海岸にて

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中曽根元首相の談話

2008-09-04 | 自民党

【首相退陣に寄せて】元首相・中曽根康弘 政治は軽いものではない  2008.9.4 02:50

 福田康夫首相の突然の退陣表明は、今の日本の首相級の政治家の素質、性質を表している。最近2代の安倍晋三前首相と福田首相の退陣では、強い粘りと必死の信念が見えず、サラリーマン化したとの印象を禁じ得ない。

 日本は内外ともに非常な困難に直面している。内政では新テロ対策特別措置法の延長、税財政問題そして衆院解散・総選挙での与野党の激突がある。外政ではあまりにも早く首相が代わることで、外国は驚き、日本を軽視してきている。国益を非常に損なうもので、改善しなければならない。

 首相の出処進退は国民が納得するラインで、ある意味において厳粛でなければならない。国政の重大さ、対外的な重さがあるからだ。われわれの時代と比べ、首相の地位が軽くなってしまった感は否めない。

 これはジャーナリズムの問題も大きい。首相は国会で指名され、天皇陛下に任命される。憲法上、そういう重さで作られている。にもかかわらず、まるで普通の会社の社長の交代のように扱うから、政治家の心掛けも似たようなものになってきた。

 首相の職務の責任性を政治家もジャーナリズムも疎んじている。民主主義や日本の国家のあり方として、深く反省すべきだ。

 福田さんは素朴な人柄だけに、執念を持たずに辞めたようだ。われわれの時代のように苦労して首相になれば、簡単に辞める場面にはならなかった。

 昔は、政治家がある段階で首相になろうと決意したら、そのための修行をして、いつでもなれるような体系を作った。見識を広め、修養を積み、国際関係も含め広く網を張って備えたものだ。同志も募った。

 私は大統領的首相を目指し、国鉄民営化をはじめとする行財政改革、外交政策を自分の発案で動かした。世論に訴え、官僚を使った。米国のレーガン大統領と国際的な連携も図った。首相として、日本を動かすエンジンの役目を果たしたと思っている。最近の首相は、ややもすれば役人の上に乗っかっている感じがする。

 福田君、安倍君にしても良家の子弟だ。下から汗水垂らしてねじり上がったのではない。地位に恵まれた面はある。一方、外国の指導者たちは、下から苦労して地位を獲得した歴戦の闘士だ。温室育ちの日本の政治家は、外国の指導者と太刀打ちできるだけの修行が必要だろう。

 自民党総裁選で、次期首相(新総裁)が選ばれるが、麻生太郎君(自民党幹事長)がなるにせよ、誰がなるにせよ、次期首相は日本の歴史や伝統をわきまえ、冷厳に社会や世界を見つめて、きついことを直言する人を傍らに置く必要がある。今の政治家は、テレビのワイドショー的なパフォーマンスで生きているだけになおさらだ。

 首相になって初めて分かるものだが、政治とはそんなに軽いものではないからだ。わたしは京都学派猪木正道さん(政治学者)や高坂正堯さん(国際政治学者)らとよく話し合った。座禅を通じて無言の教えも受けてきた。

 衆院選は、次期首相と小沢一郎民主党代表の党首の戦いだ。自民党は総裁選で、小沢君に負けないトップを選ばなくてはならない。(なかそね やすひろ)

  

 

元首相のお話ということなので拝見しましたが、疑問を感じる部分が多々ありました。

安倍首相の退陣と福田首相の退陣は全く意味が違います。安倍前首相は健康上、これ以上職責を果たすことが難しいということで、政治の空白を作らないために、心ならずも辞任なさいましたが、一年という短期で十ニ分な功績を残されました。ところが、自民党は、その功績を引き継ぐどころか台無しにするような首相をわざわざ選び、この一年の政治の空転を招いてしまいました。責任は、国益と党の理念を見誤った自民党と自民党議員にあります。福田氏の退陣が問題なのではなく、福田氏を首相に担いだことが問題です。よって、「サラリーマン化」などという言葉は、今ここにおいては見当外れだと思います。

首相の出処進退は国民が納得するラインで、ある意味において厳粛でなければならない」 出処進退が厳粛かどうかを問う前に、就任中の職務内容が厳粛であったどうかについて問うていただきたい、もっとその前に、今の現実の自民党が持っている理念や、総裁(首相)選びが厳粛であったかどうかを問うていただきたいと思います。

良家の子弟出身うんぬん(よく言われる二世三世議員かどうか)など、言っても意味のないことです。そうではない議員なら「良い仕事ができる」と思われるのでしょうか。そんなことは何の関係もないことです。政治家は、「国(公)のために何ができるか」だけではないでしょうか?自民党の重鎮である中曽根氏が、このような表面的なことを云々されること事態驚きです。

  

「今の政治家は、テレビのワイドショー的なパフォーマンスで生きているだけになおさらだ。」  テレビのワイドショー的なパフォーマンスで生きているのではありません。そんな簡単な問題ではなく、TVはもはや、政治や国民の内部に入り込み、これらメディアの影響と堕落がどれだけ政治を侵蝕し困難なものにしているか、それに立ち向かわなければならない困難な現実がわかっているならば、このような発言はされないことでしょう。

衆院選は、次期首相と小沢一郎民主党代表の党首の戦いだ。自民党は総裁選で、小沢君に負けないトップを選ばなくてはならない。」中曽根氏のお話の中で、最後のこれだけは納得できることでした。また、中曽根元首相は渡辺恒雄氏と盟友関係とか。改めて思いますが、読売グループ渡辺会長の戦後政治への影響力は、本当に驚くべきものがあります。

 

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