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台風15号の総括 日本付近で個性ある振る舞い

2015-08-30 22:26:17 | 日記
①台風15号経路図(速報版)気象庁HPより引用


台風15号は、8月25日6時頃、熊本県荒尾市付近へ上陸して、その後、九州北部を縦断、25日昼頃には玄界灘に抜けて、その後、日本海西部へと進んで、翌26日朝には、島根県隠岐の島の北で温帯低気圧へ変わりました。

②台風15号のレーダーエコー合成図(先島諸島周辺)気象庁HPより引用(石垣島測候所の位置を●にて表示)
:石垣島測候所で観測史上最大の、最大瞬間風速71㍍毎秒を観測した頃の、23日21時15分


:石垣島測候所で最大風速47・8㍍毎秒を観測した頃の、23日22時20分


すでに周知のとおり、台風15号自体、非常に強う勢力を維持しながら、先島諸島から東シナ海、そして、九州へと進んだため、進路にあたった、石垣島測候所では23日21時16分に、観測史上最大となる、最大瞬間風速71㍍毎秒(南南西風)を観測して、10分間の最大風速でも、23日22時21分に、47・8㍍毎秒(南西風)を観測しています。

③台風15号の雲画像図(赤外画像図)気象庁HPより引用
:23日21時


:24日21時


:25日9時


:25日21時


ご覧のように、台風15号、九州の南西海上に達するまでは、目がはっきりして、非常に強い勢力を保っている様子がわかります。が、九州へ上陸後の25日9時には、台風を取り巻く雲の形が次第に勾玉型へと変化しつつあり、台風自体、温帯化しつつある様子であることを示しています。そして、25日9時の雲画像を見ると、A で示す、四国沖から紀伊半島付近で、南西〜北東方向へと広がる雲列と、南東〜北西方向へと広がる雲列とが合流しており、この2つの雲列の合流部分を頂点とした ハの字型の雲列が顕著となって、25日21時には、紀伊半島南東部から東海地方へと掛かっています。

ご覧の、雲列の配列の要因は、台風を取り巻く暖湿流と、オホーツク海にある優勢な高気圧の外縁部を流れ込んできた暖湿流との、暖湿流同士の収束の結果ですが、勿論、以前にお話ししましたように、台風を取り巻く発達した雲の列は大雨をもたらし、当該雲列の外縁部では強風をもたらすわけですが、この、ハ の字型雲列が掛かり続けた、三重県内では、総雨量600㍉を超す記録的な大雨になりましたし、愛知県沿岸や三重県伊勢湾岸を中心にして、25日昼過ぎからおおむね南東風の暴風に見舞われて、中部国際空港では、離着陸が不能となり、東海地方、北陸地方、近畿地方では、強風による鉄道のダイヤ混乱が相次ぎました。

このように、台風接近時には、台風取り巻く雲の集団の動向はつぶさに見る必要がありますね。特に、温帯化しつつある状態の台風であれば、この事例のように、台風から比較的離れた地域でも、大雨や暴風に見舞われることがあります。