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東北~近畿にかけては雷や強い雨、突風や竜巻の恐れ!特に雲画像上のこういう箇所で要注意!!

2012-05-29 12:51:47 | インポート

5月29日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月29日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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東北~近畿にかけては、29日11時現在、地上ではおおむね気温25℃以上となっているのに対し、本州の上空5500m付近では、-18度以下、さらに、これから夜にかけて、-20℃以下を観測する強い寒気が流れ込んでくる予想(各種予想図より)で、昨日よりも大気の状態が不安定となる見込みです。

このため、昨日以上に大気が不安定で、昨日以上に、雷や急な強い雨 突風や竜巻などの激しい気象現象が生じる恐れがあります。

では、天気図や雲画像上のどういう箇所に注目するべきでしょうか?

引用図②には、地上天気図の低気圧の位置を示し、水蒸気画像上の水蒸気の濃淡具合をしましております。画像上で、より白く映し出されている地域ほど、下層から中層の上昇流域が発達しており、発達した雨雲が存在し得うることを表現するものです。

まず(29日9時現在ですが)、

◆山陰沖の勾玉型になった白輝域Aがありますが、特に、当該Aの周辺(南側でより一層)で画像が白く鮮やかになっております。この箇所に、暖湿流が収束して特に発達した雨雲(積乱雲)が存在しているわけです。

さらに、Aの東側に注目しましょう!

◆Aの東側には、ほぼ南西~北東方向に帯状に白くぼやけた画像域があり、当該画像域は、幾重にも縞状に画像の濃淡のコントラストが広がっております。水蒸気画像でこのような画像が現れるのは、暖湿流が大量に流れ込んでいる証拠であり、とりわけ、当該水蒸気画像の濃い部分と、地表付近の気流が地形的要因などで収束した箇所とが合致した箇所(②ではBが該当します。)で、これまた、雨雲が発達するようになります。

事実、29日9時~11時頃にかけて、Bが掛かる千葉県九十九里上空では、成田空港の着陸進入アプローチラインに当たってしまい、この時間帯に成田空港に着陸する航空機の多数が、気流の乱れによる大きな揺れを受けた模様です。

今後は、前記したAの動向に注目!各種実況図より、Aは東進中の模様。

これからAが掛かる地域では、

◇A本体を形成する雨雲のみならず、Aの進行方向前側に発生する雨雲にもご用心!当該雨雲が(Aの前側に流れ込んでいる暖湿流と、Aを形成する積乱雲から周囲に吹き下りる気流とが収束して発生するものです。)がより発達する傾向もあります。

◇さらに、地表付近で気流が地形的要因などで収束している箇所にも注意!当該箇所上を、前記したAをはじめとする積乱雲の集団が通過するような際に、竜巻等の激しい突風が発生する危険が極めて強くなります!


今一度、突風(竜巻やダウンバースト)の種類について 県内も竜巻等は侮れません!

2012-05-18 11:50:13 | インポート

今回記事では、局地的ではあるものの、時として甚大な被害をひき起こす突風(竜巻やダウンバーストなどが代表的ですが)について、解説していきましょう。

山梨県内でも、昭和54年10月19日に昼頃 紀伊半島に上陸して、本州を縦断した台風20号の際に、当該台風の進行方向右前側にあたっていた、都留市内で竜巻が発生!半壊家屋等を生じる被害が発生しています。

※気象HPや、それを受けての筆者の見解を基に記述してまいります。

去る5月6日の茨城県や南西部から中部、それに栃木県南東部の事例のように、局地的な強風災害が発生すると、最寄の気象台、測候所で現地調査を行い、「竜巻」か「ダウンバースト」か断定されますが、その基準発議の通りです。

①被害地域の被害痕跡が一列に並んで、建造物や樹木の転倒方向が収束性痕跡(渦巻状)になっている。被害地域で漏斗雲が見られた。ジェット機が通過するようなキーンという音がした。など。・・・・・「竜巻」と断定

②被害地域の被害痕跡が一列になっていない。建造物や樹木の転倒方向が収束性痕跡になっておらず扇状の広がりが見られる。など・・・・・「ダウンバースト」と断定。

前記①②いずれにもあてはまらない場合③のケースでは、単に「突風が吹いた」とか、「竜巻、ダウンバーストいずれにも断定できなかった。」と、発表されます。

前記①②③より、被害地域の被害痕跡によって、竜巻 や ダウンバースト と判断するわけですが、私自身、本ブログ内で、記事として記述させていただいてますように、

◆語弊を承知で言うなら、「竜巻」や「ダウンバースト」双方とも、発生原因の源となる部分は同じであると考えています。雷雲内の強い上昇流が、地表付近まで及んで、地表付近が低気圧性循環となるのが「竜巻、」

◆一方、雷雲内の強い上昇流の影響で隣接部分に強い下降流が発生し、雷雲周辺の乾燥空気を当該雷雲に引きずり込んで、下降流をさらに発達させたのが「ダウンバースト」 となるのではと考えています。

よく、気象の書物では、一般論として「ダウンバースト」は、一般的に中層に乾いた気流が流れ込んで、この中を雨粒が通過する際に、雨粒自体の蒸発が盛んになる為に、下降気流が加速されて生じると言うことがいわれていますが、この状態は、「ダウンバースト」をまさに引き起こそうとしている雷雲の中層に当該雷雲の隣接区域から局地的に強い下降流で乾燥空気が流れ込む形が考えられます。
このためには、当該下降流に隣接した、前記のダウンバーストを引き起こす雷雲内に局局地的な強い上昇流が不可欠となります。質量保存の法則によりますからね。

では、前記した雷雲内の局地的な強い上昇流発生原因は何かと言いますと、鉛直シアー(鉛直方向で風の風向風速の差が大きい状態)によるものではと考えます。それ以外に原因は考えられませんね。

よって、

◆「竜巻」と「ダウンバースト」は発生源が同じであるので、当然、双方、隣り合わせて共存して発生、なんてことも充分ありえます。

さらに、私自身、前記③のケースに当てはまる局地的な突風についても、侮れるものではない と思っています、

前記③のケースに当てはまる特徴として

ⅰ:局地的に地形の狭隘部となっていたり、山地(標高おおむね1000m以下、狭い範囲でも該当)に隣接した地域にて、当該地形的な狭隘部に平行して、および、山地の直交方角に強風が吹くもの・・・・・当該地形的狭隘部や山地の前側20km~100kmに、地表付近から上空3000m付近の部分(特に上空1000m以下の部分)で上昇流域になっている場合は

ⅱ:積乱雲がマルチセル上やスーパーセル上に分布して、当該積乱雲の集団の後面が、上空3000m付近の下降流が強まっている場合、当該積乱雲の集団より進行方向前側(まれに、進行方向後面にも吹く場合もあります。)に、帯状に地表で乱流を伴なった強風域(積乱雲より吹き降りる気流となります。)が発生、当該帯状の強風域が、前記した積乱雲の移動よりも移動速度早く、先行して移動するようになる(ガストフロントと呼ばれるものです。)

山梨県内では、前記ⅰ、ⅱのタイプの強風ともに、盆地地域では、注意知る必要があります。実際に被害が確認している事例もありますから。


大雨の範囲は東北太平洋側~北海道太平洋側へ このほかにも要注意地域がこんな所!県内ではこの点にも注意

2012-05-04 16:31:44 | インポート

①5月4日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月4日12時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③5月4日12時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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                                                         ↓

④5月4日15時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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一昨日から本州に太平洋側に各地に、5月としては季節はずれの大雨を降らせた低気圧とその前側の暖湿流ですが、その後、ゆっくりと北東へ移動し、大雨の範囲も東北地方太平洋側~北海道の太平洋側へと移ってきました。

岩手県の山田では、4日15時までの24時間に345㎜と、観測史上最も多い降水量となってのをはじめ、北海道の胆振地方や東北地方太平洋側の各地で、24時間降水量が軒並み200㎜を超えています。

岩手県内や宮城県内では、氾濫危険水位を超えた河川が続出、流域の各世帯多数に、災害対策基本法に基ずく避難指示や避難勧告が出されました。

引用図①と②、③とを見比べると、気図上に描かれている低気圧の進行方向前側には、水蒸気画像上で広範囲に白く輝く画像域が見られ、当該画像域に対応して発達した降水域が見られます。

これは、低気圧の進行方向前側に暖湿流が大量に流れ込んでいるためですね。

さらに、引用図②の、別の水蒸気画像上で白く輝く画像域であるAとBに注目!A,Bともに、500hpaの正渦度移流域を反映したものですが、こういう箇所では、上空3000m付近での上昇流が顕著な区域で、雨雲(雪雲)が発達しやすい箇所でもあります。

引用図③④より、A,Bのかかる地域に対応して、強い降水域が見られますが、Bのかかる鳥取県内では、3日15時までの24時間に90㎜以上のかなりまとまった降水となっています。

Aに対応する降水域も強いものですが、東~南東に移動しながら、一部がさらに強まっている様子が解りますね。

これは、関東平野に日中吹き込む海風が関東西部で地形的に収束したことが原因と思われ、当該、発達した雨雲の掛かる関東地方(特に南部)などでは、一時的に強い雨や雷等が発生する懸念があります。

さらに、山梨県内の場合、引用図③④で、東側に隣接する神奈川県内や東京都多摩地区南部で、局地的に雨雲が強まっています。

ということは、この地域の下層に気流の収束がある証拠であると言うことと、引用図②より、Aの南~西側には水蒸気画像の暗域(下降流域)が見られることより、Aが県内に再接近後、中西部の盆地地域を中心に、山越え(八ヶ岳山塊)のおろし風(北西風~北北西風)が強まる兆候と言えます。

これから4日夜にかけて、中西部の盆地地域を中心に、山越え(八ヶ岳山塊)のおろし風(北西風~北北西風)が強まりますから、この点、ご留意ください!


県内では東部富士五湖地域や西部山地を中心に大雨 

2012-05-03 17:39:07 | インポート

①5月3日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月3日9時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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                                                          ↓

③5月3日12時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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昨日の記事の続きになりますが、進行方向前側に暖湿流が大量に流れ込んで、発達した雨雲を伴なった低気圧は、その後、2日夜以降、紀伊半島沖から東海沖を北東へ進んで、3日9時には引用図①より、関東南岸まで進んできました。

このため、暖湿流が東~南東風となって長時間吹きつけた形となり、当該方向へ開いた斜面沿いにあたる、関東西部や甲信地方東部、東海地方太平洋側では、強い雨が断続的に降り続きました。

静岡県の天城山では24時間降水量が649㎜と、5月としては観測史上最も多い降水量を観測しましたし、24時間降水量が300㎜を超えた地点としては、三重県尾鷲 383・5㎜ 東京都大島 358㎜ 神奈川県箱根で348㎜ 三重県熊野新鹿で305㎜ となっています。

山梨県内では、24時間降水量が 山中で158㎜ 南部で132㎜ 上野原で120㎜ 河口湖で105・5㎜と、100㎜以上の降水量を観測する大雨となりましたが、盆地に位置する甲府では24時間降水量は25・5㎜と、盆地とや山地ではコントラストの大きい降水量分布となっています。これは、暖湿流が地形的に強制上昇して発生する大雨の際に、山梨県内で観測される典型的な降水量分布のパターンです。


動きの遅い低気圧本州南岸を北東へ 前面には南から暖湿流 県内では富士五湖地域や西部山間部でも大雨に警

2012-05-02 13:07:08 | インポート

①5月2日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月2日9時のエマグラム図(浜松) オハイオ州立HPより引用

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③5月2日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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                  ↓

④5月3日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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本年春は、上空の偏西風の蛇行が著しいせいでしょうか?本州付近を高気圧が通過した後、東海上にて勢力を強め、後面に入る本州付近に南から暖湿流を大量に流れこまさせるパターンが多くなっていますが、昨日5月2日からは、またまた、前記のようなパターンとなって、南西諸島や西日本の太平洋側には、南から暖湿流が大量に流れ込んで、所処で強い雨が断続的に降り続いています。

今日3日には、引用図①より、前線を伴なった低気圧が四国沖へと進んで、当該低気圧の前側には南から暖湿流が大量に流れ込んで、強い雨の区域は、関東地方や東海地方へと広がりつつあります。

3日12時までの24時間に、静岡県や三重県の一部では、降水量が200㎜を超えています。

南から暖湿流が本州へ流れ込んでくる場合、上空3000m付近までの風向風速に注目しましょう!

◆地表付近~上空1000m付近にかけて、南から暖湿流が大量に流れ込んできる場合、本州の太平洋沿岸部などで、内陸部の相対的に気温の低い気流と衝突して、沿岸部中心に降水量がまとまりますが、

◆今回のように、地表付近から上空3000mまで、おおむね風向が同一で、風速も全般的に強めとなっており、特に、上空1500m付近で風速が40ノット以上(風速おおむね22m以上)となる場合、風向に直交する地形の斜面沿い(今回の場合、東~南東に開いた山の斜面にあたる地域)で、降水量が特にまとまるようになります

これに、引用図①と③④にて、低気圧の移動予想状況を見てみると、2日21時に紀伊半島沖へ、3日21時になっても関東地方付近へ達するように、低気圧の移動速度が極めて遅くなる様子ですね。

低気圧の移動速度が遅い+低気圧の前面には暖湿流が大量に流れ込んでいる と言う状態では、強い雨が長時間にわたって降り続くことにもなり、大雨災害がより一層発生しやすいといえます。

山梨県内では、前記した地形的特性を持つ地域、東部や富士五湖地域のみならず、西部の南アルプスス沿いの斜面沿いにあたる地域を中心に、大雨災害には要警戒ですね!