①11月19日9時の天気図 気象庁HPより引用
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②11月19日12時の天気図 気象庁HPより引用
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③11月19日15時の天気図 気象庁HPより引用
④11月19日23時までの24時間降水量日最大値画像 気象庁HPより引用
昨日の記事の続編のようになりますが、18日夜に、東シナ海に発生した低気圧は、九州や中国地方へ接近後、天気図上では、その進路を東よりに取り、瀬戸内海を通過し、その後、東海道から関東南部をを移動してきました。
ただ、地上天気図上の低気圧(温帯低気圧)ですが、低気圧自体の背は台風と比較すると低いもので、本州の脊梁山脈を乗り越えることは困難で、前記のように東シナ海から瀬戸内海に低気圧が進行するように見えても、当該低気圧が中国山地に差し掛かると共に、低気圧自体、日本海沿岸と瀬戸内海に分裂して、瀬戸内海に分裂発生した低気圧が主体となって、南海上からの暖湿流を受けながら近畿地方中部~東海地方沿岸~関東南部へと進んでいった と考えるのが妥当である と私は思いますね。
このため、関東以西の南岸沿いの地域を中心に広範囲で大雨となり、静岡県や長崎県の一部では24時間降水量が300㎜を超え、地形的に南~南西方向に開いた斜面沿いにあたる地域を中心に、あちこちで24時間降水量が100㎜を超える、この時期としては季節はずれの大雨となりました。
また、風も、前記低気圧の周辺を中心に、当該低気圧通過前後にかけて南~南西風が強まり、紀淡水道に位置する和歌山県友ヶ島では、19日昼前に最大風速(10分間)27・3m、瞬間最大風速では33・2mを観測し、19日夜には、千葉県の一部には暴風警報が発表されました。
今回のように、南海上からの暖湿流が地表付近でも吹きつけが強い(風速が強い)場合、前記した、地形的に南~南西方向に開いた斜面のあたる地域では、内陸部にまで広範囲に降水量が多くなりますが、山梨県内の場合、峡南地域や富士五湖地域(特に山梨・静岡県境地域)で雨量がまとまり、甲府盆地に位置する地域の雨量とのコントラストが非常に大きくなるものです。
11月19日の事例でも、24時間降水量の最大では、甲府が26・5㎜なのに対し、峡南地域の南部では117・5㎜、富士五湖地域の静岡県境に近い山中では104・5㎜と、甲府のおよそ5倍もの降水量となっています。