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寒冷前線通過後の寒気吹出しの形態について 前面暖気勢力如何で変化

2014-01-26 23:14:20 | インポート

①1月26日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月26日12時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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1月26日は、寒冷前線が本州を通過して、本州付近上空には、強い寒気がじわりじわりと流れ込んできました。

が、関東地方など、東日本の太平洋側では、日中、気温が上昇して、4月上旬並みの、桜が咲く頃の陽気となりました。

寒気吹出しの際に、寒気の先端では、上空3000m付近の上昇流域になりますが、当該寒気吹出しの先端箇所は、実は、当該寒気の前側の暖気の勢力如何で、以下のような特性をみせます。(以下、筆者調べ)

まず、寒気の前側の暖気の勢力が強いほど、寒気吹出しの先端箇所は、その幅が広がり、吹きだしの方向に直角に帯状に幾重にも、上空3000mの上昇流域が分布するようになります。(引用図内Aで示す●線)さらに、暖気域内にも、数箇所帯状に上空3000mの上昇流域が見られることも珍しくありません。

こういう条件化では、寒冷前線にともなう降水域は、帯状に数箇所寒冷前線の移動方向に直角に連なるもので、教科書通りの寒冷前線の構造にはなりませんし、地上天気図上にある寒冷前線が通過した後も、気温があまり下がらず、東日本の太平洋側など、地形的特性も加わり、かえって気温が上昇することもあります。前線は線ではなく帯として捉えなければならない所以ですね。

いずれにしても、前記の、寒気吹き出しの先端部分では、雲が湧き上がりやすく、気流もかなり乱れている状態です。航空機などの乱気流遭遇箇所になりますが、航空向け悪天予想図では、なかなか充分に表現されないのが悩みの種ですね。

山梨県内では、前記した寒気吹出しの先端に広がる上空3000m付近の上昇流域が通過後、盆地地域中心に北西風が強まることが多いですから、注意してください!


意外に鬼門というべき 関東東海上

2014-01-21 23:19:33 | インポート

①1月21日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月21日12時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③1月21日12時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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④1月21日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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                           ↓

⑤1月21日18時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工20140121180000

日本付近で冬型気圧配置となっているものの、新たな強い寒気の流入前や、低気圧が本州東上に一旦抜けた後、別に上空の気圧の谷が大陸から本州へ進んでくる場合、東京や横浜、千葉など関東平野周辺の地域では、関東東海上と関東南部山間部(箱根や伊豆周辺が最もい多いですが)に雲が湧き上がり、雪雲や雨雲を発生させて、事の外、天気が崩れてしまい事が良くあります。

1月21日も、関東地方周辺では、前記と同様な気象現象が発生して、21日夜には、東京玉西武には、大雪注意報が発表されたほどです。

関東地方周辺が前記のような気象現象となる場合、決まって、大陸沿岸から日本海西部には上空の気圧の谷(500hpaの正渦度移流流域、換言すれば上空3000m付近の上昇流域)が現れているもので、

この上空の気圧の谷(上空3000m付近の上昇流域)は、(以下、全て筆者調べ)

◆水蒸気雲画像上では、一般的には帯状または舌状(帯状の画像域が幾重にも連なって舌状となっています。)に白くぼやけた画像(この画像域の中に、渦巻き状に一際白く輝く画像域が表現されることもあります。)で表現され、(引用図②)

◆赤外雲画像上では、水蒸気画像よりも狭くなるものの、やはり、帯状または渦巻き状の白く輝く画像域で表現されます。(引用図③のA)

そして、この、関東東海上に湧き出る雲の集団ですが、関東東海上から南海上に前線がある場合、当該前線の雲が時系列で見ると、あたかも西~北よりに広がって、関東地方周辺を覆うような雲の形成をします。(引用図③④⑤のBに注目)

この、関東東海上に湧き出る雲の集団は、何時頃から湧き始めるか?ですが、前記、上空の気圧の谷が日本海中部に差し掛かる頃、雲が湧き始め、本州に差し掛かり始めると、関東平野周辺を雲が厚く覆うようになり、雪や雨が降り始めるようになります。この頃、この雲の集団がまとまり、当該雲の集団内の関東南岸に、新たに低気圧が発生することも多いものです。

山梨県内では、前記の雲の集団の影響が、おもに、東部や富士五湖地域で受けやすく、冬季には、この地域に、思わぬ降雪をもたらしますから、油断なりません!


兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)から19年 地震は揺れ方の個性が豊富

2014-01-17 00:40:50 | インポート

引用図は兵庫県南部地震と、その後発生した主な強い地震発生時の主な観測地点でのの加速度応答スペクトル図 気象庁HPより引用。

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ちょうど19年前の午前5時46分 兵庫県明石海峡の深さ約20㎞を発端とした地殻破壊は、淡路島北部 それに、神戸市南沖の計2つの地殻破壊が連なり、マグニチュード7・2の大地震を発生させて、神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市と淡路島北部の広範囲に震度7の猛烈な地震動を引き起こし、死者約6500人 全壊家屋10万以上の甚大な被害を引き起こしました。これぞ、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)です。

平成23年3月11日発生した、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、未曾有な津波災害を引き起こしましたが、この兵庫県南部地震では、建造物の倒壊被害が甚大でありました。

この差は何か?ですが、地震動の揺れ方の相違によるもので、地震というもの、発生源となる地殻変動の発生形態により、揺れ方の継続時間や揺れ方の周期が異なってきます。

◇揺れ方の継続時間 ですが、地震の規模が大きくなるほど、揺れの継続時間は長くなります。地震の規模が大きいほど、地震波を引き起こす地殻が変動する面積はより広くなるからです。

◇揺れ方の周期 は、地震を引き起こす地殻変動の速度や地殻の硬軟、地殻変動が複数にわたってドミノ崩しのごとく発生したか、地震波が地殻変動で引き起こされて地表に達するまでの間、地震波同士が地形的特性などで、屈折を受けてきたかどうか、によります。変動する地殻が軟らかいほど、発生する地震波の周期は長くなります。

ここで、引用画像をご覧ください。

引用画像は、兵庫県南部地震と、その後の、おもな強い地震の主な観測地点における、発生した地震によって、おのおのの固有周期を持つ建造物でどれほどの加速度(瞬間的な揺れの強さ)をさせたか、図示したものですが、一般的に、平成15年5月発生の宮城県沖地震のように、比較的震源の深い地震は、短い周期の部分に高い加速度(短い周期で強い揺れ)があるものです。

そこで、図内赤字で表示されている、兵庫県南部地震時の神戸海洋気象台(神戸市中央区)は、周期0・3秒~0・4秒 0・7秒~0・9秒で高い加速度を記録しており、この周期の揺れが特に強かったと言えますね。

これに対して、建造物は、おおそ、0・7秒以上の周期で大きく揺れ易くなる(この周期の地震波がやってくると建造物は共振して、揺れがよりいっそう大きくなる)という性質があります。兵庫県南部地震は、建造物を共振させうる周期の地震波が強かったため、建造物がいっそう共振して激しい揺れを引き起こし、大きなダメージを与えたため、建造物の倒壊被害が顕著であったわけです


西から気圧の谷本州へ接近 今後の気圧配置の動向は?

2014-01-08 17:07:27 | インポート

※本ブログご覧の皆様 新年おめでとうございます!

本年も、本ブログを宜しくお願い致します!

①1月8日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月8日6時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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低気圧や前線を含む気圧の谷が、西から本州へ接近してきています。

気圧の谷接近時は、新たな低気圧の発生地点や、低気圧の発達如何、低気圧後面からの寒気の流入具合 など、関心がもたらるところですが、私自身、「雲画像図は天気のレントゲン写真」といいましたように、気圧の谷接近・通過時は、地上天気図と雲画像図をペアで検討することで、前記で列挙した関心事項を見極めることが出来ると考えております。

その、雲画像図 ですが、水蒸気画像 と赤外画像 が中心、その中で、水蒸気画像から、

ⅰ:暖湿流の流入方向

ⅱ:今後の新たな低気圧の発生地点

ⅲ:低気圧後側の寒気がいつ、どの程度流れ込んでくるか?

が解ります。

まず、引用図①②より

引用図②に、引用図①での低気圧の位置と 

A→暖湿流(下層)の流れ込んできている状態

B→寒気の先端に見られる上空3000m付近の上昇流域

を記しました。

すると、引用図①で、8日6時現在、低気圧の中心が東シナ海中部にありますが、低気圧のはるか東側の、関東はるか南東海上の高気圧の外縁を廻るようにして、関東南海上から四国沖にかけて、下層には、南から暖湿流が広範囲に流れ込んでいます。

また、Bの位置に見られますように、寒気の先端は、東シナ海の低気圧の北側、日本海北部から朝鮮半島北部、中国大陸にかけて、東西方向広範囲にへ及んでおります。

そこで、以下の特徴がいえますね(筆者調べ)

◆地上低気圧のはるか東側の下層に、暖湿流が南から広範囲に南から流れ込んできている

→この低気圧の東側に、新たに低気圧が今後発生、この新たに発生する低気圧の周辺中心に雨雲がまとまる傾向にある。

◆寒気の先端の上空3000m付近の上昇流域が地上低気圧の北側で、東西方向広範囲になっている

→寒気先端上空3000m付近の上昇流域が広範囲であるほど、流れ込み寒気の勢力は強いものですが、流れ込みは現時点では比較的ゆっくりであり、こういう場合、この、帯状になって、上空3000m付近の上昇流域が日本海から本州を通過時に、日本海や関東沖などに新たに低気圧を発生させたり、当該上昇流域通過時に一時的な強い降水や、雷、突風など、激しい気象現象をもたらし、空域ではおよそ、上空5000m付近より下側で、気流が特に乱れ、乱気流の原因となる。

よって、今後、地上天気図上の東シナ海にある低気圧の前側に発生する低気圧の動向と、低気圧通過後の、引用図②内 B で表示した、寒気移流の先端部分の上空3000m付近の本州付近への動向 には、目が離せませんね。

山梨県内では、低気圧が8日夜から9日明け方にかけて、東海沿岸~関東南岸を通過しますが、前記したように、北からの寒気移流が9日明け方までは、それほど強くないので、北部や西部の山地や富士五湖地域の一部を除いて、おおむね雨で推移し、県内上空には比較的高温な南西風が入り込みますから、盆地地域や富士五湖地域中心に濃霧が発生する恐れもあります。交通機関は注意してください!