郡山に安積永盛という小さな駅があります。ロータリーも商店街も無い小さな駅です。
その駅から歩いて2~3分の所に、うっかりすると見落としそうな、いえ探し歩いても見つけられないようなホントに目立たない地味なカフェがあります。
次男が郡山で一番好きだというカフェ、ニジョウヒピン。
ここで、彼と待ち合わせです。
次男を待つ間、チェーホフの「桜の園」を読みながら、ほっこりと紅茶をいただく。
茶葉はロンネフェルトのモカルバリエ。アッサムのしっかりとした味と香りが広がる。
幸せだなぁと思うひととき です
白くペイントされた、ひび割れが入った柱、高さはあるけどトタンが丸見えの天井。
電気のコードはむき出しで、腰掛の座面のビロードは所々薄くなっていたりするのですが、どれも手入れが行き届き大切に使い込まれたものばかり。
磨き上げられた床は、とろとろと柔らかく光って靴のまま歩くのが憚られるほど清潔です。
ニジョウヒピンの建物は、オーナーが約2年をかけてコツコツと手作りしたカフェです。
全てが懐かしくて、温かくて、心地よい空間。
ニジョウヒピンがまるで隠れ家のように感じるのは、その場所と佇まいのせいかも知れません。
建物の風貌は、見ただけでは誰もカフェとは気付かないし、人通りもあまり多くない場所にひっそりとあります。
ほら、この建物がカフェだとは思わないでしょう。
初めてのときは、間違えてないかしらと、恐る恐る引き戸を開けました(笑)
ozさん作