後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「今日の日記、市役所へ行って、スーパーに買物に行く」

2020年01月16日 | 日記
介護保険のお世話になるとは思いませんでした。それが「脊髄小脳変性症」という難病になり5年ほど前から「要支援1」の支援を受けています。今日は午前中にこの介護保険関連の書類を貰いに市役所の自立生活支援課に行きました。
「脊髄小脳変性症」は治療法の無い老人病です。ゆっくりですが次第に歩くことが困難になる病気です。
車は以前どうり運転出来るのであちこちへ写真を撮りに行ってこの欄に掲載しています。そんなことをしながら毎日楽しく過ごしています。
午後はスーパーに花を買いに行きました。明日はお世話になった近所の方の命日です。帰宅後、家内が届けました。
スーパーからの帰り道に、家内と奥多摩の「鳩ノ巣」の思い出を話し合いました。
いまから丁度60年前の1960年の夏に初めてのデートで訪れた曽遊の地です。
昔のデートが懐かしく、奥多摩に行くたびに奥多摩線の「鳩ノ巣駅」の写真を撮りにいきます。
3日前も写真を撮って来たのでお送りいたします。こうして老境の一日が何事も無く流れ行きます。





「ゴーンさんの人間性と資本主義の残酷さ」

2020年01月16日 | 日記・エッセイ・コラム
今日は二つのことを考えたいと思います。
(1)ゴーンさんの人間性が悪いとしても人権は守るべきという考え方。
(2)ゴーンさんのルノーと日産での多量の首切りの功罪。
ゴーンさんは大量の首切りをして不幸な人々を作りましたが、これは資本主義に従って行ったことです。この資本主義の残酷性を理解し民主主義の裏にある競争原理の功罪を考えてみます。

私はゴーンさんが起こした騒動には人間として考えなければいけない重大なことが幾つか含まれていると思います。
上記の(1)に関連してNishikawa Kohki さんのご意見を紹介します。
同じく(2)に関連してMotoko Boutdumondeさんのコメントをご紹介したいと思います。

(1)悪い罪人でも良い人でも基本的人権は平等に守るべきこと。
ブダベスト在住の日本人、Nishikawa Kohki さんのご意見です。(https://www.facebook.com/profile.php?id=100009535370188 )

ゴーン問題はもう飽きたという人を、私はとても残念に思う。なぜなら、それは、日本の今後の基本的人権の存立に関わる事だからだ。
いま日本で沸き起こっているゴーン叩きは、基本的に、関東大震災の時の朝鮮人大虐殺と同じ心性によるものとしか私には思われない。相手が金持ちか、貧しい朝鮮人かで、人権を認めるか認めないかをコロコロ変える人々を、私は全く信用しない。
やっかみ、嫉妬に基づく他者への罵倒ほど、人間のもつ様々な性質の中で醜いものはない。
ヒトラーがかつて、「ドイツ人の貧しさは、ユダヤ人が社会の重要なポストを占めて、ドイツ民衆から富を奪い続けているからだ」と煽り唆し、「ユダヤ人など皆叩き殺してしまえば良いのだ」と民衆を動員したのと本質的に変わらない。狡猾な金持ちは皆打ち殺してしまえとは、国家社会主義たるナチスのキャッフレーズの一つだった。
他人の人生を左右する、裁判上の有罪無罪の判断を、人の伝聞や感情的予断で決めつけ、さらに吹聴して罵り、溜飲を下げるというような振る舞いほど恐ろしいものはない。
ほとんどの人が、有価証券報告書に虚偽記載されたという50億円について、ゴーン氏が1円も受け取っていないという基本的事実を知らない。
近年は、痴漢の冤罪逮捕などについては、かなり一般の人も気にするようになったと思われるが、相手がゴーンのような富裕な経営者だと、叩き落として皆で唾を吐きかけることに一切疑いを持たず、そこにカタルシス(快感)を見出して、興奮しているようだ。
一時はあれだけゴーンさんを称賛拍手しておいて、急に罵詈雑言を浴びせるのは異常な光景だ。今の日本社会にストレスと貧困が充満して、余裕がなくなっているのだろうか。・・・

以上のNishikawa Kohki さんのご意見には過激な言葉もありますが、主張していることは基本的人権は金持ちでも貧しい人でも等しく尊重すべきであるという事です。罪を犯して牢獄に入っている人の基本的人権も尊重すべきという主張にもつながっています。
これは神の前では人々はみな平等だというキリスト教の教えにも関連があります。

(2)資本主義の残酷性が生んだ悲劇の具体例です。
上記のNishikawa Kohkiさんの意見に対してフランス在住のMotoko Boutdumonde さんがコメントを投稿してくれました。
尚、Motoko Boutdumonde さんは何時も私の記事へ客観的で公平なコメントを下さる日本人です。尊敬している方からのコメントなので深く考え「資本主義の残酷性」に想いが行きました。

Motoko Boutdumonde さんのコメントです。
・・・Nishikawa Kohkiさんの意見は的を得ていると思います。
しかし、日本やフランスなどでカルロス・ゴーンを非難する人たちにも一理あると考えます。彼の性格は今に始まったことではなく、ルノーの会長になる前からそれを問題視する人たちもいました。ルノーの会長になるとすぐにベルギーの工場を閉め、多くの失業者たちを出しました。ルノーのテクノセンターや工場ではプレッシャーに耐えかねて自殺者が数人出て、労働条件の厳しさも指摘されていました。
ゴーンのワンマンぶりに泣かされた人たちも多かったようです。実際にテクノセンターでは、カルロス・ゴーンの就任以来空気がピリピリしていたのを部外者の私でさえ感じられました。ですから今感情的な意見が出ても当然でしょう。
それにいくら日本の司法システムが欧米のそれとは違っているとはいえ、逃亡を企てるということは論外だったと思います。
そうでなければ正直に日本にとどまったグレゴリー・ケリーは馬鹿だったと言われるでしょう。
もちろんゴーンへの批判は嫉妬もあるでしょう。しかし真面目に働いていても生活が大変な多くのフランス市民、そしてまたかなり前から苦しい生活を強いられているレバノンの国民たちがゴーンの「金の力」を借りての逃亡というのを苦々しく思っていることも当然のことのように見えます。・・・

このコメントはフランスでのゴーンさんへ対する評価でしょう。一方ゴーンさんは日産の村山工場を閉鎖して2万人の従業員を露頭に迷わせたのです。
しかし現在の資本主義では大量首切りは合法的なのです。倒産しそうな大企業では多量の首切りをして残りの従業員を救うことは許されのです。これが資本主義の自由競争の原理です。資本主義の残酷性です。首切りをされた従業員の不幸にもかかわらずそれを実行したゴーンさんは多額の報酬を受けていたのです。
此の世の悲しい現実です。資本主義は共産主義より良いと言いますが考えさせられます。

今日の挿し絵代わりの写真は自分で撮った梅の花の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)