①1月23日21時の天気図 気象庁HPより引用
②1月23日21時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用
③1月23日21時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
④1月23日21時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
↓
⑤1月23日23時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
日本付近の天気は、西から崩れると言うことは至極当然なことですが、こと、関東平野周辺に限っては、引用図①~⑤に示したように南から雨雲(雪雲)が広がってくることもあります。
この、変則的な関東地方周辺の悪天は、
本州上空を気圧の谷が通過する際に
ⅰ:高気圧が東海上に進んで、関東平野周辺には、南東~南海上より、暖湿流が流れ込む場合
ⅱ:冬型になって関東平野で季節風が吹いたあと、高気圧が移動性になって日本海から北海道の東海上に進む場合
この2通りのケースがあります。
ⅰ の場合は、低気圧が西から本州に接近するさいに、関東平野からは、低気圧はまだ離れているが、降水が早々と始まってしまうケースであり、
ⅱの場合は、冬型気圧配置時に、房総南東沖~伊豆諸島北部周辺に関東平野の地形的特性で、季節風のぶつかり合う箇所(東海地方から西または北西風と、関東平野からは北~北西風とがぶつかり合うようになります。)が発生し、当該箇所に発生する雲の帯が、西から本州上空に気圧の谷が進んでくるのに伴い、北側に雲の帯が盛り上がるようになるケースです。
ケースⅰ、ⅱとも、関東平野周辺だけに現れる局地的な気象現象ですが、ⅰの場合は、南~南東海上から暖湿流を呼びこむことで、ⅱの場合は、帯状に発生した雲の集団の所に、上空の気圧の谷の接近で、更に雲の活動を増大させる作用が働きますから、時には、局地的に雨雲(雪雲)として発達して、関東南部や東部などに思わぬ強い降水を、また、冬季ですと、神奈川県西部箱根周辺や静岡県東部伊豆などにまとまった降雪もたらすことも珍しくありません!
山梨県内では、前記ⅱのケースの場合、東部や富士五湖周辺でまとまった降雪となった事例(昭和61年1月21日~22日)もありますから、油断大敵ですね!