①12月9日6時の天気図 気象庁HPより引用
②12月9日6時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用
③12月9日6時の関東周辺アメダス気温分布図 気象庁HPより引用
12月9日は、本州付近では、午前中、上空の気圧の谷が残り、関東地方や甲信地方南部、東海地方を中心に天気がぐずつきました。
山梨県内では、9日朝方、山間部を中心に降雪となり、甲府盆地内でも雨の中に雪が混じるようになり、甲府では初雪(昨年より38日早い)を観測しました。
引用図①より、本州付近は一見、冬型気圧配置になったかのように見えますが、
◇本州上の等圧線の走向を見ると本州上では等圧線の走向が く の字型(本州の東海上から低圧部は本州上に広がる形です。)となっており、秋田県沖には低気圧があります。
さらに、
◇雲画像上(引用図は赤外画像)には、東北地方以南の地域に、本州の東海上からほぼ東西方向に帯状に白くぼやけた画像が見られます。
これらは皆、本州上には気圧の谷が残っていることを示すもので、このような場合、関東地方や甲信地方南部、東海地方などでは、前記した上空の気圧の谷が本州上を通過しきるまで、天気はぐずついてしまいます。
引用図③より、9日6時現在、関東地方北部や甲信越地方では、2℃未満の箇所があちこちに見受けられます。
筆者調べより、
湿度90パーセントとして、
◇気温3℃未満になると、雨に雪が混じる(みぞれ)ようになり→気温2℃未満で降雪状態→気温1・5℃未満で積雪となります。
ちなみに、湿度90%として、おおむね積もる雪の深さは(これも筆者調べより)
◇気温1・25℃・・・・・・降水量(cmに換算した値)×0・5
◇気温0・75℃・・・・・降水量(cmに換算した値)×0・75
◇気温0・25℃・・・・・降水量(cmに換算した値)×1
※同一気温でも、湿度が低下するほど、積もる雪の深さは増大する
となります。
つまり、気温1・0℃ 湿度90%が続く状況下で、50㎜の降水量を観測する降水の場合、およそ31㎝の積雪となります。
引用図③より、12月9日の場合は、山梨県内では、積雪となった箇所は、北部や西部の山間部、それに富士五湖地域の一部に限られた様子ですね。
山梨県バージョン立ち上げたとのことで、感謝いたします。
さて、数年前でしょうか?甲府盆地周辺で積雪だったのに、河口湖周辺で降り出しがみぞれであったことがありましたが、どういうことだったのでしょうか?
ご返答遅れてすみません!
さて、ご質問の件、本県の場合、天気が崩れて降水になる場合、東部富士五湖や南部から始まるのが通常で、甲府など甲府盆地周辺では、県内でも、降水が比較的、東部富士五湖や南部よりも遅れることが多いですね。
日中、降水が始まる場合、甲府盆地では明け方あたり、まだ、晴れ間が広がっている場合もあります。こうなると、東部や富士五湖、南部地域よりも甲府盆地内での気温が低下し、その後、甲府盆地内も雲に覆われることなると、周辺の東部や富士五湖、南部地域よりも気温が低いまま、降水を迎えてしまうこともあるわけですね。こうなりますと、ご指摘のような、降り出しが甲府盆地内で雪、富士五湖河口湖あたりでみぞれ なんてこともあります。
このような気象状況の場合、甲府盆地内の甲府や韮崎の積雪の深さと、富士五湖山中付近の積雪の深さとが同じ程度になりますし、甲府盆地内の視程が非常に悪くなることが特徴ですね。