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台風が発達?衰弱?それにはこんな兆候が

2015-09-28 00:34:23 | 日記
引用画像は、9月28日0時の日本付近雲画像図(赤外画像dで拡大版)です。気象庁HPより引用


台風20号が、速度を非常に強めて先島諸島伺っています。

今回は台風が発達する場合と衰弱する場合に現れる現象を列記してみました。
(全て、筆者調べによります)

まず、

◇発達する場合・・・・・

:雲画像を時系列でみると、雲画像上で目の形が円形で輪郭がはっきりしてきたり、台風取り巻く雲の集団が次第に円形帯びてくる。

:台風が海上にある場合、台風の進路にあたる地域の海水温がおおむね27℃以上。

:主に秋期の表れやすいが、台風の進行方向にあたる海上の海水温が27度未満でも、台風の進行方向前側に前線があり、台風と当該前線を取り巻く雲の集団が、東西方向から、北東〜南西方向の分布変化する場合、

:と同時の表れる機会が多いが、台風の北西側から、水蒸気画像上の暗域(温位の相対的に低い気流が分布)が台風に次第に接近してくる場合

逆に、

◇衰弱する場合・・・・・

台風が陸地に上陸する場合(台風が小型ほどその傾向あり。ただし、台風上陸時に台風の中心気圧が950hpa台以下で、台風んぼ規模が中型以下と比較的小さい場合は、上陸後、進路にあたる地域では、数時間ではあるが、予想せぬ暴風に見舞われやすくなる。台風が上陸後、地表付近の摩擦力の作用と、角速度保存の法則とが相まって、台風の中心が小さくなる半面、台風の渦としての回転は増大するためである。)

台風が陸地に接近するにつれて、台風の進行速度が次第に遅くなり、陸地を避ける進路を取るようになる場合。

:台風の前側の前線が発生して、当該前線が,概ね東西方向へ延び続ける場合。


以上の特性がありますね。

台風が発達する場合の、、の場合、台風自体の移動速度は次第に早めることも多く、こういった台風の場合

さらに、台風が上陸後、台風の進行速度が早い(遅い)ほど、その台風は衰えにくい(衰えやすい)と言えますし、台風の規模は大きい(小さい)ほど、その台風は上陸後、衰えにくい(衰えやすい)傾向があると言えます。


日本列島は、まだまだ台風の季節!以上の点踏まえて、早めの防災活動をなさっていただきたいものです。







台風18号、9日午前中には東海から近畿へ上陸か。今一度、前線や台風で特に降水量がまとまる地域は?

2015-09-09 01:11:36 | 日記
①9月8日21時の天気図 気象庁HPより引用


②9月9日9時の予想天気図 気象庁HPより引用


一昨日、本州のはるか南海上で発生した台風18号、北上を続けていて、このままですと、明日9日午前中に、東海地方から近畿地等へ上陸する可能性が大きくなってきました。、

台風の進行方向前側にあたる、関東南海上から東海沖にかけて前線が停滞しており、この前線に向かって、台風接近時に定石と言える、台風の周辺から、暖湿流が大量に流れ込んで、前線の活動は活発化しており、関東〜東海〜近畿東部中心に大雨となっており、静岡県の一部では、降り始めてからの総雨量が300㍉を超えて、浸水などの被害も発生しております。

今回の台風、風もさることながら、大雨に対して、とりわけ警戒が必要の様相ですが、ここで、今一度、前線や台風で特に雨量がまとまりやすい地域を列挙してみました。

まず
<前線>

Ⅰ:前線周辺の気流が、地形的特性などで収束しやすい地域・・・・・前線が関東地方通過時、海場からの気流と、関東内陸部の気流とが衝突しやすい、関東地方沿岸部の地域や、温暖前線が西日本の南海上から東海沖へ差し掛かる際に、東海沖で。さらに、寒冷前線が近畿地方を通過中での、京都盆地から大阪平野、さらに大阪湾沿岸地域など。

Ⅱ:前線と、上空3000㍍付近の上昇流とが合流していて、、さらに、下層から地表付近での気流の収束がある場所

Ⅲ:温暖前線、寒冷前線、どの前線もそうですが、前線周辺の上空1000㍍〜2000㍍の気流の流れ込む方向に開いた山の斜面になっている場所や、地形的鞍部になっている地域。


<台風>

Ⅰ:台風を取り巻く螺旋状の雲と、隣接する高気圧の縁を流れる暖湿流に伴う雲とが合流している場所

Ⅱ:台風を取り巻く螺旋状の雲と、前線の伴う雲とが合流している場所

Ⅲ:台風を取り巻く、上空1000㍍から2000㍍の気流の流れる方向に開いた山に斜面にあたる地域と地形的鞍部になっている地域

Ⅳ:台風を取り巻く螺旋状の雲が下層から地表での地形的な特性などによる気流の収束が見られる地域に差し掛かった時

Ⅴ:台風の北西側〜西側より、上空3000㍍付近の上昇流域が接近してきた場合、当該、上空3000㍍付近の上昇流の流れる方向に沿って降水域が発達する。


<高気圧縁辺を流れる暖湿流に伴う降水>

Ⅰ:暖湿流と台風や前線に伴う雲とが合流している場所

Ⅱ:暖湿流の下層から地表付近で、地形的特性などで気流の収束が見られる地域

Ⅲ:暖湿流と、別の上空3000㍍付近の上昇流域とが合流する地域


さらに、前記した項目が複数該当する地域ですと、当該、該当する項目が増えるほど、降水量がより一層まとまりやすいと言えます。


③9月8日21時の日本付近雲画像図
:(赤外画像)


:(水蒸気画像)


大雨発生が懸念される際には、赤外画像や水蒸気画像を参考にしつつ、以上述べた事項を吟味されて、防災活動にお役立ていただければ と思います。

山梨県内では、とりわけ、4方を山地に囲まれているという地形的特性ゆえ、<前線>Ⅲ や <台風>Ⅲの ケースの場合は要注意!交付などの盆地地域で降水量がさほどでなくても、東部富士五湖地域や峡南地域、それに、北部や西部山間部では、甲府の降水量の5倍以上の多量な降水量を観測する場合は珍しくありません。

前線の微細構造 水蒸気画像よりこんなことが(寒冷前線)山梨県内での注意するべき点は?

2015-09-05 17:30:58 | 日記
①9月4日15時の天気図 気象庁HPより引用


②9月4日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像図)気象庁HPより引用


③9月4日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象予報士西村氏主宰ペパーランド気象センターHPより引用。



9月4日、寒冷前線が日本海から本州を通過を通過し、本州上空には寒気も入ったため、本州各地では大気が非常に不安定になりまして、雷を伴った強い雨が所々で観測されて、兵庫県南あわじ市や東京23区周辺では、竜巻も観測されたりしました。

今回のような、上空に寒気が入り大気が不安定・・・・・などと気象情報で表現される場合、天気図上に前線が解析されている際は勿論、えてして、前線は十分に解析されない場合も多いものですね。そこで、私自身、水蒸気雲画像と天気図(地上天気図ですが)との併用比較をされることをお勧めします。

引用図①②③を比較すると、4日15時現在、①の地上天気図上で、寒冷前線が三陸沖から関東地方へ差し掛かっており、②の水蒸気画像図上では、地上天気図上の前線の位置はさんで、前線の暖気側で、帯状の白くぼやけた画像域が見られ、その画像域内に、糸状に幾重にも連なる白く輝く画像域が見られます。
寒冷前線の寒気側でも、暖気側ほどではありませんが、帯状に白くぼやけた画像域がみられ、その中には、暖気側ほどではないものの、糸状の白く輝く画像域が見られます


そして、引用図②③より。この、糸状に白く輝く画像域に沿って、発達した降水域が分布している様子がわかります。
そもそも水蒸気画像図上での、白くぼやけた画像域、白く輝く画像域は、中層(上空およそ3000㍍程度)以上の上昇流気を表現するもので、この画像域の白色が、より鮮明に輝くように表現させるほど、当該、中層での上昇流はより強‍くなっている状態を表すということですね。

前線はさんで、寒冷前線の場合、寒気が暖気を押し上げるという構造は、前記の水蒸気画像上で如実に表現されていますが、その中に、とりわけ、上昇流の強い個所が連なっている ということも解りますね。
このような、水蒸気画像上で、糸状の白輝画像域、中層での強い上昇流がある箇所で、上昇流と隣接して強い下降流も存在するわけですので、当該地域周辺では、気流が荒れている地域といえます。航空機の運行には注意を要する地域でもあります。


山梨県内では、前記した、水蒸気画像上での。糸状や帯状の白輝画像域には要注意!富士山周辺や峡南地位に激しい降水をもたらしやすいばかりでなく。当該、糸状や帯状の白輝画像域が南北方向へ広がるものが県内上空を通過する場合、富士山北麓富士吉田市周辺には、富士山からの颪風の突風をもたらすこもあり、当該画像通過直後からは、県内中西部盆地地域中心に、八ヶ岳方面からの颪風による強風に見舞われやすくなります。

今回は、寒冷前線通過時の、水蒸気画像図の特徴ですが、温暖前線周辺も、前線はさんで、白く輝く画像域は糸状に幾重にも表現される状態になることは同じですが、またの機会に詳細させていただきます。