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今一度、突風(竜巻やダウンバースト)の種類について 県内も竜巻等は侮れません!

2012-05-18 11:50:13 | インポート

今回記事では、局地的ではあるものの、時として甚大な被害をひき起こす突風(竜巻やダウンバーストなどが代表的ですが)について、解説していきましょう。

山梨県内でも、昭和54年10月19日に昼頃 紀伊半島に上陸して、本州を縦断した台風20号の際に、当該台風の進行方向右前側にあたっていた、都留市内で竜巻が発生!半壊家屋等を生じる被害が発生しています。

※気象HPや、それを受けての筆者の見解を基に記述してまいります。

去る5月6日の茨城県や南西部から中部、それに栃木県南東部の事例のように、局地的な強風災害が発生すると、最寄の気象台、測候所で現地調査を行い、「竜巻」か「ダウンバースト」か断定されますが、その基準発議の通りです。

①被害地域の被害痕跡が一列に並んで、建造物や樹木の転倒方向が収束性痕跡(渦巻状)になっている。被害地域で漏斗雲が見られた。ジェット機が通過するようなキーンという音がした。など。・・・・・「竜巻」と断定

②被害地域の被害痕跡が一列になっていない。建造物や樹木の転倒方向が収束性痕跡になっておらず扇状の広がりが見られる。など・・・・・「ダウンバースト」と断定。

前記①②いずれにもあてはまらない場合③のケースでは、単に「突風が吹いた」とか、「竜巻、ダウンバーストいずれにも断定できなかった。」と、発表されます。

前記①②③より、被害地域の被害痕跡によって、竜巻 や ダウンバースト と判断するわけですが、私自身、本ブログ内で、記事として記述させていただいてますように、

◆語弊を承知で言うなら、「竜巻」や「ダウンバースト」双方とも、発生原因の源となる部分は同じであると考えています。雷雲内の強い上昇流が、地表付近まで及んで、地表付近が低気圧性循環となるのが「竜巻、」

◆一方、雷雲内の強い上昇流の影響で隣接部分に強い下降流が発生し、雷雲周辺の乾燥空気を当該雷雲に引きずり込んで、下降流をさらに発達させたのが「ダウンバースト」 となるのではと考えています。

よく、気象の書物では、一般論として「ダウンバースト」は、一般的に中層に乾いた気流が流れ込んで、この中を雨粒が通過する際に、雨粒自体の蒸発が盛んになる為に、下降気流が加速されて生じると言うことがいわれていますが、この状態は、「ダウンバースト」をまさに引き起こそうとしている雷雲の中層に当該雷雲の隣接区域から局地的に強い下降流で乾燥空気が流れ込む形が考えられます。
このためには、当該下降流に隣接した、前記のダウンバーストを引き起こす雷雲内に局局地的な強い上昇流が不可欠となります。質量保存の法則によりますからね。

では、前記した雷雲内の局地的な強い上昇流発生原因は何かと言いますと、鉛直シアー(鉛直方向で風の風向風速の差が大きい状態)によるものではと考えます。それ以外に原因は考えられませんね。

よって、

◆「竜巻」と「ダウンバースト」は発生源が同じであるので、当然、双方、隣り合わせて共存して発生、なんてことも充分ありえます。

さらに、私自身、前記③のケースに当てはまる局地的な突風についても、侮れるものではない と思っています、

前記③のケースに当てはまる特徴として

ⅰ:局地的に地形の狭隘部となっていたり、山地(標高おおむね1000m以下、狭い範囲でも該当)に隣接した地域にて、当該地形的な狭隘部に平行して、および、山地の直交方角に強風が吹くもの・・・・・当該地形的狭隘部や山地の前側20km~100kmに、地表付近から上空3000m付近の部分(特に上空1000m以下の部分)で上昇流域になっている場合は

ⅱ:積乱雲がマルチセル上やスーパーセル上に分布して、当該積乱雲の集団の後面が、上空3000m付近の下降流が強まっている場合、当該積乱雲の集団より進行方向前側(まれに、進行方向後面にも吹く場合もあります。)に、帯状に地表で乱流を伴なった強風域(積乱雲より吹き降りる気流となります。)が発生、当該帯状の強風域が、前記した積乱雲の移動よりも移動速度早く、先行して移動するようになる(ガストフロントと呼ばれるものです。)

山梨県内では、前記ⅰ、ⅱのタイプの強風ともに、盆地地域では、注意知る必要があります。実際に被害が確認している事例もありますから。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
始めまして、先生の本年2月の講座を拝聴させていた... (taiji)
2012-06-06 12:54:12
始めまして、先生の本年2月の講座を拝聴させていただいた者です。

山梨県内でも、竜巻の被害があったことは以外ですよね。ほか、県内での強風災害は、どういうタイプのものでしょうか?ご教示ください!
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taijiさんへ。コメントありがとうございます。とと... (カノウおにいさん(taijiさんへ))
2012-06-09 00:01:37
taijiさんへ。コメントありがとうございます。とともに、返答遅れて済みません。
ご質問の件ですが、山梨県内の強風災害は、
①県北西部の八ヶ岳山系や、県南東部の富士山や御坂山系から吹き降りる気流
②県内の地形的鞍部を吹き抜けるようになっている気流
が強風災害を引き起こします。

特に、前記①②の状態が同時に発生する場合、県内の地形的鞍部や盆地地域など、記録的な暴風となったケース(昭和34年の7号台風)もありますから、油断大敵です!

さらに、強い勢力の台風が、東海地方から長野県や岐阜県を速度を上げて通過する場合、県内の南側に開いた斜面沿いの地域で強風災害となりやすいですね。昭和34年9月の伊勢湾台風が東海地方直撃した際などが、典型的な事例です。

 
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