11月後半の2週間の神経内科検査入院で、6月に比べると11月に見た肺の影が、2倍くらいに大きくなっていた件で、13日に再び大学病院の呼吸器内科を受診した。
これまでの検査の結果、腫瘍(肺がん)と真菌(カビ)についての血液検査の結果は陰性であたったが、レントゲン、CT、血液での検査は結核については灰色・再検査と判定された。
” 高齢者と結核;
昭和16年4月から昭和17年3月までの生まれが、小生の同学年である。言い換えれば戦争が始まった年に生まれた世代である。それ故、小学校卒業の頃までは、大変な物資不足に遭遇した世代でもあった。そして、戦後しばらくはいたるところに結核患者がいた時代であった。
小学校の頃、同級生の何人かが結核に感染し、法定伝染病である結核患者を隔離し治療する、隔離病舎と呼ばれる病院に送られて行ったのを記憶している。
担当医に言わせると、60歳以上の世代では大半の人が子供の頃結核に感染し、そして大半の人が自然治癒していた。
そういった中に、病巣に結核菌が生き続けている人が稀にいて、高齢化に伴なって免疫力が低下し、再び発症するケースがあるという。
医師は、小生もこのケースではないかと考えているようである。 ”
更に、19日にCTを撮影し、今までのCTと比較し問題があると認められたら、岡山市内の病院に紹介され、そこで肺の内視鏡検査にため2泊3日の検査入院をすることになると説明された。
影はじりじりというか、かなりのスピードで大きくなっているように小生には見えた。医師にこんなに早く大きくなるのかと聞いたところ、結核とすると遅い方だという。
いやはや、正月前に気の重いことである。
追記;
「高齢者の結核」より抜粋した。; http://www.jata.or.jp/rit/rj/project5.pdf
治療成績:
高齢者の治療終了例は他の年齢層に比較すると低く、61%にすぎなかった。中高年層の
78%、青年層の86%と比較すると、統計学的に有意に低いことがわかった(p<0.01)。また、他病死
の占める割合は中高年層、青年層でそれぞれ40%(14/35)、25%(1/4)であった。高齢者では他病死
する例が多い傾向(53.8%;43/80)がみられたが、統計学的有意差はみられなかった。
死亡例の検討
:Barnesらが報告したように高齢であることは肺結核症の予後不良の因子であるが、
高齢者では323例中80例(25%)が死亡しており、このうちの66例は治療中に死亡していた。死因は
80例中32例(40%)は結核関連死、43例(54%)は他病死であった。5例は死因不明であった。これに
対し中高年層では35例(6%)、青年層では4例(1%)が死亡していたにすぎない。
後遺症:
結核の後遣症には慢性呼吸不全、肺アスペルギルス症、非結核性抗酸菌症がある。その
頻度についてみると、高齢者では2%が慢性呼吸不全、0.9%がアスペルギルス症、0.3%は非結核性
抗酸菌症となっていた。中高年層では0.8%が慢性呼吸不全、4%が肺アスペルギルス症、0.4%が非
結核性抗酸菌症となっていた。高齢者では慢性呼吸不全になった例が多い傾向がみられた