ー「安全性は歯科医が責任を持って判断できるし」・・歯科医が素材のチェックなどできないでしょう海外製義歯の危険が具体的に明らかになった例もない」と反論する。」・・って、危険が明らかになるまでは輸入品はチェックしないでOKということですか。(こういう姿勢だから、厚労省は次から次へと問題が起こるのですね。妙に納得してしまいました・・。) これでは、国家資格である歯科技工士は要らないことになってしまいます。国産のものは歯科技工士が責任をもって作る必要があり、違反すれば罰則ありで、輸入品は歯科技工士の手を経る必要はないって、おかしくないですか?

 

Banner_04

  


岡崎久彦氏の正論

2008-09-05 | 政治〈国内〉

岡崎久彦氏がわが国の窮状を適切に分析し、問題点を掲げておられます。感動しました。もし、わが国を動かす力をもつ立場の人に岡崎氏のような方が一人でも増えていくならば、事情は変わっていくだろうと思います。少し長いですが、全文を。

  

【正論】福田首相退陣 元駐タイ大使 岡崎久彦 1年間の閉塞状態から脱せよ      2008.9.5 03:01

まずは、福田康夫氏の爽やかな出処進退に敬意を表したい。

 福田内閣の発足当初から、所見を聞かれると、私は常に、福田氏の最大の長所は、氏の性格に謙虚さのあることにあると言ってきた。

 氏は、若いころから、岸信介政権の志を継ぐ人物として保守派の輿望を担っていた父君故福田赳夫氏に比較されて、自らを客観的に見ることを知っている人である。

 かつての官房長官辞任の時もそうだった。権力や地位に恋々としないで、自らの引き時を知っている人である。

 その福田総理自身の言葉からも、こうなった原因は国会のねじれ現象にあることが分かる。前にも指摘したが、これは戦後の占領時代の憲法策定の際の、誰も特に意図しなかった不手際の所産である。

 政府側の議会解散権と議会側の不信任決議案提出権との間のバランスで政治を運営するのが、英国に発した議会政治の常道であるのに、下院とほとんど同じような権力を持ちながら政府が解散権を持たない上院を作ってしまった間違いが、占領終了後半世紀以上を経て、自民党の参院支配が終わって、問題として浮上してきたのである。

 現状においてこの問題を解決する方法は一つしかない。それは国益に関する問題については超党派的合意を達成する仕組みあるいは精神的態度を作ることである。

 アフガニスタンを支援するための海上自衛隊のインド洋派遣(補給活動)は、当面、日本の国益に関する最大の問題である。

 ≪党利党略で国益が沈む

 イラクへの多国籍軍派遣の国連決議も今年末で切れる。現在のアフガン支援は、米国の対テロ戦略に対する唯一の協力である。日本がこれに対する協力を打ち切った場合、米国大統領選の共和党候補マケイン氏の直截的な反応は想像に余りある。

 特に、多くの選択肢についての意見のある中で、日本との関係を重視しようとする民主党候補、オバマ氏の政策にとっても重大な懸念材料となろう。

 次の選挙で勝つことを至上命令としている日本の小沢一郎民主党が、何が何でも政府を困らせて点を稼ごうとするのは分かる。だが、党利党略以上の国益というものを理解できないで、果たして政治家と言えるだろうか。

 福田退陣を受けてできる新内閣は、道理は究極的には通るだろうという信念で、迷いなく自衛隊のインド洋派遣の根拠となる対テロ特措法延長を推進してほしい。

 それ以外にも新内閣に期待することは多々ある。安倍晋三前内閣は「途中で投げ出した」などとマスコミで描写されているが、病気さえなければ投げ出す意図など全くなかった。

 むしろその前の国会で、教育基本法の改正、憲法改正に必要な国民投票法の制定、防衛庁の省への昇格など歴代自民党内閣の数十年間の懸案を一挙に解決して、それを行政面で固めていく仕事が多々残っていて、それを進める予定だった。

 安倍改革停止を悔やむ

 特に、日本の安全保障の重要な論点である集団的自衛権の解釈についての再検討は、予想以上に審議のテンポを早めるよう指示され、4分類の審議は昨年の夏休み中に終わり、9月14日に締めくくりの会議が予定されていたが、安倍総理はその2日前に病気で倒れられた。自民党数十年の懸案解決の一歩手前まで来て、改革が止まってしまったのは悔やんでも余りある。

 そうなった理由は誰も説明していない。ただ、戦後半世紀以上に及ぶ惰性的思考から抜け出そうという安倍総理の勇気に対する消極的抵抗の雰囲気-誰一人理論的に説明する勇気も知性も持ち合わせない雰囲気-が、せっかく始まった改革をサボタージュしてしまったのである

 児童教育の功労者に授与される博報賞を受賞したある小学校の先生の言葉が忘れられない。「私は子供たちに『美しい国』を作りましょうと言って、励んできた。もう、それが言えないような雰囲気になってしまった。どうしたらいいのでしょう

 不思議な現象である。占領中の日本を罪悪視する教育、冷戦中の共産圏を利するための日教組教育の残滓(ざんし)が、もはやどこにもそれを理論的に弁護する言論も知性もないままに、公害の雲のように重く日本を覆ってきたのが過去の1年間である。

 新内閣が、あるいは、今回の政変を機として新たに進展する日本の政治が、この暗雲の中に希望の光を射してくれることを望んでやまない。(おかざき ひさひこ)

  

 

自民党の党利党略。(福田内閣の発足もそうです。岡崎氏は福田氏を「たてて」いますが、福田首相に関してよかったのは引き際だけだったと思います。) そして、民主党が政権欲しさに国会を混乱させている見るに耐えない党利党略。

しかし、「国益」を後回しにして、これ以上日本は持ち堪えられません。日本の政治に関わる国会議員の方々には、どうか「国益に結集する心」をもっていただきたいと強く思います。

また、安倍内閣の辞任を引っ張り出して、マスコミの「二度投げ出した」という「報道」には怒りさえ感じます。「マスコミ報道」は、決して小さな問題ではありません。

安倍元首相は決して「「投げ出して」などいません。ところが、マスコミ各社は、辞任が二度続いたことを「投げ出した」とし、それに焦点をあてて記事を書き、街頭で人々に意見を聞きます。ー焦点を微妙にずらすことで問題の本質を歪曲し、世論をそこに誘導し、そして煽るーマスコミの、この巧妙で姑息なやり口が、国民に影響を与え、その結果どれだけの国益を損ねてきたことでしょうか。深刻なのは、マスコミはマスコミの力を知っていて、意図的にこれをやっているということです。そして多くの国民(有権者)はまだそれに気がついていません。マスコミ・メディアの人間は、一つ間違えば、国民の何万何十万人を扇動してしまう力を持っています。マスコミ人に良識があるならば、マスコミの姑息な「歪曲」や「煽り」について、今一度熟考し、これを改善してもらいたいと強く思います。

 

Banner_04

  


中曽根元首相の談話

2008-09-04 | 自民党

【首相退陣に寄せて】元首相・中曽根康弘 政治は軽いものではない  2008.9.4 02:50

 福田康夫首相の突然の退陣表明は、今の日本の首相級の政治家の素質、性質を表している。最近2代の安倍晋三前首相と福田首相の退陣では、強い粘りと必死の信念が見えず、サラリーマン化したとの印象を禁じ得ない。

 日本は内外ともに非常な困難に直面している。内政では新テロ対策特別措置法の延長、税財政問題そして衆院解散・総選挙での与野党の激突がある。外政ではあまりにも早く首相が代わることで、外国は驚き、日本を軽視してきている。国益を非常に損なうもので、改善しなければならない。

 首相の出処進退は国民が納得するラインで、ある意味において厳粛でなければならない。国政の重大さ、対外的な重さがあるからだ。われわれの時代と比べ、首相の地位が軽くなってしまった感は否めない。

 これはジャーナリズムの問題も大きい。首相は国会で指名され、天皇陛下に任命される。憲法上、そういう重さで作られている。にもかかわらず、まるで普通の会社の社長の交代のように扱うから、政治家の心掛けも似たようなものになってきた。

 首相の職務の責任性を政治家もジャーナリズムも疎んじている。民主主義や日本の国家のあり方として、深く反省すべきだ。

 福田さんは素朴な人柄だけに、執念を持たずに辞めたようだ。われわれの時代のように苦労して首相になれば、簡単に辞める場面にはならなかった。

 昔は、政治家がある段階で首相になろうと決意したら、そのための修行をして、いつでもなれるような体系を作った。見識を広め、修養を積み、国際関係も含め広く網を張って備えたものだ。同志も募った。

 私は大統領的首相を目指し、国鉄民営化をはじめとする行財政改革、外交政策を自分の発案で動かした。世論に訴え、官僚を使った。米国のレーガン大統領と国際的な連携も図った。首相として、日本を動かすエンジンの役目を果たしたと思っている。最近の首相は、ややもすれば役人の上に乗っかっている感じがする。

 福田君、安倍君にしても良家の子弟だ。下から汗水垂らしてねじり上がったのではない。地位に恵まれた面はある。一方、外国の指導者たちは、下から苦労して地位を獲得した歴戦の闘士だ。温室育ちの日本の政治家は、外国の指導者と太刀打ちできるだけの修行が必要だろう。

 自民党総裁選で、次期首相(新総裁)が選ばれるが、麻生太郎君(自民党幹事長)がなるにせよ、誰がなるにせよ、次期首相は日本の歴史や伝統をわきまえ、冷厳に社会や世界を見つめて、きついことを直言する人を傍らに置く必要がある。今の政治家は、テレビのワイドショー的なパフォーマンスで生きているだけになおさらだ。

 首相になって初めて分かるものだが、政治とはそんなに軽いものではないからだ。わたしは京都学派猪木正道さん(政治学者)や高坂正堯さん(国際政治学者)らとよく話し合った。座禅を通じて無言の教えも受けてきた。

 衆院選は、次期首相と小沢一郎民主党代表の党首の戦いだ。自民党は総裁選で、小沢君に負けないトップを選ばなくてはならない。(なかそね やすひろ)

  

 

元首相のお話ということなので拝見しましたが、疑問を感じる部分が多々ありました。

安倍首相の退陣と福田首相の退陣は全く意味が違います。安倍前首相は健康上、これ以上職責を果たすことが難しいということで、政治の空白を作らないために、心ならずも辞任なさいましたが、一年という短期で十ニ分な功績を残されました。ところが、自民党は、その功績を引き継ぐどころか台無しにするような首相をわざわざ選び、この一年の政治の空転を招いてしまいました。責任は、国益と党の理念を見誤った自民党と自民党議員にあります。福田氏の退陣が問題なのではなく、福田氏を首相に担いだことが問題です。よって、「サラリーマン化」などという言葉は、今ここにおいては見当外れだと思います。

首相の出処進退は国民が納得するラインで、ある意味において厳粛でなければならない」 出処進退が厳粛かどうかを問う前に、就任中の職務内容が厳粛であったどうかについて問うていただきたい、もっとその前に、今の現実の自民党が持っている理念や、総裁(首相)選びが厳粛であったかどうかを問うていただきたいと思います。

良家の子弟出身うんぬん(よく言われる二世三世議員かどうか)など、言っても意味のないことです。そうではない議員なら「良い仕事ができる」と思われるのでしょうか。そんなことは何の関係もないことです。政治家は、「国(公)のために何ができるか」だけではないでしょうか?自民党の重鎮である中曽根氏が、このような表面的なことを云々されること事態驚きです。

  

「今の政治家は、テレビのワイドショー的なパフォーマンスで生きているだけになおさらだ。」  テレビのワイドショー的なパフォーマンスで生きているのではありません。そんな簡単な問題ではなく、TVはもはや、政治や国民の内部に入り込み、これらメディアの影響と堕落がどれだけ政治を侵蝕し困難なものにしているか、それに立ち向かわなければならない困難な現実がわかっているならば、このような発言はされないことでしょう。

衆院選は、次期首相と小沢一郎民主党代表の党首の戦いだ。自民党は総裁選で、小沢君に負けないトップを選ばなくてはならない。」中曽根氏のお話の中で、最後のこれだけは納得できることでした。また、中曽根元首相は渡辺恒雄氏と盟友関係とか。改めて思いますが、読売グループ渡辺会長の戦後政治への影響力は、本当に驚くべきものがあります。

 

Banner_04