ちょいと大阪に行って来た。
あいかわらずなんもかんもが過剰な街だ。
おばはんのファッションはレースのカーテンのようなものでできている。
おねえちゃんはまつげの長さも、アイラインの濃さも、ホットパンツの短さもどれも過剰である。そして豹柄の服がいかにも多い。
大阪男はぶっといネックレスがよく似合う。
商店街はドンキのように、品揃えが豊富で混沌としているのだが、そんな店先で
「ウチぃ、どれにするか迷ってしまうねん」
「なんでも買うたるさけ、早よしぃや」
などというオッサンとギャル系のカップルの会話を聞くと、「ああ、大阪に来たなぁ」としみじみ実感する。
食べ物も過剰なほどに美味しい。
来阪するときは必ず、
・なんば地下街の「ヨネヤ」の串かつ(ソース二度漬け禁止)
・「せんば自由軒」のカレー(生卵をのせてぐちゃぐちゃにするやつ)
に寄るのだが、今回はいっちょう新規開拓で食い倒れてみたい。
まずはキタの居酒屋で「とうもろこしの刺身」。
とうもろこしのしゃきしゃきした歯応えは、北海道に住んでいたころ裏の畑で盗んで食べたそれを思い出す。
圧倒的な甘みの津波が押し寄せてきて、しばし呆然となる。
そして我を忘れてむしゃぶりつく。
お次は御堂筋の割烹で「ノドグロ」の塩焼き。
「ノドグロ」は日本海の魚だが、関西でこんなにも人気とは知らなんだ。身離れの良い肉に、ジューシーで上品な脂がタップリとのっている。
俺様的お魚ナンバーワンの「きんきの干物」と甲乙つけがたい。
10数年前、岡星と佐渡島へツーリングに行ったとき、フェリーの食堂で食べた「ハチメ」という魚に味が似ている。
俺はいろんな誘惑に弱いが、味の記憶だけは強いのだ。
その後、ミナミにて台湾の鼎泰豊(ディンタイフォン)より美味しいと評判の小龍包や、コラーゲンでトロトロになった絶品の鶏そば、ソースと青ノリをかけないで食す「大人のたこ焼き」など、あたりかまわず喰いちらかす。
で、場所を移動して鶴橋へ行く。電車の扉が開いた瞬間、焼肉の甘い香りが車内に入ってくる。
神戸牛と山形牛の味比べをするために、2店の焼き肉屋をはしごしてマッコリを呑んでマッタリとする。
呑んで・喰って・吐いて・ぶっ倒れ~という、なんともクレイジーな夜になった。
う~ん、書いてて気持ち悪くなってきたな。
お土産は定番の「鯖寿司」。
心斎橋大丸の裏手、150年以上続く老舗の寿司屋「福寿司」で決まり。
市井のバッテラとは比べようもないほどに身の厚さが過剰だ。
口の中が幸せでいっぱいになること請け合いですので、皆様も大阪へ行かれる際には是非おもとめくださいな。
一本3800円はちょいと痛いが、その価値は必ずありますよ!