最近、関口知宏の「中国鉄道大紀行」が放送されている。
中国の鉄道を「一筆書き」で、3万6千kmを乗り尽くそうという番組である。
既に、彼は日本の鉄道は乗りつくしており、先日はヨーロッパやカナダなどの鉄道の旅も放映していた。
また最近は、TVでSLを取上げた番組にしばしばお目にかかるのである。
小生は、山陽本線のK駅から100mくらい北で生まれ育った。
子供の頃は、ホームに列車が到着してから、出かけても十分乗れると、豪語したものであった。
(家にいても、アナウンスやベルの音などで、列車の状況が手に取るように判るのである)
男の子は、総じて列車が好きである、ご他聞にもれず小生も例外ではなかった。
上りの機関車停車位置の真上、プラットホームの東端に陸橋が掛かっていた。
どういうわけかしばしば、オヤジがこの陸橋に連れて行ってくれた。
陸橋の階段の下では、ピストンから放出される蒸気を全身に浴び、
陸橋の上では、真下の機関車の煙突から吐き出される黒い煙に包まれ、
なんともいえない臭いを楽しみ、発車の汽笛に耳を押さえたものであった。
人間的な蒸気機関車は、子供の頃の思い出に直結するのである。