ずっとプロデューサーとして支えてきた映画監督が打ち上げ宴会中に急死。これを機に失職して
何もかも失ってしまったチャンシルさん。映画だけに捧げてきた人生、気がつけば男も子供も家もなし
もちろん青春なんていまいずこ。そんな八方塞がり、アラフォー女子のチャンシルさんに、ある日突然
思わぬ恋の予感が
仕事だけを生きがいにしてきた独身のアラフォー女性チャンシルさんが、失職したことにより突き付け
られたのは、自分の置かれたどん詰まりな状況。自分から仕事を取ったら何もなかったという喪失感とか
まるで自分だけ社会に取り残されたような焦燥感とかは、大いに自分も共感出来るところだし、現実には
割と辛いテーマだと思う。だけど、チャンシルさんがそれをどう受け入れていくのか?という過程が
重すぎずコミカルに、時にシュールな描写も交えて描かれていくところがとても面白かった。
そして、アラフォーの映画プロデューサーというチャンシルさんの人物設定が妙にリアルだなぁと
思ったら、この作品の監督自身がホン・サンスの映画プロデューサーだったそうで納得!
なるほど、チャンシルさんは監督自身を投影した人物だったのか~ 道理で・・・
でも40歳のチャンシルさんは、仕事にしろ恋にしろ、まだまだ色んな可能性があるはずだしやり直し
だってきく、それはとても救いだと思えた。
これまでの自分を全否定することなどないんだよ、と共感しながら勇気を貰えたラストも良かった。
確かに笑える所もあるけど、シュールと言うか淡々た進むせいか、睡魔との戦い。 ☆☆★