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ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』2013~全体~

2013年09月24日 | 感想文
先週の土曜日、渋谷ヒカリエのシアターオーブでやっている『ロミオ&ジュリエット』を観劇してきました
俳優の城田優さんがCMでガンガン出てるやつです。



フランス生まれの傑作ミュージカル。
(原作はもちろんシェイクスピアなんだけど、それを基にもっともっと良くなってるのだ
ジェラール・プレスギュルヴィックさん(噛みそう)の素晴らしい音楽ったら

私は宝塚好きの親友に宝塚版(星組)を見せてもらって大好きになり、つづいて本家フランス版を観てますます大好きになってしまいました。
字幕無しでもずっと観ていたいくらいで、音楽ってすごいなと思ったな。

で、今回の日本版は宝塚版と同じ演出家さんというし、公式HPで動画を観てみたらいい感じの俳優さんが何人かいらっしゃったので、行ってみたのでした。

私が観た回のキャストさんはこんな感じ。
若い役はオールダブルキャスト(ロミオだけトリプル)なので組み合わせがいっぱいあるそうな。



本当はロミオは劇団四季出身の柿澤勇人さんが良かったのですが…ええ、すごく。
動画で歌を聞いたら、一番私の中のロミオ像に近かったから。
魂の美しさと勇気が溢れてるような歌声なの

そして同じくらい観たかったのが、加藤和樹さん演じるティボルト
城田優さんのティボルトもすごく良かったんですが、加藤さんのが倍気に入ってしまって。
私は宝塚版でティボルトが大好きになってしまったので、ティボルトキャストを最優先して公演を選んだ結果、上記の回に行ったのです。

柿澤ロミオ、ぜったい再演してください


  ↑
個人的にもやっとくるポスター。
テレビ的知名度・業界プッシュ的には、そりゃ城田さんがセンターなんだろうけどさ…ゴニョゴニョ。

キャスト・キャラクターごとの感想は別記事に書きますので、今回は全体の感想をささっとまとめますね。


大筋のストーリーはフランス版・宝塚版ともちろん同じ。
しかし、違うのが…まず個人的に気に入らなかった点。
  ↓
・なぜかスマホとフェイスブックが登場する。

雑誌で演出家さんがおっしゃっていたのが

「ロミオとジュリエットの悲劇は、現代のように通信手段が発達していれば起こらなかった、と考える人が多い。
 けれど、私はぜったいそんなことないと考えてる。
 そのために現代のツールを登場させた」

という主張。
なるほどね。
そういうわけでスマホやらフェイスブックが登場する今作なのですが、ハッキリいって

「必要ないよ」

と思う仕上がりでした。
一緒にいったコなんか

「全然意味がない。
 設定変えるならしっかり生かしてほしい」

と言ってたくらいです
この作品、現代や未来の物語じゃないですしね。
この設定やるなら『ロミオとジュリエット』じゃなく『ウエストサイドストーリー21世紀版』ででもやってほしかったな。
嫌悪感はないけど、どうでもよい設定でした。

・セリフが美しくない。

現代風を意識してるためか、たびたび美しくない表現が出てきます。

「ニート」「ビッチ」「マブダチ」

などなど。
う~ん…本を読まない中学生が観るにはいいけどね。
舞台って夢だからあんまり嬉しくなかった。
特に大人キャストが言うと違和感が…


・モンタギュー勢が街のヤンキーみたいなことになってる(笑)

ロミオの一族、モンタギューの若者が場末のヤンキーにされてて泣きました
特にマキューシオね。
なんだよその品のなさは
宝塚版やフランス版だと、はじけまくっていながらもちゃ~んと品があって全キャストが名家の人間らしかったのにな。

キャピュレット勢(ジュリエットの家)もたいがいなんですが、モンタギューは比べものにならないくらいヤンキー臭かったです。
しつこいようですが、それがやりたいなら『ウエストサイドストーリー』でやってください。
あれはギャングの闘争物語だから。
ロミオとジュリエットは高貴な人々の泥沼戦争のお話ですからね


・マキューシオが魅力ない。

私が観た回は水田航生さんが演じていました。
マキューシオ(劇中は皆こう発音するのに、なぜか印字はマーキューシオ)はこの舞台のいらん“現代風アレンジ”の悪影響を一身に受けてしまったキャラだと思う。
台本が、演出が、とにかく場末のヤンキー

宝塚版ファンの人が

「宝塚版の方がずっと良かった。
 これ嫌だ」

と言ってるのを、俳優ファンの方=この舞台しか観ていない方。はすごく怒るんだけど

「比べないでよ侮辱しないでよ

って。
でも実際そうなんだもの
かといって、それはキャストのせいじゃない。
台本のせい。

フランス版と宝塚版だと、マキューシオがすごく良い奴で、ロミオが彼の復讐にティボルトを殺すのがすご~く共感できるのです。

「こんないい友達を殺した男が、笑ってたらそりゃ殺してやりたくなるよね」

って。

なのに、この舞台では全然共感できなかったよ…

「なんでロミオ、いきなり人格変わっちゃってんの

という感じ。
共感できないって物語では致命的なのでは…。
ティボルトがマキューシオ刺してやりたくなったのはすごく共感したけどね(笑)


・ジュリエットの仕草が現代的すぎる

これは私じゃなくて、一緒に観にいったコの意見です。
私はフランク莉奈さんが演じるジュリエットが予想の遥か上をいくくらい良くって感動しまくりだったのですが、そのコいわく

「ジュリエットが走る場面が全然好きじゃない。
 もっとジュリエットっぽく清楚に可憐に走って欲しかった

と言ってました。
う~ん、衣装の関係もあるのでしょうか。
ロングドレスじゃないので。


とまあ色々書きましたが、私は観て良かったなと思える舞台でした。
一番安い3階席で観たけど

「近い…すごい近いオペラグラス無しで問題なくいける

と思いましたし
若手俳優さんも歌上手かったし。

あ、水田航生さんはもっと練習が必要かな…。
練習あるのみです。

ベンヴォーリオを演じる平方元基さんがすご~く上手だった
誠実さと軽やかさが魅力の歌声。
お兄さんタイプで優しいベンヴォーリオは

「まさに

と思えるキャスティングでした。
再演の時もぜひベンヴォーリオは彼で

一緒にいったコは

「こういうキャラはあんまり好きじゃないな~。
 “俺がやらなきゃ”って何様だよって思っちゃうっていうか」

と言ってましたが…いいキャラなのにぃ

若手を支える大人キャストは皆さん素晴らしい歌と演技で、最高でした

「まいりました…プロってこういうこと

と思ったもの。
経験と才能って宝ですね

キャピュレット婦人演じる涼風真世さんの美しいこと
色っぽいこと
女は若さじゃないって学びました。

あと、私も大好きになったし会場でも大人気だったのが乳母役の未来優希さんです。
コメディエンヌとしてもシリアスな場面も最高
ジュリエットを実の子のように思う母性溢れるナンバーは泣きそうになっちゃいましたよ。

ジュリエットパパのソロも泣きそうに…。
なんて素敵な歌声!
魂が震えます。


さっと書くつもりがすごい長くなっちゃいましたね
別記事で各キャラについてまた書きます

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