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夏季、北から張り出す高気圧に注意!高気圧前側で南下する前線は強雷を伴うもの! 4日の事例より

2016-07-06 02:13:54 | 日記
①7月4日12時の天気図 気象庁HPより引用


②7月4日18時の天気図 気象庁HPより引用


関東以西中心に厳しい暑さ続いていましたが、4日、北海道の北にある高気圧が次第に本州付近に張り出してきて、高気圧の張り出し前側にある梅雨前線は、本州中部で次第に南下しました。
こうなりますと、南下する前線の南側は太平洋高気圧の圏内で暖湿流が流れ込み、北から高気圧が張り出すということは、寒気が流れ込んで着るということですから、当該前線は、例外なく活動が活発で、通過時には強雷や強雨などの 激しい気象現象を伴うものです。

③全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
ⅰ:7月4日12時


ⅱ:7月4日18時


引用図③ⅰ,ⅱより、梅雨前線の伴う降水域は、概ね2本の帯状に本州上の広範囲に分布しています。
前線に伴う降水域は、寒気と暖気の勢力下を比較して、勢力の強い側に、通常2本から3本程度の帯状の鋼水域を連なるものです。
そして、これら帯状の降水域内で、特に強まった降水域が散在しますが、これは、地表から下層での気流の収束箇所(海陸風などの収束といった地形的特性に起因するもの)で、とりわけ、降水域の強度が強められ、さらに、この、地形的特性による下層から地表の気流の収束に起因する、強まった降水域は、それ自体が連なる帯状降水域の移動方向とともに2〜3時間程度は移動する特性がありますから、当該、強まった降水域の移動には十分気を付ける必要があります。


※4日夕方、山梨県内中西部で突風被害が!これも県内特有の現象!
④レーダーエコー合成図(関東甲信周辺)
ⅰ:7月4日15時


ⅱ:7月4日15時30分


ⅲ:7月4日16時


4日15時頃、発達したエコー(積乱雲の伴う降水域を示します)が県内北部から長野県中部にかかり、30分後には、当該発達したエコーは県北部山地でさらに強められ東進し、県西部南アルプス沿いにもエコーが発生し、南アルプス一体に広がりました。

このように発達した積乱雲に隣接して、別の積乱雲が後続発生する場は、先行して発生発達した積乱雲からの下降気流を、 隣接に後続発生した積乱雲に吹きこまれ、下降気流が一層強まって激しい突風となります。
山梨県内の場合、 北部山地で 地表から下層での気流の収束 となりやすく、まず、この地域で積乱雲のが発生発達しやすく、三方を山地に囲まれていますので、当該、北部山地を除いた山地(南アルプスや富士五湖地域など)で、新たな積乱雲の集団が 後続して発生発達し易いくなります。
このうち、北部山地→南アルプス との時系列変化で積乱雲が発生発達する場合が、甲府盆地に吹き降りる激しい突風を発生させやすいものなのです。


甲府市や甲斐市、中央市や南アルプス市など、4日15時頃から北寄り〜北西風が急激に強まり、甲府で15時27分に27・7㍍毎秒の最大瞬間風速(北西風)を、1時30分までの10分間で16・5㍍毎秒(北西風)の最大風速を観測!まさに台風並みの非常に強う風が吹き荒れました!
甲府市や甲斐市などでは、民家の一部が破損したり、JR中央線は一時規制風速で運転中止となったほどでした。

3日、関東以西では厳しい暑さ!尾鷲で38・6℃,東京都心や甲府などで本年初猛暑日を観測!県内ではこんなことが・・・・・

2016-07-04 01:44:31 | 日記
①3日24時までの山梨県内最高気温一覧図 気象庁HPより引用



②7月3日12時の天気図 気象庁HPより引用



③7月3日12時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用


7月3日は、関東以西の各地では、梅雨前線の活動が弱まって、その梅雨前線の南側に入ったため、各地で厳しい暑さとなりました。

三重県の尾鷲では、最高気温38・6℃と、観測開始以来の最高気温を観測しましたし、東京都心や甲府などで、本年初の猛暑日を観測しました。

山梨県内では、引用図①より、東部の大月で37・3℃,甲府で37・0℃の最高気温を観測したほか、各観測地点で、本年最高気温を観測いたしました。

この厳しい暑さですが、梅雨前線の南側で高温の気流が流れ込んできているところへ、前線の活動が弱まり、各地で日中、日差しに恵まれたことが大きな要因ですが、引用図①より、関東平野各地や,甲信南部、それに、紀伊半島南東部など、西側に山地を控えた地域でとりわけ気温が上昇しております。

引用図③より、関東以西の各地では、上空1000㍍〜3000㍍にかけて、概ね西寄り風〜西南西風が卓越していますが、静岡では、上空2000㍍以上で、風速が20㍍以上とぐっと強まっています。
これは、西寄り風〜西南西風が中部山岳南端に接触して収束し、風速が強まったことですが、この結果、中部山岳の東側にあたる、関東平野や甲信南部で、下層で下降気流となり、断熱昇温で気温が上昇したこと。
さらに、関東平野と同様な地形的特性である、紀伊半島南東部でも同様西て、断熱昇温が強まり、3日の高温となったわけです。


さらに、山梨県内では、当該、西寄り風〜西南西風が南アルプスと富士山との間が、上空2000㍍以上で、地形的鞍部となっており、当該地形的鞍部で、西寄り風〜西南西風が収束して上昇流を発生させた結果、当該地形的鞍部の北側に隣接する山梨県東部富士五湖地区の下層では、下降気流が卓越して、気温の上昇を加速させました。

④3日9時~16時までの河口湖での、ウインドプロファイラー時間高度断面図 気象庁HPより引用



引用図④より、上空2000㍍を境にして、上空では上昇流、下層では、下降気流が卓越していることで、山梨県内では、東部の大月で、午前中から気温がぐんぐん上昇して、正午前には、すでに猛暑日となり、今回の酷い暑さとなったわけです。