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24日の降雪の事例 盆地と富士五湖とでは雲泥の差 このカラクリは?

2016-11-27 17:10:49 | 日記
①11月24日の甲府と河口湖の最大積雪深(左側)と日降水量 (右側)分布図 白地図HPより使用 データは気象庁HPより


11月24日は、関東の南海上を低気圧が通過して、この低気圧に向かって、北からは真冬並みの強う寒気が流れ込んできたため、山梨県内では、
東部富士五湖地域中心に大雪となり、中西部盆地地域 甲府でも、朝方中心に積雪となり、11月としては54年ぶりの降雪となりました。

引用図①より、盆地地域の甲府と 富士五湖地域の河口湖とでは、日最大積雪深 日降水量との比較は
甲府を1とすると、日降水量で、河口湖はおよそ3倍 日最大積雪深では、およそ10倍もの差があります。

甲府と、河口湖の標高差による気温差はさることながら、この差の原因は何でしょうか?

これは、本県の地形的特性と、関東地方に降雪をもたらした下層(上空2000㍍以下)の寒気の流れ込む具合に起因するものですね。

②11月24日9時の天気図 気象庁HPより引用


③11月24日9時と12時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図
ⅰ:は9時 ⅱ:は12時 気象庁HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


引用図③ⅰ.ⅱより、上空1000㍍付近で、関東平野勝浦では、24日9時、12時とも、北東風で風速強め。北からの寒気がどんどんと関東平野に流れ込んでいる様子ですが、関東地方や中部地方の上空を見ると、上空2000㍍付近になりますと、勝浦では風向が南東となり、上空3000㍍付近で葉、関東地方や中部地方では、概ね西南西風と、上空2000㍍付近を境目にしてさらに上空では暖気移流となっております。
さらに、上空1000㍍付近では、24日9時と12時には、東北地方で北東風、山陰鳥取では北西から北東風で、鳥取で12時に北東風で風速⒑㍍以上と強まっている以外は弱め、風向分布より、日本海中部には低気圧性循環が見られます。日本海中部から関東・中部地方への下層の寒気流入は弱めであることもわかります。

山梨県上空に目を向けますと、、24日9時と12時では、 東部や富士五湖地方へ、上空1000㍍付近で、東から吹きつける風向となっておりますが、西部地域上空では、風速は弱めであることが読み取れ、24日は、この、東方向から東部・富士五湖地方へ吹き詰める東寄り風のため、河口湖で降水量がまとまり、大雪となったこと、一方、盆地の甲府では、この東寄り風が甲府盆地上空まで入り切らず(東部・富士五湖周辺からの山越え気流となったことも考えられますね)
降水量は少なめで推移し、かつ、日本海からの寒気移流も顕著でないため、 一時的に積雪となったものの、みぞれ で 推移して、積雪深は少なめで終わった
 と考えられるでしょう。

甲府では、朝方8時頃に一時積雪2cmを観測しましたが、その後気温は1・5℃以上の時間帯が続き、みぞれ で終始、あっという間に、積雪深は0㌢となって、大雪とはなりませんでした。

このように本県周辺の降雪予想時には、日本海から中部地方への寒気移流が強まることも県内全般で降雪が強まるパターンとなるため、北陸地方の各観測地点での上空2000㍍以下の寒気移流の動向には目が離せません!!