1982年のル・マン24時間レース。
グループCのカテゴリーができたこの年、新型マシンのポルシェ956Lが初優勝しかも表彰台を独占し、1987年まで続く956L/962Cの六連覇がスタートすることになります(ポルシェとしては前年の936/81から数えて実に七連覇)。
この年のポルシェ・ワークスチームから参戦した3台の956Lは、カーナンバー1,2,3の順に隊列を組んでゴールインし“史上もっとも美しいゴール”と呼ばれました。
このパレードランを記念してロスマンズ・カラーに塗装された3台のミニカーをセットにしたスペシャルボックスがミニチャンプスとhpi Racingからそれぞれ発売されています。
私の持っているのはhpi Racingのもの(上記写真)。
1,740セット限定の販売ながら、いまだにメーカーのサイトに絶版にもならずに掲載されているところを見ると、人気とは別にあまり売れているセットではないのかな、という気もします。
理由は、25,250円という高い定価もさることながら、たばこ規制のために肝心のロスマンズのデカールが貼られていないことが原因ではないかと思われます。
パッケージには「本品にはたばこのステッカーは付属しません」とありますが、実際にはこっそり添付(後付けかもしれません)されたデカールを個人で貼り付けるようになっているのです。
この作業、なかなかシロートにおいそれとできるものではなく、私の場合はミニカー・コレクションの先輩でもあり師匠でもある友人にお願いして貼ってもらいました。
その作業が無事に終わり(実際には無事ではなかったようですが)、このたび晴れて我が家に戻ってきたので今回のブログで紹介し、あらためて貼付作業の難しさを認識していただこうという次第です。
本当は作業の工程をご紹介するような画像があればいいのですが、当人にもそこまでの余裕はなかったと見えて、ここでは完成品の画像をお見せするにとどめます。
それでは。
ボックスを開けると、真ん中に優勝したカーナンバー1のクルマ、その左右に2と3のクルマが配置され、それら2台はリアカウルが取り外され、エンジンやギアボックス、リアタイヤなどが見えるようになっています。
もちろん、1のリアカウルも着脱可能。
フロント部分の拡大。
「ROTHMANS」のロゴとマークが貼ってあります。
クルマの顔の部分であり、3台そろえて同じ間隔で貼る必要があり、簡単なようでいて注意が必要な場所なんだそうです。
リアカウルの「ROTHMANS」のロゴ。
左右の隙間を等間隔に開けて貼る必要があり、少しでも違いや傾きがあると、見る人はそこが気になってしまう悲しい習性があるので、やはり集中力が欠かせないところなんだそうです。
写真でおわかりのように素晴らしい仕上げになっています。
サイドビューの「ROTHMANS」のロゴ。
一見一つのロゴのように見えますが、実はリアカウルで分割されているため、2つの部分に分かれているのです。
リアカウルを少し持ち上げてみたところ。
重ねた時につながって見えるように、車体に内側に少し回り込ませて貼ってあるのですが、その間隔たるやコンマ数ミリの長さなので、適切な長さに切りそろえて貼る作業はハンパではありません。
予備のデカールなどない一発勝負なのでなおさらです。
3号車のリア・サイドビュー。
「ROTHMANS0」のロゴやゼッケンの白い円がずれて貼られているように見えますが、これは間違いではなく、実際の車両もそのようになっているのを忠実に再現しているのだそうです。(雑誌「Racing on」のポルシェ956特集号の13ページの写真参照)
おそらく何らかの理由で右ドアを交換したからなのでしょうが、そこまでやるか!という感じですね。
リアカウルを外した中の状態。
956から採用されたアルミ・モノコックのシャシーや水冷エンジンが忠実の再現されています。
hpi Racingのミニカーが高価なのもうなづけるできばえです。
この写真でもデカールを回り込ませて貼ってあるのが見て取れます。友人のテクニックすごい!
ちなみにこのセット、気長に探せば定価よりはるかに安い価格で販売しているショップが見つかります。
そうした店の1軒で私は購入しました。
最後にいつもの角度から、優勝したカーナンバー1のクルマをもう一枚。
ドライバーの一人、ジャッキー・イクスはこのときル・マン通算6勝目でした。
ロスマンズ・カラーのポルシェ(956L/962C)の人気は高く、最近も新しいミニカーが販売されました。
たばこのデカールが無ければ気の抜けてしまうようなこのミニカー達に「命」を吹き込んでくれた友人に感謝しつつ。