東北自動車道を加須ICで降り、17km西へ走れば行田市に着く。ところが道の左右は茫々たる水田と麦秋の広がり。人家が遥か遠方に散在するばかりで心細くなる。行田は水田に浮かぶ孤島のよう。
忍城(おしじょう)を探し、水城公園に入るといきなり行田名物「ゼリーフライ」の看板の店がある。これが奇妙な食べ物で、秘密の名物らしい。ジャガイモ粉、おから、小麦粉を混ぜ、葱少々をいれ、木の串に笹かまぼこのような形につけて、油で揚げ、ソースに漬けたもの。おやつに行田の人々が好んで食べる。味は材料と製法からご想像下さい。微妙な味です。
これの妹のようなおやつに「フライ」がある。簡単に言えば薄いお好み焼きのようなもの。
味の好みは習慣によると言う。行田の人は子供の頃おやつとして食べ、習慣で好みの味になり、大人も老人も気軽に食べる。市内にゼリーフライやフライを売る店が数十軒ある。
好奇心の強い観光客が買っている。味はどうですか?と聞くと、買うのは2本だけにしたほうが良いですよ、と忠告してくれる。食した後で忠告に感謝!
行田の人の合言葉。「うまい。うまい!、うま過ぎる!」と呼びかけると、「十万石饅頭!」と答える。答えられない人は行田の人でない。よそ者である。上の最後の写真がこの十万石の店の写真である。
テレビの「秘密のケンミンショー」で最近取り上げられたのでご承知の方も多いと思う。地方テレビ局のコマーシャルで、この文章が30年間変えずに流れているからと言う。たまたま入ったウナギ店の隣が「十万石」の菓子店である。ウナギを丁寧に焼いている間に家人がそれを偶然見つけて饅頭を十分過ぎるくらい買ってきた。上質の小豆をつかった、じょうよ饅頭で「花園饅頭」の行田版である。
関東平野の広さとローカル文化の面白さを実感した小さな旅であった。(終わり)
中国の「野菜饅頭」は「菜饅頭」というのがあります。野菜餡の饅頭
です。普通、中国語で「饅頭」と言うと、具が入ってない蒸しパンのようなもので、具が入ってるのは「包子」と言います。
たぶん穀物粉を節約するために野菜やオカラやジャガイモを混ぜた蒸しパン(日が経ち硬くなったら、店なら油で揚げたりして出す)が元でしょうか。
「ゼリー」は、固める、固まったという英語からでしょう。
(引用)
行田市持田の「いっぷく茶屋」(現在は閉店)の先々代の主人が、日露戦争に従軍した際に戦地で中国人から「野菜饅頭」なる食品の作り方を教わり、これをアレンジして作り出されたものである。近所の祭で屋台を出し、販売していた。明治末期からあるが、他の地域にまで普及はしなかった。
日露戦争の戦地において伝えられた料理であることから、ロシアの伝統料理であるピロシキが類似料理として指摘できるが、実際にピロシキをモチーフにしたものであるかは不明。
名称の「ゼリー」であるが、ゼラチンで固めた菓子の「ゼリー」とは関係ない(ゼリーを油で揚げると、轟音と共にゼリーが蒸発してしまう)。一説には、形状や大きさが小判に近いので「銭」が訛って「ゼニーフライ」から「ゼリーフライ」となったとも言われるが、詳しくはよく分かっていない。地元では縁起担ぎに「銭富来」と当て字をする店もある。
英語なのがモダンな感じですね。
キャベツは入れないそうです。
もともとこの地方に、たらし焼き、という似たようなものがあるそうです。
醤油味です。
お好み焼きを薄く、しょうゆ味で作ってみるとおいしいです。
面白いコメント有難う御座います。
草々、藤山杜人
詳しい調べの後で、ご投稿頂き本当に有難う御座いました。
いろいろな背景があること理解出来ました。
敬具、藤山杜人
詳しい情報を頂き有難う御座いました。
重ねて御礼申し上げます。
敬具、藤山杜人
ぜひ食べてみたいです。
おからクッキーや卯の花かりんとうが売れていますが、ダイエット効果を抜きにしてもおいしいです。
昔は節約のため、廉価なおからを入れたのでしょうが、今では、かえって
それが好評になるとは、日本も豊かになったものです。
もち米を節約するため、大根おろしを入れた中華点心の大根餅や、切り干し大根を入れた卵焼きの福建料理などが、かえって喜ばれているのと
同じですね。
コメント有難う御座いました。
草々、藤山杜人