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低気圧本州南岸沿いを北東へ移動中 これから山梨県内では、東部 富士五湖や峡南地域中心に大雨の恐れ!

2012-11-26 12:52:53 | インポート

※以下記事内での風速の値は、秒速値を記載しております。

①11月26日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②11月26日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③11月26日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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④11月26日11時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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⑤11月26日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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11月23日は、本州付近は、低気圧や前線を含む深い気圧の谷の中に入っています。

引用図①②より、四国付近には、水蒸気画像上で、白く輝く雲の集団が見られ、低気圧も解析されています。この四国付近の低気圧の南側の本州南沖には、▲型に、広範囲に白くぼやけた画像域が見られ、当該 画像域で ▲型の最上部付近が一際白く輝き、当該部分に低気圧が解析されています。

水蒸気画像上で、低気圧の南側で前記のような、▲型に、広範囲に白くぼやけた画像域となる場合、当該 低気圧に向かって暖湿流が大量に流れ込んでおり、低気圧の中心付近を中心に雨雲が非常に発達しやすいものです。

さらに、引用図③④より、11月26日9時現在、関東以西の各地では、上空1000m付近~上空3000m付近まで、風向はおおむね南西 風速は上空2000m以上では、あちこちで20mを超えており、所処で30m以上を観測していますが。上空1000m付近でも、近畿地方や四国地方などで20mを超えていますが、26日11時になりますと、関東地方周辺でも、上空1000m付近で20mを超えてきた地点も出てきました。

これは、本州上空では、気圧の谷接近・通過に伴い、気圧の谷前側の暖気移流と大陸からの寒気移流とのコントラストが次第に大きくなっている(大陸から寒気移流が本州上空に顕著になりつつあることです。)証拠で、この状態を受けて、四国付近にある低気圧は、今後発達しながら本州南岸を進み、特に、低気圧中心付近から南側で非常に風速が強まるのが特徴で、この低気圧は、26日21時には、三陸沖に達する予想です。(引用図⑤)

これから山梨県内でも、低気圧通過時刻頃(夕方~夜の初め頃)をピークに、東部や富士五湖、それに、峡南地域を中心に激しい雨が降る恐れがあります。

また、引用図③④より、山梨県内周辺上空1000mより上側では南西風が次第に強まることが予想されますから、南~南西に開いた海抜1000m以上に当たる地域では、強風にもご留意ください!


低気圧から離れていても関東平野では意外に悪天 しかしてその実体は?

2012-11-19 13:53:37 | インポート

①11月19日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②11月19日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③11月19日9時の日本付近雲画像図(可視画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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④11月19日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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⑤11月19日9時の関東周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用

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昨日18日、東京では木枯らし1号を観測し、晩秋の青空が広がりましたが、本日19日は、関東地方各地では、1転して朝からうっとうしい曇天となり、東京や横浜など南部では、弱い雨もぱらついています。

この、関東平野の悪天のカラクリを説明しましが、実は、このような関東の悪天、珍しいことではいりません。

引用図①より、19日9時現在、日本海北西部に低気圧があり、高気圧が本州の東海上にあります。

一見、関東平野は、そう悪天にならないと思われますが、実は、引用図②③を参照ください!引用図上には地上天気図上の低気圧(低)と 高気圧(高)の位置を示しておりますが、関東地方には A の雲の集団が掛かっており、当該、Aの南東側から、本州の東海上にある高気圧の南側に向かって、オタマジャクシの尾っぽのように帯状に雲が分布しています。

さらに、引用図②③を比較すると、関東平野に掛かっている A は、赤外画像(雲高が高い雲ほど、より白い画像となります。では、薄くぼやけた画像となっているものの、可視画像(雲の密度が大きいほど、より白い画像となります。)では、白く輝いており、当該 A の雲の集団自体、雲の背は低いものの、雲の密度は大きく、関東地方には、日が差し込まず、悪天となっている様子が解ります。

この、A の雲の集団が形成されたカラクリですが、本州の東海上にある高気圧の南縁部から関東地方へと吹き込む南東~東より風が関東東海上にある南向きに流れる海流の影響と、関東平野の地上の摩擦作用を受けて、関東平野地表付近で北東~北より風(引用図⑤)となり、地表付近と上空(おおむね1500m以下)との鉛直シアーが増大したため(引用図④)に形成された雲の集団というわけです。

ですから、今日のような関東での悪天の場合、関東周辺の山地を雲が超えられず、甲府盆地や静岡県富士川付近より西側では、比較的当該雲の集団の影響は受けにくく、好天となっている場合が多いものです。

では、前記のような、関東での悪天を引き起こすシグナルですが、ウインドプロファーラー観測地点の勝浦での風向風速分布状況に注目です。(以下は筆者調べより)

Ⅰ:ウインドプロファーラー勝浦での風向が、上空2000m以上で西~南西となっていても、上空1000mでの風向が、南~南東~東に変化しつつある場合

Ⅱ:ウインドプロファーラー勝浦での風向と八丈島との風向とが、コントラストが大きくなっている(今回のような関東での悪天の場合、上空1000m地点での風向が、勝浦では東~北東風となっているが、八丈島では、西~南西風となっているものです。ちなみに、勝浦と八丈島の風向が共に南西~西より風と一致するようになると、関東平野の悪天は次第に解消します。)

Ⅲ:関東平野地表付近に目を向けると、沿岸部で南~南西風となっておらず、関東平野内陸部では北より風や北東風などとなって風向も疎らであったり、千葉県銚子あたりで北東風がやや強まっている場合

です。

さらに、

Ⅳ:当該、関東平野での悪天の場合、上空1500m付近での相当温位分布が、関東平野周辺で前線のようにコントラストが大きくなっているのも大きな特徴です!

前述したとおり、山梨県内では、前記 雲の集団 A から外れた中西部中心に、朝から晴れ渡り、19日12時現在、南部で13・6℃ 甲府で12・2℃、河口湖では10℃を観測しておりますが、東京都心(気象庁のある千代田区大手町)では、8・4℃と、真冬並みの寒さです!!


雲画像の形から解る 寒冷渦の特徴とは?

2012-11-06 11:15:23 | インポート

①11月6日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②11月6日6時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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4日、中国北部に記録的な大雪をもたらした上空(500hpa※およそ上空5500m付近)の気圧の谷ですが、外縁部がU字型となり、中心付近が渦巻いた形となっています。

これは、寒冷渦 と呼ばれるもので、500hpa※上空5500m付近の流れが、蛇行が顕著となり、当該流れから、切り離された形となってしまった結果で、言い換えれば、550hpaの谷のp工面の寒気移流が強まって当該谷の中心付近に寒気の中心も位置する状態です。

さらに、500hpaの谷の後面の寒気移流が強まっていると言うことは、その前側の暖気移流も強まっていることに他ならず、当該寒気移流の場と暖気移流の場のの境目(寒冷渦の中心の東~南東~南側で特に雨雲が発達するものです。

引用図①②より、寒冷渦が500hpaに位置する際の地上天気図の低気圧の中心は、寒冷渦の中心のみならず、発達した降水域付近にも描かれることも多く、寒気移流と暖気移流との境目では前線も解析されることも多いですね。

寒冷渦というもの、まず、動きが遅いもの。そして、水蒸気画像上で暗域がU字型に入り込み、暗域内にも所々、帯状に白く輝く画像域(降水域、中には発達した降水域も見受けられます。)があるのが特徴です。暖気移流の場でも、寒気移流の場に近ずくほど、帯状に白く輝く画像域(発達した降水域)が多く見られ、この付近で、特に強い雨を降らせやすくなります。

前記した発達した降水域が掛かる地域で、地表付近で局地的な気流の収束がある地域(地形的特性や気温分布などで)で一層雨雲が発達します。

③11月6日6時の関東周辺アメダス気温分布図 気象庁HPより引用

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関東地方周辺に目を向けますと、引用図①③より、高気圧が関東の東海上にある場合、関東平野では東海上からの湿った気流(東風)~南東風が入り、その気流が関東内陸部では滞留する形となりやすく、海岸部との気温の差が非常に大きくなりやすいものです。関東平野全般で降水がある場合は、特にこの状態が顕著となります。

こういう、気温の明瞭なコントラストを形成している箇所では、前記した降水域が一層発達しやすい場の一つとなりうるもので、今後、関東沿岸部など、雨脚が強まりそうですから、お気をつけ下さい!!

さて、山梨県内ですが、引用図③より、盆地地区の甲府や韮崎などと、富士五湖地域の山中や河口湖の気温との差が殆どない状態がわかります。これは、前記した寒冷渦の前側の暖気移流が顕著な場に県内が入り込んできて、盆地地域の地表付近では気流が澱んでいる状態をしめすもので、こういう状態になりますと、盆地地域を中心に、視界が悪化します。

車の運転など、くれぐれも気をつけてください!!


県内寒い朝!甲府で初霜 初氷を観測!

2012-11-04 15:17:54 | インポート

引用図は11月4日6時の天気図です。気象庁HPより引用。

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山梨県内では、上空に寒気が流れ込んで、その上、昨夜から風が弱く晴れ渡ったため、各地で今朝にかけて冷え込みました。

甲府では最低気温が2・7℃まで下がり、初霜(昨年より12日遅く)と初氷(昨年より18日遅く)を観測しました。

甲府以外の県内各観測地点の最低気温は以下の通りです。

山中 -3・5℃

大泉 -1・0℃

河口湖 0・1℃

古関 0・5℃

韮崎 0・7℃

勝沼 1・7℃

大月 2・2℃

南部 6・0℃

南部を除いて今季最低気温を観測しています。

前記の県内最低気温一覧より、4日は、甲府盆地周辺の地域でも0℃近くまで下がっていますが、このような、盆地地域で冷え込みが強まる場合は、県内が高気圧に緩やかに覆われて、夜間の放射冷却現象が強まった際の典型的な気温分布です。