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5日未明から朝方、県内全域で濃霧

2016-12-07 00:14:06 | 日記
①12月5日3時の天気図 気象庁HPより引用


5日、前日夕方から、山梨県内では、気圧の谷の接近で、全域で降雨となり、翌5日未明には止みました。
その後、雨上がりの県内各地、濃霧が発生!中央自動車道など、所によっては、視界が100㍍未満まで落ち込み、勝沼ICから一宮御坂ICの上下線の区間などで
最高速度が時速50㌔に規制されました。各高速道路では、濃霧などで、視界が50㍍未満になりますと、通行止めを行いますので、これらの区間、通行止めのまさに一歩手前
の状態だったわけです。

この期間の県内では、引用図①より、県内周辺の等圧線は広がり、県内の地表付近では、風は弱めの様子でしたが、
甲府(海抜283㍍)と 河口湖(海抜860㍍)との、5日1時~6時まで気温と湿度の実況地を見ると、特筆するべき現象が発生しております。

②12月5日1時~6時までの気温湿度時系列一覧
ⅰ:は甲府 ⅱ:は河口湖 気象庁HPより引用

ⅰ:(甲府)
時刻 気温℃ 湿度%

1    8.3    92
2    8.5    92
3    8.5    92
4    8.1    92
5    7.4    94
6    7     94

ⅱ:(河口湖)
時刻 気温℃ 湿度%

1    6.9    99
2    7      99
3    7.9     99 
4    8.6     96
5    7.1    99
6    6.9     97


引用図②ⅰ.ⅱより、
この期間、甲府、河口湖とも、湿度は92%以上と湿潤で、甲府と、甲府より海抜で凡そ600㍍も高地にある河口湖との気温差は殆どなく、河口湖の方が若干気温が高い時間帯もあるほどです。

この原因は何でしょうか?


③12月5日3時と6時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図
ⅰ:は12月5日3時 ⅱ:は12月5日6時 気象庁HPより引用

ⅰ:



ⅱ:



5日3時、6時とも、山梨県周辺の上空1000㍍ 2000㍍ 3000㍍とも、概ね風向は西〜南西風で、気圧の谷通過後の寒気流入はなく、風速が凡そ10㍍毎秒と強めであり、暖気移流が盛んである状態でもあります。

このように、山梨県内では、上空1000㍍以上で寒気移流はなく、暖気移流が盛んな状態であるために、甲府と河口湖の気温差はほとんどなく、雨上がりの地表付近の湿った大気が澱んで、濃霧を発生したというわけです。

山梨県内では、未明から朝方の濃霧が発生する気象条件として(筆者調べ)

Ⅰ:地表付近は風速弱め

Ⅱ:地表付近の前日18時以降の湿度は85%以上

Ⅲ:甲府と河口湖の気温差がほとんど無し

以上3つを満たす場合。県内全域で、翌日未明から朝方、濃霧に見舞われます。交通機関はご注意を!!