①7月27日12時の天気図 気象庁HPより引用
山梨県内は、この数日、厳しい暑さが続いていましたが、27日も、県内各地で、朝から気温がウナギ上りとなりました。
最高気温は、東部の大月で38・8℃を観測したほか、標高が900mから1000m程度の高冷地に属する富士五湖地域でも厳しい暑さに見舞われ、山中と河口湖で最高気温が33・2℃を観測し、山中では、昨年7月11日に観測した32・8℃をしのぐ、観測史上最高気温を観測しました。
他にも、県内で、最高気温35度以上の猛暑日を観測した地点は以下の通りです。
勝沼 37・0℃ 甲府 36・9℃ 古関 36・3℃
一般的に気温が上がりやすい甲府盆地内にある甲府や勝沼より、東部の大月で高温を観測した理由ですが、引用図①より、県内は27日午前中、日本海から本州上を南下中の寒冷前線の南側に入り、県内上空では、西~西南西風が強まっておりました。
とりわけ、河口湖にある、ウインドプロファイラー風向風速データより、27日8時~10時まで、上空2000mで、西~西南西風で風速8㍍毎秒~10㍍毎秒 上空3000mでは、風向は西~西南西風と変化ありませんが、風速は15㍍毎秒~18㍍毎秒と、相当強まっている様子がわかります。
この、河口湖上空2000mと3000mとの風速の急激な変化ですがm、引用図にはありませんが、県内富士五湖上空から東部上空3000m付近の地形図に注目すると、丁度、この付近は、富士山と南アルプス山脈との間で、ほぼ東西方向にわたる地底的鞍部あたり、寒冷前線前側を吹く、西~西南西風が、当該地形的鞍部で収束して風速が強まったといえるでしょう。
さらに、気流が収束している上空3000m付近の周辺部の下層にあたる、県内東部地域~富士五湖地域にかけてでは、この反動で、下降気流が卓越するようになり、下降気流による断熱昇温が、今回の県内東部から富士五湖地域に高温につながった というわけです。