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高い水温の海水以外に台風の勢力を強化維持させるもの、それは?

2015-10-20 00:34:26 | 日記
①地上天気図
:10月6日9時 :10月7日9時 :10月8日9時 いずれも気象庁HPより引用

:
:
:


②水蒸気画像図
:10月6日9時 :10月7日9時 :10月8日9時 いずれも高知大学HPより引用

:
:
:

③10月7日の、日本付近の海水温分布図 気象庁HPより引用


10月になって、台風23号が、小笠原諸島近海から勢力を次第に強めながら、日本の東海上を北上、7日、8日にかけて、北海道(特に東部中心)に大雨や暴風。波浪、さらには、東部の海岸部には高潮の被害をもたらしました。

台風自体、その勢力を強化・維持させる条件は、よく言われることですが、海水温が27度以上の高い海水温を通過して、高温多湿な空気から、台風自体の渦巻きのエネルギーを補給させることですが、
引用図③より、今回の台風23号に至っては、当該台風が発達した本州南東〜東海上の海水温はおおむね25℃以下と、前記の条件を満たしていません。

ですが、引用図①~より、なぜ、台風23号は、海水温があまり高くないこの海域で、発達を遂げたのでしょうか?

そのからくりはを説明しますと、まず、引用図②〜、日本付近の水蒸気画像図をご覧ください。

引用図を見ると、の10月6日9時、台風がまだ小笠原近海に位置していますが、大陸から本州付近に、外縁部が U字型かつ帯状に白くぼやけた画像域を伴う、暗域がかかってきました。
これは、上空の偏西風帯の谷で、前記したU字型かつ帯状に白くぼやけた画像域は、上空3000㍍付近の上昇流域 逆に、暗域の部分は、上空3000㍍付近の下降流域となります。

、、を時系列で比較すると、偏西風帯の谷の外縁を形成する水蒸気画像上の帯状の白くぼやけた画像域(上空3000㍍付近の上昇流域)は、(6日9時)で、台風の北西側にあったのが、(7日9時)には、偏西風帯の谷自体、形が鋭くなり(谷の前側では暖気移流、後ろ側では寒気移流がともに強まりつつあること。換言すれば、偏西風帯谷に伴う上空3000㍍付近の上州流域と下降流域とは、それぞれ強まるつつあると言える。)台風の中心付近の上空を時計廻りに広がる気流に伴う雲の集団と合流し、台風本体の雲の渦巻きの西側には、水蒸気画像上の暗域(前記した偏西風帯の谷の外縁部の分布する、上空3000㍍付近の上昇流域が進んできたために、その東側に発生した上空3000㍍付近の下降流域)が重なり合ってきています。
台風の中心から上空を吹き広がる箇所では上空3000㍍付近の上昇流域が入って、その吹き広がる気流を強めていて、台風の隣接箇所には、上空3000㍍付近の下降流域が入ってきたことで、隣接する台風自体の上昇流を強める働きをすることが推測されます。引用図①より、台風自体も、6日9時よりも発達しています。

さらに、(8日9時)になりますと、水蒸気画像上の帯状白くぼやけた画像域は台風本体の雲の前側に重なり、台風の西側から南側には、水蒸気画像上の暗域が広がってきました。偏西風の谷自体、この状態は最盛期とみられ、台風自体も、7日よりさらに発達しております。が、水蒸気画像上からは、台風の東〜北側に上空3000㍍付近の上昇流域、反対に、南〜西側は、上空3000㍍付近の下降流域となっている様子がわかり、この状態、台風自体、温帯低気圧化しつつある様子ですね。

以上のことより、台風というもの、激しい上昇流の渦巻きで、当該上昇流を強める事象がそのエネルギーとするわけですから、そのエネルギーの源は、水温の高い海水ばかりでなく、偏西風の谷の接近に伴う、上空3000㍍付近の上昇流域、下降流域と台風とのマッチングでも、台風自体の渦を維持。発達させうるわけですね。

ただ、台風が、このような形態で、その勢力を維持・発達させている場合、台風の進行方向右側のみならず左側両方で、さらに、広範囲で強い風が吹きますので、この件、防災上、看過できませんね。

山梨県内では、台風がこのような形態で台風自体の勢力を維持・強化させている状態の場合、台風が、県内の東側を通過する際には、中世の盆地地区や東部富士五湖地域の地形的安部になった地域中心に、山越えの颪風が相当強まりやすくなります。一昨年、伊豆大島に記録的大雨を持たらした台風26号も、まさに、このケースに酷似しており、山梨県内でも、甲府盆地で瞬間で30㍍を超す颪風の暴風を観測!県内交通機関が大混乱しました。