ふぶきの部屋

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舞音・GOLDEN JAZZ

2016-01-16 07:00:00 | 宝塚コラム

 姫と一緒に月組を見に行きました。

住友VISAと宝塚友の会貸し切り。

開演アナウンスが始まる前に、姫に龍真咲の真似をして

「皆さま、あけましておめでとうございます。月組の龍真咲です!」ってやって

笑わせていたら、本当にそっくりなしゃべり方で笑ってしまいました。

あの抑揚を真似するのは容易ですね。

 

いつも有楽町へ行くと、姫ちゃんとイトシアへ行くのですが今回もそう。

セールをやってて。

時にはあか抜けたものを見るのは大切ですよね。

なんて思っていたら、姫ちゃんがっ!

サプライズで手袋を買ってくれました

赤いの。 ありがとうーー 気まぐれに親孝行してくれて嬉しいわ。

でもさ。カードを作ったおかげでかなりーー安くなったんじゃなかったっけ?

植田景子も末期です。

もう、本気で脚本を書くの、やめた方がいい。

才能がないのもそうだけど、そもそもストーリーテラーとしてのセンスがない。

今時、ネットを見れば作品批評なんて沢山目にするでしょ?

 娘役を大事にしない

とデビュー当時から言われ続けてもう20年?トップ娘役にボロボロの格好を

させるのが趣味というか信条。それをやめなさいよと言われ続けて20年?

ムードを出す事だけは上手だけど、お話を作るのは苦手。

原作つきであっても、それが無理だとわかりました。

 

あの頃・・・って2000年直前か。

同世代の演出家が悲喜こもごもで、斎藤吉正は、最初は支離滅裂な

作品ばかり作っていたけど、「カラマーゾフの兄弟」あたりから

観客目線で作品を書くようになり、著しく成長。相変わらず支離滅裂な部分は

あるけど、それが個性になりつつあります。

荻田浩一はデビュー当時から才能が開花し、でも退団。

児玉明子はパクリと宝塚風を身に着ける事が出来ず退団。

そして木村信司もまた、日本語の不自由さが20年経っても改善されず

時間の問題。

若手だった小柳奈穂子は、最初こそ「?」だったけど、メルヘン路線で自己を確立。

上田久美子は文学性と知性の高さでイチオシ。

成功した人達に言える事は、みな「観客目線」でストーリーを書いているって事です。

ピラミッド型の宝塚の場合、トップコンビにどんなイメージを持ち、何をさせたら

観客が喜ぶか。

それを第一に考えなくてはなりません

キムシンや児玉明子や植田景子に抜け落ちているのはまさにこの部分なんですね。

 

それからストーリーの組み立て方。

起承転結のつけかた。これらは基本中の基本であり、

個々の登場人物の心情や動機付けが大切になるのです。

 

「舞音」は「マノン・レスコー」のアジア版らしい。

原作を読んだ事はないのですが、瀬奈じゅんと彩乃かなみのマノン」は

スカステで見た事あるけど、ああいう話だったっけ?

「ミス・サイゴン」宝塚版?と思ったら「琥珀色の雨にぬれて」?

いや・・・・「1789」・・・いや・・・・ラストはまるで「王家に捧ぐ歌」?

 

植田が描きたかったのは、植民地として差別されているインドシナだったの?

もし、そうならマノンとその兄がインドシナ女性とフランス人貴族の混血児というのは

設定として難しすぎます。

身はインドシナにあっても心はフランスにあるのか。

どっちの味方か・・・・・「マラケシュ」でいう所の樹里咲穂の苦悩が全く描かれずに

マノンは軽薄な女として描かれ、クオンもまたチンピラとして描かれる。

なぜ混血設定にしたのか、その根底にはどんな感情があるのかという事が抜けてます。

さらに共産主義者による独立運動ですが。

本当に今時の人は共産主義者に恐怖や嫌気を感じない。

まるで正義の味方のように描くんだなとあきれてしまいました。

しかも (ここ重要)

インドシナ独立運動には主役の二人も、クオンもまったーーーーく関わってないっ

まるっきり関係ないのにあれよあれよという間に巻き込まれて・・・笑う。

全体的にシャルルってバカじゃないの?と思いますよ。

マノンが「男から男へ渡り歩く蝶」だって言われているのに、出会ったその日にHしちゃって。

マノンにその気がないと言われてひっぱたく?どんなDV男だよ。

マノンはマノンで、自己主張ばっかり。

自己主張ばかりと言えば、マノン付きのホマ。

マノンに世話になっておきながら宝石を盗む・・・見咎められて許されたら

感謝するどころか「贅沢してるあの女が許せない」といって怒る。

ねたんだりそねんだりするのは独立運動とは関係ないんじゃないの?

だからって人のものを盗んでいい理由にはならないでしょう。

 

女性が書いた脚本なのに、こんなに娘役が出てこない舞台っておかしくない?

いや、娘役だけじゃなくて、主役ですらあんまり出てこないというか、関わって来ない。

 

芝居における「対立の構造」というのは、政治的なものじゃなくていいのよ。

マノンとカロリーヌ、シャルルとフランス軍。そういうのでいいんじゃないの?

クオンだって、本来は独立運動の指揮を執るくらいの役柄でないと身に合わない。

 

マノンのどこが男を破滅させるのかが全く描かれていないために

シャルルがなぜ金が必要なのかわからない。

わからないのにあっという間に転落していくのを見せられて

観客は「あれ?」の連続。こういうのを「置き去り」というんですよね。

一人ひとりの心情はおろか動機づけさえきちんと出来ない。

ましてや美弥るりかのセリフも歌もないあの役はなあに?

もう一人のシャルル?違うでしょ?役がないから無理やり作ったんでしょ。

全然心を表現していないじゃない?不必要な人物ですよ。

気が付けば、植田景子さんのお好みは龍真咲でも珠城りょうでもなく

朝美絢だったんじゃないの?と思う始末でした。

 

脚本を書き始めて20年くらい?いい加減にして頂きたい。

地道にコツコツ頑張って、いい脚本を書いても発表する場がない人が

沢山いるっていうのに、恵まれた環境にいながら甘え切ってる。

何度も書くけど

 登場人物の背景と動機づけ

 起承転結

 娘役を大事にする

これが出来たら「これぞトップスターの見せ場を作る」でしょ。

フランス警察とインドシナの対立を延々と見ている主役なんて見てて

面白くないんですっ

しかもラブストーリーなのにほとんど絡まないじゃない。

植田景子さんにとってって何よ。

顔と体に惚れた女に溺れる事ですか?

牢獄につながれたマノンと外にいるシャルルが朗々と「愛」を歌い上げるけど

マノンとシャルルには恋に落ちる理由がないのです。

片方が誠実に愛そう・・つまり思いやりを示し、相手の為になる事を考える。

一方は愛は自分の好き勝手にさせてくれて、ただただ二人で楽しい思いをする

事だと思ってる。

(「風と木の詩」で駆け落ちしたセルジュとジルベールのような関係が、シャルルと

マノンなんだと思うんですが・・・二人で愛を確かめ合った後の生活風景が

一切描かれていないのです)

恋と愛は違う。

本当の愛とは何か、それを二人は知ったのか、知らなかったのか。

(ジルベールは理解できずに破滅し、セルジュは思春期を抜けて大人になるのです)

主人公らの「心の成長」を描かなくては芝居として成り立たないではありませんか?

 

インドシナの独立という事についても、考えが甘いというか

単にフランス=悪

  インドシナ=善

インドシナの歴史には詳しくないので、ロン・ボイ・ミンなる人物が何なのか

どうしてロシアが絡んでくるんだろうか?などと思い、調べてみたら

ホーチミンの事なのね

ホーチミンは共産党から独立民族運動を立ち上げ、ソ連に影響されたと。

ちょいまち、ロシアじゃないよね?ソ連だよね?

1929年ならソ連になってる筈だよね・・・・

私達の世代からすると、たとえ植民地でもフランスについた方が善だと

思えるんだけど。

とにもかくにもその、ロン・ボイ・ミンとマノンの流刑の日が同じで

たまたまそこに居合わせたばっかりに・・・・という展開が激しく意味がない。

謎の張夫人についてもクオンが中国人っぽい呼ばれ方をしているのも

単なる「共産党繋がり」なの?でも当時の中国は・・・・・面倒だわもう。

 

結果的にこの脚本は10回は書き直さないと素敵なセットや音楽に見合った

作品にはならないという事になります。

(「星条海斗の「しらみつぶしに調べろ」もちょっとありえない。

「しらみつぶしに探せ」じゃないの?)

 

という事で今回は誰一人光った人はいませんでした。

強いて言えばオープニングのちゃぴ様が美しすぎて

なのにベッドではドーランで汚れきった白の衣装だよ

ああそうそう、牢獄でちゃぴ様を後ろから抱きしめる美弥るりかもかっこよかったです。

やっぱり包容力があるっていいよね。

龍真咲と愛希れいかでは、流れる空気が冷たくてね。

 

 GOLDEN JAZZ 

みーーんなタンバリン持ってました。

売り切れてて、既成のものが売ってたけど、あまりにも子供のおもちゃなので。

最初のドラムから楽しませて頂きました。

幕開けのちゃぴ様の目立つ事

もはや影の・・・・というより、正々堂々女帝様。

ちゃぴ様がいないと月組が成り立たないという事がよくわかりました。

3場のチェロの場面は、珠城にしてはかわいらしすぎるけど、稲葉君らしいシーンで

チェロを弾いてた暁千星の笑顔に癒されました。

でも、やっぱり7場でしょうね。

これは「パッショネイト」の礼音君のすさまじい大地の踊りそっくりなシーンで

「えーー?これ、誰がやるの?踊れる人いる?」

って思ったらちゃぴ様だったので納得。

笑顔で踊りきるすごさ。回りの男役は全員ツバメですわ。

本来、トップスターがやるべきシーンなのに、まさきちさんはなんとも思わない?

いや、そもそも踊れないか

燕尾服のシーンも、トップがいなくなってからの方がみんな生き生きして

振付もかっこよくなってるしね。

ショーというのはスペクタクルなんだなーーとつくづく思いました。

驚きとかいきなりの笑顔とか、一瞬にして現実が吹っ飛ぶような

ものがショーなんです。

基本を教えられたような気がしました。

月組は歌える人が沢山いるのに、あえて星条海斗をエトワールにした

理由は何でしょう?だって専科ですよ?

「ナポレオン」の北翔海莉とは立場が違うような気がするんですけど

っていうか、いつまで月組に?とも思います。

序列がきちんと守られず、若手が抜擢されず、みんなトップに気を遣っているような

組は見たくないなと。

せっかく内容のいいショーだったわけだし、はじけてもいいと思う。

まあ、大物不在の宝塚だからしょうがないのかしら?

 

 

 

 


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6 コメント

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原作がアレじゃぁ~~ね! (スザンナ)
2016-01-16 09:40:23
木村さんの「炎に口づけを・・」でしたっけ?
あの時、ストーリーが滅茶苦茶で有り得ない!
・・と迄 言われたオペラを
どう料理するのか?と興味半分観劇しましたが
「素材が悪けりゃ どう料理しても ぺけ!」と思いました。

今回も原作オペラ「マノン・レスコー」は
最後 脱獄して囚人服のまま
砂漠で 野たれ死ぬ・・って あんまりな御話

↑前回の教訓をいかして 観劇予定を入れませんでした。
たとえ 舞台をアジアに移しても
ストーリーの大本は変わらない・・と。

案の定 宝塚では千秋楽も満員御礼とは成らず
東京でもチケットは譲渡一色とか??

演出家のセンセーがた 原作は吟味なさってね!
なるほど・・ (ゆうこ)
2016-01-16 12:55:33
>気が付けば、植田景子さんのお好みは龍真咲でも珠城りょうでもなく
朝美絢だったんじゃないの?と思う始末でした。

意外と植田先生の本音かもしれませんね(笑)

そうか作品ボロボロなんですか?私は明日有楽町のホールで、2月にならないとマノンは見れないって言うか、チケット一枚しか買ってないの
名古屋の子に大劇場での出来を聞いて・・一枚と決意

劇団もおいおい駄目な人は切っていくんじゃないですか?
だって書きたい人はいっぱいいますもの・・いろんな人にチャンスを与えていいものができるようになってほしいですね

でも人間て目も見え鼻も利き、耳も聞こえる人はどうしても作品上手な人より、人間関係の上手な人を選びがち・・なんででしょうね?
多分キムシンも植田さんも劇団の理事やその他のスタッフと人間関係が上手でここまで来ちゃった?のかも

一度でいいいからオギーの作品を劇場で見てみたいです(たぶん駄目なんでしょうけど)

とりあえず明日みっちゃんに会いに行ってきます
やはりちゃぴ様 (ちゃぴ副長)
2016-01-16 20:35:27
ふぶき様こんにちはいつも宝塚レポ楽しみにみています。
2回もマノンを観に行って私も納得してしまう部分が多くありました。
まさお君の回想シーンでみやるり君とちゃぴ様の愛の部分があったらラブストーリーとして深みが増しますよね
GOLDEN JAZZでも最初の登場シーンやアフリカンダンスでもちゃぴ様のラスボス感が漂うオーラでしたね。
納得です! (わさび)
2016-01-16 21:53:29
「バスタオルが必要なぐらい泣ける」とか結構高評価な文章を多く読んでいたので、私がおかしいのか?と思っていました。首がむち打ちになりそうなぐらいうなずきながら読ませていただきました。いっそ『ミス・サイゴン』をそのままやってくれた方が良かったです。
水曜に月組、土曜日に星組「Love&Dream」観て来ましたが (名も無き一輪の百合)
2016-01-17 21:54:57
水曜日に月組『舞音』、土曜日のマチネで東京国際フォーラムにて星組『Love&Dream』観て来ました。月組、私は植田景子さんの脚本作品の中では今回の『舞音』けっこう気に入りましたけど…。私はふぶき様と違って脚本に関しては素人(しろうと)なので評価がだいぶ甘いのかなぁ?。
▲私は常々、景子センセイ(植田景子さん)の書く脚本って元来あまり好きじゃないというか彼女の作品は「駄作」が多いので今回脚本には期待しないで出掛けたのですが、良い意味で期待を裏切ってくれたというか、佳作だと感じた作品でした。 プレヴォーの「マノン・レスコー」を下地に舞台をフランス統治下の植民地時代のベトナムに置き換えた作品だと思うのですがベトナム特有のエキゾチックな雰囲気が舞台の最初から最後まで漂っていて抜群の効果を醸し出してたように感じたのですけど。
▲今まで、星組の『ハプスブルクの宝剣』(超超駄作)『愛と革命の詩』(駄作。あまり面白くも無いストーリー)『The Lost Glory』(駄作。イマイチ)と植田景子脚本作品には、演じる生徒さん達がどんなに頑張って熱演しても“脚本がヒド過ぎる作品”が多々あり、かろうじて“佳作な脚本作品”で思い出せるのは『ジャン・ルイ・ファージョン 王妃の調香師』くらいでした。 ☆過去の超駄作(ハプスブルクの宝剣とか)に比べたら、今回の『舞音』は舞台演出も良かった気がしますし、観客としてもお芝居のストーリーにのめり込めたんですけど…。 ★ふぶき様くらい長く(25年~30年くらい?)宝塚を観劇されてて、かつ脚本の才能もお有りな方から見たら『舞音』は満足できる出来ではなかったのですね~。
★ショー『Golden Jazz』 (名も無き一輪の百合)
2016-01-17 22:07:42
◆ショー『Golden Jazz』は私個人的には素晴らしいと感じました。(←評価が甘くてスミマセン。)ちょっと、たまきちさんのチェロ場面が“やや長過ぎるな”とは感じましたけど…。
◆最近の今までの月組さんのショーでは(ルパン/JINの時の)『Fantastic Energy』と(PUCKの時の)『Crystal Takarazuka』(明日への指針の時の)『Takarazuka花詩集100!』と冒頭の和物のショー『宝塚をどり』の4作品が(私個人の中の)月組のショー『お気に入りベスト:トップ4作品』だったのですが、水曜日観た『Golden Jazz』はそのお気に入りベストに加わりそうな勢いです。
→ でもそれはあくまでも私個人の感じ方だから、「ダメ出し」されてらっしゃる長年観劇されてるヅカ・ファンの方から見られたら、何かダメ出ししたくなる箇所が有るのかも知れませんね、きっと。

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