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母の遺言状。

2007-11-28 17:22:23 | 家族
母の遺言状が届いた。
郷里にいる兄が代筆したものに
判別も難しいほどの弱々しい文字で
母の署名がされ印鑑が押されているものだ。

いま92歳
もう8年にもなろうか
脳梗塞で倒れて以来
あれやこれと病気を併発して
ずっと病院のたらいまわし暮らしが続いている。

8月末に見舞ったときは
もう、がんばりたくないとこぼしていたが
医療の進歩か、本人の生命力か
ここ2年、何度もの危機を乗り越えてきた身体も
もはや燃え尽きかけたローソクみたいなもんだろう。

心臓が弱っており
胸にたまる水を抜くのは毎度のこと

先々週に右足のつけ根部分を骨折したが
ぼろぼろになった骨はどうすることもできないそうで
毎日、痛みを訴えているという。

その母が、兄に遺言状を書かせた。

86歳で亡くなった父は
わずか1年ほど、自宅で伏せただけで
胃がんで亡くなった。
その時も、亡くなる半月前に子供を招集し
遺言状を示し説明したものだ。

母も父のもとへ旅立つ日が近づいて来たと
思ったのだろうか、なんともいたましい。

父より6歳も長生きをしているのに
それ以上の年月を苦しみ続けて生きている。

「健康寿命」はとっくに過ぎて
「介護寿命」→「延命寿命」で生きることが
果たして幸せな人生の仕上げなのだろうか?
と思ってしまう。

熊野古道でも、東海道でも、普段のウォーキングでも
道中にあるお寺や神社やお地蔵さんをみかけると
立ち寄っては、母の安らかな日々を祈願してきたが
もう父に早く迎えにきてほしい!と
言うことにしたい。

子どもとしては複雑な心境だ。