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「わが母の記」

2012-05-20 19:15:30 | 家族
井上靖さんの自伝的小説を映画化した「わが母の記」を
昨夜観てきた


(講談社文庫)

幼い時に妹を連れて家を出て行った母・八重(樹木希林)に
捨てられたと思い続けた息子・洪作(役所広司)が、老いて
次第に認知症がすすむ母との間にある溝を埋めようとする
ストーリーを昭和の日本的家族愛を背景に描いた作品だと
思った

たんたんとすすむストーリーに、固唾を呑むような起伏の
あるシーンはなかったが、思わず涙する場面が一か所だけ
あった

それは
「海辺で息子の洪作が母の八重をおんぶするシーン」

雑誌でこのシーンは見ていたが、母と息子がお互いに求め
あっていた本来の親子にやっと戻ったシーン!
感動の場面だった!

樹木希林さんの演技はほんとうに素晴らしかった!


母をすでに失くしている自分にとって「母」は遠い存在の
はずなのだが、何年たっても、その存在は消えることはない
むしろ事あるごとに、幼き頃のことが、思い出されるのは
年齢のせいなのか、なになのかわからない

もっも小さい時の思い出が、戦時中に母親に背負われて父
の慰問に行った時、軍服姿で黒ぶちのメガネの父が怖くて
母の背中にしがみついていた時のことをよく覚えている

93歳で亡くなる前の数年は徐々に認知症が進んで会っても
息子の自分のことをなかなか思い出してくれなかった
そんな母が慰問の話に反応したのを驚いたことがある

父親のことを思うことはあまりないが、母と息子の繫がり
はどこまでも続いているのだろうか思ったものだ

樹木希林の母親姿を観ていて、どこかで母親と重なる部分
があって後半は涙をさそわれることが多かった

母を背負うことは生涯なかったが
この映画を観てふと思った
一度でいいから母を背負ってあげたかった

もう叶わぬことだが。