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2日、甲府盆地周辺で山越え颪風強風!関東南部の風向風速に注目!!

2017-06-05 12:45:46 | 日記
①6月2日15時の天気図 気象庁HPより引用



6月2日、上空に寒気を伴った低気圧が、日本海から北日本を通過、山梨県内では、この低気圧が北日本へ差し掛かった2日15時過ぎより、中西部の甲府盆地周辺で、八ヶ岳方面からの山越え颪風(北北西風〜北西風)が強まり、甲府や韮崎では、10分間平均風速の最大で13㍍毎秒以上、瞬間最大風速で20㍍毎秒を超す強風を観測!中部横断道路の双葉JCT~白根IC間では、釜無川橋梁で、10分間平均で15㍍毎秒を超す相当な強風を観測したため、2日夜の初めまで最高速度50㌔規制が敷かれました。

②6月2日15時の ⅰ:日本付近可視雲画像 ⅱ:赤外雲画像
気象庁HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


③6月2日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用




引用図②③より、甲府盆地で強風となっていた2日15時、千葉県北部から茨城県にかけて、やや発達した帯状の雲の集団が見られ、この雲の集団は、上空1000㍍付近での気流の収束箇所で雲の集団が発達していることがわかり、子の発達した帯状の雲の集団の西側で、上空1000㍍より上側では、関東地方から山梨県周辺にかけて、風向はおおむね北西風となって、
風速が強まっていることがわかります。、

さらに、山梨県周辺に目を向けますと


④6月2日15時のアメダス山梨県周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用


⑤6月2日12時~18時までの河口湖でのウインドプロファイラー時間高度断面図 気象庁HPより引用



引用図⑤より、河口湖では、上空2000㍍〜3000㍍付近で、2日14時以降、下降流が特に増大しています。これは、前記した、千葉県北部から茨城県内で発生している帯状雲を発生させた、上空1000㍍付近での気流の収束の西側に入ったためですが、

引用図④より、甲府盆地周辺で風が強まっている2日15時、長野県諏訪湖周辺から山梨県釜無川沿いにかけて強風となっていて、方や、関東地方南部の地表付近、東京多摩地区あたりでは、北〜寄り風がやや強まっています。
引用図にはありませんが、2日15時現在、千葉県南部では南西風が強まっていましたが、関東平野内陸部では、逆に、北〜北西風が強まり、前出の帯状雲発生地域周辺で地表付近では、気流のシアーラインが明瞭に形成されていましたが、山梨県に隣接する東京多摩地区では、シアーライン形成は確認されません。


実は、この関東南部に形成されるシアーラインが、山梨県内(特に中西部甲府盆地周辺)での山越え颪風による強風の引き金になるものですね。

当該、
関東南部に形成されるシアーライン(地表付近および上空1000㍍付近)が、

Ⅰ:関東平野南部含めた内陸部で北〜北東風で、シアーラインは関東南部ではっきりせず、箱根周辺や静岡県東部に位置する場合
・・・・・県内中西部甲府盆地地域周辺で強風、東部や富士五湖地域では強風となりにくい。


Ⅱ:関東南部沿岸部で、南西風〜西寄り風、関東平野内陸部で北〜北西風、関東南部の東京多摩地区〜神奈川県相模原周辺に明瞭名シアーライン形成
・・・・・県内中西部甲府盆地地域周辺のみならず、東部や富士五湖地域でも強風(西北西風〜西寄り風)となりやすい 。

以上のような特性があります。(筆者調べ)

2日の事例は、前記 Ⅰに該当するもので、引用図⑤より、河口湖の下層では、風速は弱めとなっており、この日、河口湖では、10分間の最大で6・9㍍毎秒(北北西風)、最大瞬間風速で13・2㍍毎秒(北北西風)止まりでした。