五十の手習い足払い

五十歳を過ぎて始めたブログももう何年目?
山梨に住む新しモノ好きのオヤジが自分の趣味や日々の暮らしをつづります。

プリンスR380

2012年02月14日 | ミニカー
1966年の日本グランプリ(日本GP)で優勝したプリンスR380。
カーナンバー11の赤いR380は、優勝した砂子義一選手のドライブするクルマです。

第3回日本GPは昭和41年5月3日、新設の富士スピードウェイで開催されました。
この年の半ば、経営不振から日産自動車に吸収合併されてしまうことになるプリンス自動車工業からの最後の参加でした。



R380は直列6気筒DOHC1996ccエンジンはあのスカイラインにも積まれた強力なもの。
二年前の第2回日本GPでポルシェ904に敗れた雪辱を果たすために独自デザインのシャーシとボディを加え、わが国初の本格的レースカーと呼ぶにふさわしいプロトタイプ・レーシングカーとなりました。

レースは予選3位からスタートしたR380が2週目からトップに立ち、そのまま周回を重ねます。
実力に勝るポルシェカレラ6は24週目、R380を抜いてトップに立ちますが31周目、燃料補給のすきに順位を落としてしまいます。
再び首位に返り咲いたR380はポルシェのリタイヤなどもあり、後半は安定した走りで60週を走りぬきトップでゴールインしました。
2位も同じR380(ドライブは大石英夫選手)が入りました。3位は無給油で走りきった細谷四方洋選手のトヨタ2000GT。



R380の開発プロジェクトは日産自動車に引き継がれ、翌1967年の日本GPにはNISSAN R380(上の写真向こう側)として参戦しますが生沢徹選手のドライブするポルシェカレラ6に敗れてしまいます。
第3回の日本GPでカーナンバー8、黄色のR380に乗り、レース前半ポルシェカレラ6を巧にブロックして「R380優勝の陰の立役者」とも言われた生沢選手に翌年苦杯を喫するのは少し皮肉でもありますね。



これでR380は写真のプリンスのものが4台、翌年のNISSAN R380が4台、計8台をそろえることができました。
この中で、今回の赤いプリンスR380(11番)がオークション市場でもダントツで高価です。
唯一の優勝したクルマであることのほかに、NHKのドキュメンタリー番組「プロジェクトX」で紹介されたことも大きいのかもしれません。
とにかく落札価格は他の3台の合計入手金額より大きかったですから、正直手に入るとは思っていませんでした。
入手に協力してくれた友人に感謝感謝です。

※ミニカーはすべてエブロ製、1/43スケール。

ちなみに、赤いR380の本物は、(どういういきさつかは知りませんが)現在トヨタ博物館に保存されているそうです。博物館のパンフレットにも載っています。

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4 コメント

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Unknown (kit)
2012-02-14 19:43:10
数年前トヨタ博物館で見た時は驚きました。
コスモやGTBのような市販車ならわかるのですが、何故でしょうね。もっと相応しい場所があるようにも思うのですが。
照明のせいか色はもう少し濃いエンジ色のような印象が残っています。
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トヨタ博物館 (のせ)
2012-02-14 20:18:18
そうでしたか、私もぜひ一度見てみたいですね。
R380だけでなく、R381とかR382なども見てみたいです。ニスモのフェスティバルなどで見られるみたいなんですが。
トヨタ博物館がプリンスのレーシングカーを奪ってきた理由にもとても興味があります。
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トヨタ博物館展示品 (Gavia)
2012-02-17 00:01:25
はじめまして
偶然立ち寄らせていただきました。
トヨタ博物館に貸し出されているのは型式的にはA-1(知られている限り現存唯一)に違いないのですが、塗色、ストライプの細部、ゼッケン番号の字体などは明らかに砂子車とは違い、少なくとも外観については「それらしく」したものと思われます。ライバル企業のものとはいえ、博物館にあることは良いことかもしれませんが、本格的なレストアが行われて履歴が明かされると良いのですが・・・。
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砂子車 (のせ)
2012-02-17 00:59:44
はじめまして、Gaviaさん。
そうですか、やはり優勝した実車ではないのですね。後年日産がトヨタ博物館のクルマから型を取ってR380を再現し、走らせたという記事を読んだことがありますから、日産(あるいはプリンス)自体にも実車はないのでしょうね。いよいよ本物がどこにあるのか知りたくなってきました。
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