12345・・・無限大  一粒の砂

「一粒の砂」の、たわごと。
無責任結構・ 中途半端・ちゃらんぽらん・ 出たとこ勝負、で参りましょう!

保火番

2007年05月04日 08時06分13秒 | Weblog

 “古希を迎えた貴婦人”という番組があった。

 どんな貴婦人が出てくるかと期待したが、あにはからんや「古希SL」が登場した。
ご存知、「やまぐち号」である。

“C571”のプレートを輝かせて、優雅にのどかな田園を走る蒸気機関車である。

すでに、地球92周超えの368万kmを走行しているのである。

電気やディーゼル機関車の場合には、スイッチひとつで直ぐ運転が出来るのであるが、蒸気機関車の場合にはこうはいかない。

前日から火を焚いて、先ずお釜の水を沸かす必要がある。

それを終夜、火が消えないように、そして蒸気の圧力が下がらないように、寝ずの番をしなくてはならないのである。

 この担当者を、「保火番」、“ホカベン”ならぬ “ホカバン”と読む。

漢字変換では、一字ずつ処理しなくてはならない、この言葉も、すでに存在しなくなったのであろう。

また、機関助手と呼ばれている、燃料の石炭を投入する役目の人がいる。

走行中絶え間なく燃料投入をしなくてはならず、登り坂にさしかかれば、その忙しさは半端ではない。

真冬ですら汗みどろになって、重たい列車が坂道を登るに十分な動力を生じるよう、多量の石炭を投入しなくてはならないのである。

シュッシュポッポと掛け声勇ましく走る、人間味溢れる機械なのであるが、残念ながら便利な機械ではない。

人手を要し・非効率的・・・などの欠点も多く、惜しいのであるが、やはり消え去る以外にない機械のようである。