①3月25日9時の天気図 気象庁HPより引用
②3月25日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工
③3月25日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工
3月25日は、日本海を小さな低気圧が東進して夕方には東北地方へ進みました。
引用図①での、この、日本海にある小さな低気圧、実は、大変な厄介者なのです!
この低気圧、引用図②③より、低気圧を取り巻く雲の集団が渦を巻いたような形をしており、特に、当該低気圧の南側~西側にかけては、幾重に連なる筋状の雲の集団が見られ、水蒸気画像上では、この筋状の雲同士の間では、画像が明暗のコントラストが大きくなっていますね。
こういう雲の集団を示す低気圧は、上空に寒気を伴っており、特に、南側~西側にかけては、低層から中層にかけて、上昇流と下降流とが相互に強まっている状態を示すもので、こういった箇所では、突風を伴っているのが通常です。
どのくらいの風速の突風になるか?と言えば、当該低気圧周辺のおよそ上空3000m付近の風速程度になると考えて良さそうです(筆者調べより)。25日9時現在、当該低気圧に隣接する石川県輪島の上空3000m付近では、43ノット(およそ風速23m程度)を観測しております(高層実況より)。
また、この突風は、低気圧の進行方向に伴って移動する傾向があります。
25日の事例では、未明から明け方にかけて、中国地方や四国地方の一部、昼過ぎには北陸地方周辺、そして、夕方には、東北地方の宮城県平野部周辺で、平均風速15m~20m程度の強風が所処で吹き荒れて、山口県や宮城県の一部には、一時、暴風雪警報や暴風警報も出され、宮城県名取(仙台空港)では、17時44分に、平均風速の最大で20・8mを観測しました。
山梨県内では、25日は、風はさほど強くなりませんでしたが、前記のような低気圧が日本海中部から東北地方を南東方向へ横切る場合、県内では、甲府盆地周辺を中心に強風となりやすくなります。この点、ご留意ください!