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雲画像でわかる 低気圧の前側の曲者はこれ!

2013-02-27 23:51:04 | インポート

①2月27日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月27日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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2月26日夜から2月27日にかけて、東シナ海から前線を伴なった低気圧が本州に進んできて、本州南海上を西から東へと進みました。

この低気圧に向かって、南から暖湿流が流れ込んだため、雨雲が発達し、九州南部では、ところにより24時間で100㎜を超す、この時期としては珍しい大雨となった箇所もあります。

ただ、この低気圧、引用図①②を重ねてみると、低気圧の中心の北東側に、おもに白く輝く雲の集団があり、この雲の集団、北へ お椀をかぶせたような ⌒ 型をしています。

低気圧に伴う雲の集団が前記のような形をする場合、低気圧の東側に比較的勢力の強い高気圧があり、低気圧の北東側の ⌒ 型をした雲の集団は、当該高気圧の後面の外縁を廻るようにして、暖湿流が低気圧の前側に流れ込んでいるために形成されたもので、とりわけ、関東南岸から伊豆諸島近海にかけて、このような ⌒型の雲の集団が発生しやすいものです。

この、⌒ 型の雲集団は、以下の特徴があります。

ⅰ:高気圧の後面の外縁を廻るようにして流れ込む暖湿流が関東東海上の気流の関係て風向が変化し、関東平野には、北東~北より風となってしまう場合に発生しやすく、関東南岸~伊豆諸島近海に風向の明瞭なシアーラインが発生しています。

ⅱ:当該シアーライン上に ⌒ 型雲集団発生して、低気圧としてまとまることも多いものですが、天気図上には、この低気圧は解析されにくいのも特徴ですが、局地的に大雨や強風を伴うことも多いものですから油断できません。

ⅲ:この ⌒ 型雲集団が発生している箇所での上空1500m付近の相当温位分布を見ると、等温位線が混んでいる状態となっています。

2月27日の場合、前記したシアーラインが朝方から伊豆諸島北部付近に発生し、⌒ 型雲集団が当該シアーライン上に発生した様子で、シアーラインの南側にあたった三宅島では、27日5時から南~南西風が強まり、三宅島坪田(三宅島空港)では、6時には南風で、7時には南西風でそれぞれ風速19m(10分間平均毎秒値)の強風を観測し、この時刻辺りで三宅島付近に雨雲が発達して、27日8時までの1時間に、20㎜~30㎜の強い降水を観測しています。


県内では 富士五湖地域の雪崩や盆地地区の濃霧には注意!!

2013-02-18 16:15:41 | インポート

①2月18日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月18日12時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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③2月18日12時の甲信地方周辺アメダス気温分布図 気象庁HPより引用

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                      ↓

④2月18日15時の甲信地方周辺アメダス気温分布図 気象庁HPより引用

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2月18日は前線を伴なった低気圧が本州南岸を西から東へと移動中で、東北以西の各地では天気がぐずついています。

引用図①より、紀伊半島にある低気圧に低気圧があり、この低気圧の北側の津軽海峡の西には別の低気圧があって、本州付近では南北に延びる気圧の谷の中に入っています。一方、紀伊半島の低気圧の南東側、本州の南東海上に高気圧があり、紀伊半島の低気圧の南側に張り出しています。

本州付近で、気圧の谷が南北に走り、かつ、本州の東海上や南東海上に高気圧がある場合、本州付近上空には、決まって、南海上より暖気が流れ込んでいる証拠で、この様子が、本州上空1000m付近~3000m付近で、南西風~西南西風が強まると言った形で現れています(引用図②)。

さらに、引用図③より、18日12時現在、山梨県内では、甲府や韮崎などの盆地地区では、気温がおおむね0℃前後と冷え込んでいますが、東部の大月では4℃、さらに、富士五湖地域の河口湖や山中では6℃台と、標高の低い盆地地域より、標高の高い富士五湖地域のほうが気温が高い状態となっており、この状態は、引用図④より、18日15時には、一層顕著となり、盆地地域では0℃~2℃程度であるなにたいして、富士五湖の河口湖では8・8℃,山中では11・8℃と、およそ、4月上旬並の暖かさとなっています。

これは、本州上空に、暖気が南西風や西南西風となって大量に流れ込んでいて、特にこの暖気移流が富士山や南アルプスの外縁部を吹き抜ける際に局地的に収束して、当該、暖気の収束箇所が隣接する富士五湖地域屋東部地域付近で、局地的に下降気流が顕著となって、一層、昇温 したものと私は考えますが、山梨県内上空に暖気が流れ込む際の、山梨県内の地形的特性も加わって発生した現象と言えそうですね。

現在、富士五湖周辺では、富士山周辺など中心に、かなりの残雪がある様子で、こういう状態の所へ、気温上昇して、低気圧接近に伴って降雨となることが予想されます。ですから、これから、県内富士五湖地域では、なだれ に、一方、地表付近より上空の気温が高く、気温の逆転層が発生していることが考えられる盆地地域では、濃霧 には 注意してください!!


県内3度目の積雪 河口湖で8cm 甲府で2cm

2013-02-13 12:10:03 | インポート

①2月12日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月12日21時の茨城県館野エマグラム図(※700hpaまでです) オハイオ州立HPより引用

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③2月12日6時の天気図 気象庁HPより引用

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昨日より、関東地方内陸や甲信地方で積雪の予報があり、山梨県内にも、峡南地域を除く殆どの地域に、12日夕方より、大雪・着雪注意報が出されていましたが、懸念されていた県内の降雪も13日明け方には止んでいます。

県内各地の13日9時までの24時間降雪量ですが

河口湖で 8cm

甲府で 2cm 

となっております。

13日9時現在、山梨県内では、中央自動車道の都留IC~河口湖IC と、東部富士五湖道路全線の上下線で、チェーン装着規制がしかれているものの、他の交通機関には、目だった混乱はない様子です。

まずは、一安心 といったところでしょうが、県内を含む甲信越地域や隣接する関東地方周辺で大雪となりやすい気象条件ですが、

ⅰ:関東地方周辺の上空に強い寒気が流れ込んでいる

ⅱ:特に下層では、北海道東海上~三陸沖あたりから、関東平野に向かって寒気移流(おおむね北東風)がある

以上2点大きな条件となりますが、引用図②の茨城県館野のエマグラム図内の右端風向風速の鉛直方向分布状況より、関東や甲信越地域が降雨や降雪となり始めた頃の、12日21時のは、風向が、地表付近から上空200m付近では、風向は北~北東となっていますが、それより上側では、風向がおおむね南より風となっており、前記したⅱの条件を満たしていません。

このことで、関東地方や甲信地方では、大雪となりにくく、降雪量もそれほど多くならずに済んだわけです。

このように、本州の南海上を低気圧が東進する場合、関東平野で降雪となる条件(上空1500m付近で-3℃以下)ぎりぎりの気象条件の場合、関東平野周辺の下層に南~南東風が入って、寒気移流があまり強くならない場合、降雪となりにくくなります。

天気図上では、◆本州の東海上の低気圧とは別の気圧の谷が日本海あたりにある場合や、◆関東の東海上に高気圧の中心が解析されている場合 など、前記のように関東平野周辺の下層に南~南東風となって、関東平野周辺で降雪となりにくくなります!


県内中西部には八ヶ岳おろしの強風が 甲府で瞬間22・6m 中央道も速度規制

2013-02-08 18:14:00 | インポート

※記事内、風速表示値は毎秒値です!

①2月8日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月8日12時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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2月8日は、山梨県内では中西部中心に北西~北よりの風が強まりました。

甲府では11時16分に22・6m(北北西)、10分間の平均でも13・7m(北北西)の大変強い風を観測しましたし、中西部の韮崎や大泉で10分間の最大風速が10mを超えました。

さらに、8日日中、県内を横断する中央自動車道の笛吹川橋梁や、甲府昭和IC付近~小淵沢ICにかけて設置している風速計などが、数箇所で、速度規制基準値となる10分間平均で15m以上の風速を観測したため、中央自動車道の一宮御坂IC~小淵沢ICの上下線全線と中部横断自動車道の上下線全線が、一時、時速50キロの速度規制もしかれました。

この強風ですが、本ブログでの、昨年1月5日に記載した、八ヶ岳おろし による 強風とおもわれますが、そのカラクリは?

引用図②より、8日12時現在、関東地方南部から南東沖にかけて、関東北部からの気流と東海道方面からの気流が合流収束して発生した雲の集団 B があり、

関東地方から西日本にかけて、水蒸気画像上で、 U字 型に 細い帯状に白く輝く区域 Aが見られます。Aは、強い寒気吹出し時に、南北方向の温度差の急な区域が広範に及ぶ場合、当該寒気は、段階上に吹出してくるようになりますが、その寒気吹出し部分の段階部分の先端に発生した、中層~下層の上昇流域を表現するものです。

丁度、山梨県内では、8日12時には、この Aの北側の水蒸気画像上の暗域 (中・下層部分での下降流域)に入っており、関東南岸には、Bと言う 下層での気流の収束部分が隣接している状態です。

これらのことより、山梨県内では、8日日中、八ヶ岳方面からのおろし風 (北西風から北北西風)が吹きやすい気象条件で言ったことが解りますね。関東南岸の下層の上昇流が丁度、山梨県内中西部盆地地域にに、八ヶ岳周辺の気流を引きずり下ろした格好となって、今回の、おろし風 が発生したわけです!


県内の大雪とはならず ほっと一安心!

2013-02-06 17:22:47 | インポート

①2月6日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月6日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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昨日から、東京など首都圏の各地で6日は大雪となる予想ではありましたが、大雪をもたらす下層寒気の流入が関東地方周辺では予想より強くなく、山梨県内では、6日15時まぜに、富士五胡の河口湖で5cm 甲府では霙や雨で終わり、積雪はなしでした。

まずは、一安心 と言ったところですが、

今回、関東周辺の下層寒気流入を妨げた要因ですが、

ⅰ:5日夜から6日午前中にかけて、関東東海上で高気圧性循環が予想よりも強まり、関東地方周辺の下層には、東~南東風となっていたこと。

ⅱ:ⅰの結果、関東地方周辺には、5日夜より、雲が多くなり、湿度も増加(東京では5日23時以降50%以上となっていました。)して、気温低下が妨げられたところ、降水が始まったこと。

以上の結果が重なったため、と私は考えています。

5日24時現在でも、東京では気温が8℃以上ありましたし、降水は雨で始まりましたから、私自身、ひょっとして、首都圏は大雪から逃れられるか?と淡い??期待をこめていましたが。まあ、この期待が現実となったようで、まずは、良かった 良かったというところですね(笑)

引用図③より、6日9時現在、本州上空では3000mではおおむね南西風で風速は10m以上と、強めとなっていますが、上空2000mあたりでは、関東地方の勝浦や水戸では、風向がおおむね南よりとなって風速が10m~20mと強まっており、上空3000mと上空2000mとの間は、風向の明瞭な不連続があることが解ります。こういうい箇所では気流が乱れ、東京湾上空7000ft(およそ2500m)から11000ft(およそ3500m)で、航行中の航空機より乱気流に遭遇したとの様子です。このことも、関東地方東海上で高気圧性循環が強まったため と私は見ています。

高気圧性循環が予想より強まるということは、当該、高気圧性循環の両側の気圧の谷が予想より強まるとという証拠!。あす7日に日本海へ進んで来る気圧の谷が発達すると言えそうで、この点、油断なりませんね!!