京都・環境ウォッチ

いま京都で起こっている環境問題、自然環境の変化などにかかわって、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

これはひどい。京都市の防災対策総点検(中間報告)-原発事故対応について

2011年08月30日 | 原発ゼロ
29日に発表された「京都市の防災対策総点検-中間報告」を読んだ。
その中の「原子力発電所事故等に関する対応」について
いくつかを抜粋します。

「今後、京都市で大規模地震が発生し、同時に若狭地域の原子力発電所で事故が起こって、福島第一原発で起こったような複合災害が起こるリスクはかなり少ないというのが、原子力の専門家の見方である」
京都と同時発生で若狭で原発事故が起こると変な条件をつけて
「複合災害が起こるリスクは少ない」というのが、専門家の見方と逃げている。
そんなら、若狭の原発付近で大地震が起こり
原発が今回のような大事故を引き起こす可能性は?
京都市の防災計画は、これをしっかりと考えないとダメでしょう。

さらに、京都市民の命の水ー琵琶湖の汚染について
原発事故で放射性物質が降ってきても
「琵琶湖の水量が非常に多いため、水中で希釈される」と平気で書いている。
これってなんだ?

もう少し多めに引用する。

「琵琶湖の水の放射性物質による汚染に関しては,仮に琵琶湖方面へ放射性
物質が飛散したとしても,琵琶湖の水量が非常に多いため,水中で希釈され
る。さらに,水道原水の放射能測定を定期的に実施し,水道水として供給さ
れる前にろ過等の浄水処理を行っている。ただし,浄水処理により発生する
汚泥への残留や淡水性魚類への蓄積等には注意を払う必要がある。」

この件を京都市に問い合わせたところ、
「物理的にそうなると言っているだけで、それで大丈夫とか言っているわけでない」
琵琶湖の水で薄まるとはっきり書いておきながら
弁解になっていません。

これに先立って、
7月13日に「京都市防災会議専門委員会」が開かれたのだが、
(議事録が出ています)
本当にひどい。
琵琶湖の汚染について
下記は、専門委員会での古賀特別委員の発言です。

古賀特別委員(元近大教授 放射線管理工学):「びわ湖は非常に大きいので水量で希釈されるということがありますので、水源としての琵琶湖というふうに考えると、今、福島なんかで海水のことと同じように考えてもらって、希釈されますし。これは専門ではないのですが、水道(水)にする前には色々とろ過装置であるとかそうゆうふうなことがありますので、今のそうゆう浄水場の土の方にほとんどが残って、水道水として出るときには非常に希釈されているというふうには考えます」
 
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広島原爆168個分

2011年08月27日 | 原発ゼロ
原子力安全保安員は26日、
「東京電力福島第一原発1~3号機と広島原爆から、
それぞれ大気中に放出された放射性物質の核種ごとの試算値を公表した」とのこと。
その結果、
「セシウム137の放出量は、福島第一原発が15000テラベクレルに対し、
広島原爆は89テラベクレルだった」とのこと。
『それぞれ大気中に放出された』放射性物質
では、地中、海中はにどれだけ放出されているのか?
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ナラ枯れ防止ー爪楊枝打ち込みの効果は明らかです。

2011年08月26日 | ナラ枯れ
この間「ナラ枯れ」関係で二つのシンポジウム・学習会に参加しました。
いろんな意味で、なかなか興味深い企画で出会いもありました。
一つは、20日の「第4回森と生きるキャンパスフォーラム2011in立命館」
ナラ枯れの特効薬は何か?というテーマで行われました。
フォーラムの目指す全体像は、思いと一致する方向だったように思います。
ナラ枯れの原因は、森全体が抱える大きな環境悪化の中で捉えるべきではないか!
そんな問題意識から、
ブナ科以外の木々の枯死や
森の土中の生物たちの変化にも注目する必要があるのではないか
討論の中では、こんな感じの発言がいろいろ出されていました。

私も、この間の吉田山での爪楊枝打ち込み作業の傍ら
集めてきたデータの一旦をフロアから紹介しました。
「カシナガが大径木を好む」ということについて
これは観察してきた事実とは異なっており、初アタックから3.4年後には
そのエリアのコナラやアラカシなどアタック対象木が
ほぼ100%攻撃を受けるること
それは、カシナガが異常に大量発生しているからで(でなければ100%の樹木を攻撃しどんどん枯らしていくことはない)
その「異常」の要因を考えることが大切という中身です。
「虫」についての発言が続いたという声もありましたが、
私の主旨の根本は、虫と木のバランスが崩れ、
大量発生してしまっている環境について考えようということです。
爪楊枝使用によるナラ枯れ防止にも触れましたが、
小林正秀氏から「爪楊枝は効果がない。吉田山は京都で一番ひどい枯れよう」との反論
がありました。
再反論しようと手を挙げたのですが
岸井(成格)さんには差してもらえませんでしたので
シンポ後の交流会で発言しておきました。

小林さんには「論文に書いて」と言われました。
ブログではデータを出しているので
「ちゃんと言ってくれないと困る」と苦言を呈しておきましたが
考えてみると、
06年から09年の爪楊枝打ち込みによるコナラの枯死率の大幅低下は
ここでもデータを出していますが
10年のデータはまだ出せていません。
昨年の吉田山の惨状はひどく
やはり吉田山(爪楊枝)でもダメかと思われても、仕方ないかもしれません。
10年のデータは早くだしたいと思います。
(概数は、新被害木440本、枯死木122本ですが、この中身の解析と伴わないと意味を失いますので、取り合えずこの「概数」だけ出ているということにしておいて下さい)

下記は06年~09年の爪楊枝打ち込みによる枯死率低下のデータ

<06年から09年の吉田山でのコナラ・アラカシなどの生被害木・枯死木の推移>
    新しい被害木 枯死木    枯死率
06年    8     1      12.5%
07年    30     2(別要因で1)6.6%
08年   126     3       2.5%
09年   475     39      8.2%
                   
<ナラ枯れによる枯死率についての
同じ時期にナラ枯れが始まった吉田山と北白川瓜生山登山道登り口付近の
コナラの枯死率(06年度から08年度)も比較しました>
●北白川瓜生山:全コナラ被害木における枯死率-(34,0%) 49÷144
●吉田山   :     〃        -(3,9%)  5÷128

以上はこれまで紹介してきたことです。

さらに、被害木・枯死木が増えた09年の枯死について整理しました。
以下は、月別の枯死数を示していますが、
爪楊枝打ち込みを行ったものと打ち込みが間に合わなかったものを見てください。

樹種:コナラ
  打ち込みなし 打ち込み有り    
6月    0      1        
7月    9      4         
8月    9      0        
9月    5      5        
10月   4       0       
その後  2       0       
合計  29本      10本     
39本の枯死木のうち、爪楊枝の打ち込みなしは29本枯れており
打ち込まれたものの10本を大きく上回っています。

取り合えず、ここまで。
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若狭原発日帰りツアー

2011年08月12日 | 原発ゼロ
8月2日、いいまちねっと東山が行った
「若狭原発日帰りツアー」に同行しました。
原発のPR館を見たあと、明通寺の中嶋哲演住職のお話をうかがったのですが
住職の講演は、参加者に強い感銘を与えました。
以下は、参加者の感想の一部です。

・・・・・
<感想>から
・ニュース等で原発の事は判っている様に思っていたが何か本当か解って来た。お寺での講和、バスの中での先生方の説明賢くなった。つくづく原発はいらない。出来るだけ早く無くす様に頑張りたい。
・タイムリーな企画で原発の事よく分かり有意義な一日でした。明通寺の住職さんのお話、すばらしいお話でした。子どもたちに安全で平和な時代を残すため、私達の今出来ること原発を全部止めること、死の灰をどうするか、考えさせられました。又勉強させて下さい。
・聞けば聞くほど学べば学ぶほど本当に恐ろしく思いました。でも本当のことが知らされていない現実、知らせようとしない体制に目を向けていかなければと実感しました。
・PR館で聞いていると、原発は安全ではないかという気にさせられてしまいそうでしたが、明通寺の中嶋住職の話に圧倒され子どもたちの未来に原発を残してはいけないという思いを新にしました。
・色々わかったつもりでいたものの改めて見るにつけ、聞くにつけ原発はなくさなければいけない思いを新にしました。ほんとにルール無き資本主義そのものですね。戦いを強めましょう。
・原発については色々知っているつもりでしたが、改めて恐ろしさを再確認できました。原発の停止を求める声を広く大きくしていく行動をとる事が必要だと強く思いました。被爆者が増え続けている死の灰を生産し続けている事をもっとみんなに知ってもらいたいと思いました。
・やはり参加してほんとうに良かったです。明通寺にも行かれてよかった。中嶋住職さんの話は地元のこんな所にこんなに強い住民の方がおられるということ、とても心強く思いました。うれしさ、何か満ち足りた気持にまれました。私も少しでも頑張ろうという気持を改めて強くしました。
・知れば知るほど原発のおそろしさにびっくりです。エルパークおおいはもっと近くまで行けると思っていたので残念でした。きれいごとばかりであれでは騙されると思います。明通寺の住職さんの話はもっと時間がほしかった。最後に話された運動の中での嫌がらせなど反対運動の姿がかいまみれて心に残りました。
・京都に来て参加したものの中で最高のものだった。哲演氏の小浜のたたかいの歴史を学んだ。95歳の哲演氏のお母さんと話したこと、40年来の友達が来てくれて小浜の戦いのことも聞いた。地域住民の戦いこそ真の力だ。それと海の汚染は許せない。実行委員のみなさん、ありがとう
・原発に疑問をもつことや反対知ることをイデオロギー問題にすりかえられてしまったことや、核兵器や原発を反対する側も分裂し弱体化していったことの反省の上に立って、大きな共同で一歩ずつ核から遠ざかる一致点をつくる運動をしなければと思った。
・明通寺の住職さんの原発がなくなったあとの地域経済をどうするかという見通しをもった目でみておられることに、原発導入をはじめから許さない戦いをされてきた心の大きさにうたれました。
・世話人の皆様ツアーのスケジュールを中味豊かにつくって下さいましてありがとうございました。中でも明通寺住職さんのお話は実践に裏付けられていて感銘を受けました。自分も出来ることで運動をしていこうと決めました。署名で今日まで学んだ事を話していきます。
・明通寺の住職さんのお話、リアルな運動の話が聞けて良かったです。バスの中もお菓子やビールまで用意していただき、とても楽しく過ごせました。原発の見学と両方というのが面白かった。欲を言えば帰りにお魚を買えると良かったのになぁ・・
・御世話になりました。諸準備に感謝しております。大変刺激的な旅行でした。「原発銀座」をかかえる京都の役割は大だなと改めて思いました。私なりの立場から頑張りたいと思います
・原発があるだけで原爆被害者が出ることがわかった。質問をしたかったが機会を逃してしまった。どのように要点を説明し反原発にしたらいいのだろうと思っている。今日のツアーに参加して本当によかった
・国宝明通寺を見学でき、又わかりやすいお話でした。大切なのは今後どう原発をなくす運動をすすめるのか、沢山の人々にわかってもらえる様に運動を進める必要を強く思いました。クイズの度に説明をしていただいてとてもよかった、景品も楽しめました。準備大変だったと思います。今から原発の資料を読むのに興味がわきます。

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