@クオリティー・オブ・ライフとう言葉の響き
1990年頃アメリカ在住の間によく聞いた言葉である。クオリティー・オブ・ライフを訳せば人生の豊かさの質である。しかし翻訳してしまうと、鳥の楽しげな鳴き声のような響きが伝わらなくなる。日本語にも外国語へ翻訳すると言葉に込もった感情や背景が伝わらない言葉がよくある。
アメリカ人がQuality Of Lifeで連想することは;生活に十分な収入、田園地帯にある自宅、近所の美術館、子供のための良質な学校、よい神父のいる教会、5年ごとの転職、アラスカからマイアミまで好きな地方に居住できるような職場、自家用飛行機やヨットのような趣味―などなど限りがない。全て人生の質、人生の豊かさの内容に深く関係している。楽しく、キラキラ輝いているような人生を送る。それがアメリカ人の夢。家の周囲の景観や職場の楽しさと、美術、音楽、宗教など精神的な楽しみをバランス良く保つコツが重要。
ブログをしながら時々考える。ブログを読んでくださる方々のQuality
Of Life はきっと高いのではないか? 負けないように自分の生活を考えながら楽しくしよう。そんな思いからこの一文をお送りすることにした。
アメリカ人とビールを飲みながら人生のあれこれを話していると時々アーミッシュの人々が話題になる。
アーミッシュとは、ペンシルバニア州、オハオ州などの中西部に散在しているキリスト教の一派。禁欲的な質素な生活を守り、職業は農牧業のみ。電気・ガス・水道、自動車、耕運機、電信電話など近代文明の産物は一切使用しない。義務教育はないし税金もない。
あるのは合衆国の徴兵のみ。それも看護などの後方勤務に限る。アメリカの市民権は認められ、白人ではあるが、異質の文化を守り、孤立した村として散在している。車で二時間の所にあるという。すぐに行ってアーミッシュ村の民宿に泊まってみた。まったく想像を絶する原始キリスト教のような生活をしている。近代文明を享受しているアメリカ人が人生の質を議論したり、考えるときに連想する人々である。アメリカ人の「深い内面」の面白さの一つではなかろうか?(詳しくは、「外国体験のいろいろ(12)」2007年11月24日掲載記事、へ続く)