京都新聞(25日付)夕刊で、養老孟司氏が書いている。
氏は時々このテーマに触れているが
感情的な文章だな、と思った。
「私はそう思っている」、が多い。
この文章を読む限り、氏は「温暖化」は認めている。
しかし、「CO2の削減」には、胡散臭さを“感じている”。
氏は「本当に炭酸ガスによる温暖化が心配なら、元を断つべき」と主張している。
なのに「生産制限」をせずに、
それでなくても、
「たとえばガソリンの値上げなど「明らかな手段をとらず、大声でただ消費制限をいうのは、宣伝に決まっている」ではないか、と。
そう、これは経団連などの「宣伝」で
彼らは、「元で断つ」ことから逃げようとしている。
氏の「論」は、だから・・・と話が進んでいくが、
この前段で誤解があり、
(ズバリ言えば「認識」が違っているので)
だから、議論がずれていく。
ドイツなどでは、ガソリンの価格を、使いにくいように上げている。
私たちは、省エネの宣伝ではなく、「元を断つべき」と主張している。
元とは、生産と、エネルギーを作るおおもと。
大量に炭酸ガスを出す石油や石炭によるエネルギーづくりのおおもとが縮小・削減されるように
生産者のレベルで削減する仕組みを入れよ、と訴えている。
「石油や石炭によるエネルギー作りは明らかに生産制限する」方向だ。
日本のCO2などの排出量の半分は
石炭や石油を燃やす発電所や鉄鋼、化学工業やセメントなど約200社から出されている
ここでの、生産の仕方(エネルギーの作り方)が変われば
また、例えば、太陽や風力、地熱などからのエネルギーを
生産・利用する方向に大きく転換されていけば
心配な炭酸ガスを大幅に減らすことが出来る。
そんな仕組みを入れて、元から断とうと運動している。
使用の最末端で「省エネしよう」というのとは違う。
ガソリンの価格を上げる「炭素税」も導入しようと提案している。
だから、「欧米による世論のコントロールだ」と飛躍する前に
「地球温暖化対策」の、あちこちの風景を眺めてほしい。
そうなれば、養老さんとの壁はなくなると思う。