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京都・環境ウォッチ

いま京都で起こっている環境問題、自然環境の変化などにかかわって、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

住友重工の「ごみ焼却灰溶融施設」ートラブル続出で、このままなら廃炉

2012年08月08日 | ガレキ・ごみ・放射線
本日の京都新聞26面
ずっと問題であり続けている京都市の「ごみ焼却灰溶融施設」について
「来夏に未完成なら工事契約解除」の京都市方針を伝えている。

以下、京都新聞記事・・・・・

京都市は7日、トラブル続きで完成が遅れている伏見区のごみ焼却灰溶融施設について、2013年8月末までに施設が完成しない場合、工事を請け負う住友重機械工業(東京都)との契約を解除することを明らかにした。

溶融施設はごみの焼却灰を高温で溶かし、半減させることができる。埋め立て処分場の延命に向け、市は114億円で同社に工事を発注、10年6月からの稼働を予定していた。

しかし、完成前の試運転で基準値を超えるダイオキシンが検出されたほか、溶融炉内の耐火れんがに亀裂が複数見つかるなどトラブルが続出。市会から「契約破棄を考えるべき」などの声が相次ぎ、昨年11月に門川大作市長が同社の中村吉伸社長に総点検するよう求めていた。

同社は施設内の処理機器852台中、30台を見直すことでトラブルが回避できるとする改善策をまとめ、13年8月末までに施設を市に引き渡せなければ、契約解除に応じるとする文書を市に提出。契約が解除された場合、施設解体など費用すべてを同社が負担することで合意した。計画では12年中に改善工事を終えて年明けから試運転を始め、13年9月から稼働を目指す。当初より3年3カ月遅れとなり、改善工事費は同社が負担する。

市環境政策局は「埋め立て処分場を長く活用するために必要な施設で、一日も早く稼働させたい」としている。
・・・・・・

この間
あちこちの産業廃棄物処理工場の進出問題などで相談を受けることがあり調べてみたが
こうした処理施設について「試作品」的な色合いが強いなと感じた。
かなりの有力なメーカーでも
運転してみたら「基準以上のダイオキシンが発生」
最初は、「ゴミの扱い(投入量)がムチャクチャで、マニュアルもない」と改善をはかったがそれでは解決にならず、
次は「ゴミに含まれる水分量が考慮されていない」と実験してみたが、逆に水分量が少ない時の方がダイオキシンが多く発生、テストは混迷
結局、炉内の温度変化を計測場所も増やしてゴミの焼却現場でのリアルタイムでの温度チェックを行い「ダイオキシン問題」をクリアしたが、
この時に
「ゴミ」は焼却問題においても、非常に多様な生きた現象だと学ばせてもらった。

いづれにしろ京都市が住友重工に発注して作らせた「焼却灰溶融施設」
運転されたとしても市民の税金をむさぼり食うようなものになる。
欠陥施設は二重の意味で、廃炉にしてほしい。

これは、読売新聞の誤報ー「がれき受入れ『京都だけ』に」

2012年07月04日 | ガレキ・ごみ・放射線
本日の「読売」京都面
昨日、京都新聞報道の「震災がれき 岩手、宮城めど」の環境省の発表に関わって
「がれき受入れ京都だけに」「府内処理 国、他の自治体要請撤回」の記事を載せた。
リードの最後に
「・・・岩手、宮城両県のがれき処理にめどが立ち、受け入れ量の少ない自治体の協力が必要なくなったという。府内での受け入れは、ゴミ焼却施設の余力が年5万トン近い京都市だけになる見通しだ」と

読売新聞京都支局に電話した。
「京都市は受け入れを決めているのか」
「少し調べてみます」
その後、電話があり「京都市は検討中です」
「そしたら、記事は、『府内での受け入れは・・・京都市だけになる』見通しとあるが、これは間違いではないですか?」
電話で対応してくれた人は、この記事を書いた本人(藤本将輝記者)ではなかったので、「そうですね。デスクと記者にそうした意見があったことを伝えます」と少し困った様子だった。
これは「誤報」
なぜ、まだ決めてもいない京都市が「がれき受け入れ京都(市)だけに」となるのか。
しかも、この記事の筆者欄には
(まとめ、藤本将輝)とある。
「まとめ?」って何?

読売新聞さん、ちゃんと応えてほしい。

「震災がれき 岩手、宮城めど。舞鶴・京丹波 処理見送りへ」ー京都新聞

2012年07月03日 | ガレキ・ごみ・放射線
本日の京都新聞一面に「震災がれき 岩手、宮城めど。舞鶴・京丹波 処理見送りへ」の記事

理由は、「岩手県と宮城県のがれき処理のめどが立ちつつあるため」

「環境省によると、岩手県のがれきはほぼ処理のめどがつき、すでに処理を始めた東京都や試験焼却を終えた北九州市などの自治体以外では、受入れに向けた調整を当面見合わせる」
「宮城県のがれきも可燃物の圏内処理の体制が整う見通しで、年間数万トン単位で処理できる自治体に受け入れ先を絞る」とのこと
「政府は、7月中に震災がれき処理の全体計画を見直す方針を決めている」とのこと
(以上、7月3日、京都新聞)

関連する文書が環境省Hpに出ています。

「災害廃棄物の広域処理の調整状況について」 環廃対第120629003号 環境大臣細野豪志) http://kouikishori.env.go.jp/news/pdf/20120629b.pdf

要するに、この間、震災がれきは被災県の一般廃棄物排出量の約11年分(岩手県)、
19年分(宮城県)と言ってきたが、
がれきの中身をよく見て、その処理を具体的に検討したら
「不燃物」は、泥まみれで燃やすことなど出来ず、「広域処理」など実際上、非合理的
「埋め立て」などということになったら、量が甚大で当然経費も沢山かかり、
やろうと思えば、自治体・地域・住民との間で必ず問題化する。
それを解決するのに5年も10年もかかったら、何をしているのかわからない。
非現実的な方針となってしまう。

この件で、京都市や京都府、環境省に電話した。
環境省の「広域処理に関する電話窓口」はこの文書は知らなくて、
とりあえず、岩手県の県内のごみ処理能力が(2343トン/日)だけ教えてもらった。
(ちなみに、宮城県の処理能力は4500トン)。

京都新聞で、京都市の名前が出ていないことをあちこちで聞いたが、
まず京都市が受け入れるかどうか決まっていない、だからその量もわからない
そのため、「年間数万トン単位で処理できる自治体」に入るかどうかもわからない
ということで名前が出ていないのではないかとのこと。

こんな実態なのだから、京都市も、
もう京都市での「広域処理」は必要ないと早く結論を出すべきだ。

「焼却灰 受入れ困難」大阪フェニックスが見解

2012年06月30日 | ガレキ・ごみ・放射線
本日の「毎日」
「『大阪湾フェニックス』を運営する大阪湾広域臨界環境整備センターの定例理事会が29日開かれ、センターの事務局は『施設面や法的な課題が多く、受入れは困難』との見解を示した。」
▼理事会で、事務局からは
「地元自治体との調整など法的手続きが必要(尼崎、泉大津)」
「陸域部の地盤沈下が激しく、将来的に水と接触する可能性がある(神戸)」
「処分場の大部分が水域で、水と接触させずに埋め立てるのは困難(大阪)」と報告がされたとのこと


震災がれき広域処理 こう考える⑤

2012年05月30日 | ガレキ・ごみ・放射線
毎日新聞23面の連載
今回は「人体に影響のないレベル」が大きな見出し

ー「放射性物質を含んだがれき処理への不安は強い」の問いに

「がれきそのものについては・・・・通常の家庭ゴミと同じように扱えます。懸念は焼却と埋め立てでしょう。焼却炉ではバクフィルターで放射性物質をこし取ります。福島での実験では除去率は少なくとも99.92%。仮に残り0.08%が大気に放出されても、拡散希釈されて人体には影響のないレベルです。関西の最終処分場は大阪北港と堺市沖などが想定されていますが、埋め立て方法が決まれば国が個別に安全性を評価することになります」と

「福島での実験ー除去率は少なくとも99.92%」について、環境省近畿地方環境事務所廃棄物・リサイクル対策課(06-4792-0700)に出典を聞いてみた。
出典は、環境省が行った東日本大震災の「第11回災害廃棄物安全評価検討会資料」
(環境省のHpから東日本大震災への対応。災害廃棄物安全評価委員会→「第十一回災害廃棄物安全評価検討会」資料について→5/7 [PDF:2,607KB]の資料9)

読んでみると、バクフィルターの直前と直後でセシウム134.137を計測しており、その結果が数字となっている。昨日の「「第一回京都市災害廃棄物広域処理に係る専門家委員会」でもこの数字が報告されている。

もう一度、環境省近畿事務所に電話して聞いてみた。
「このデータはわかりましたが、これは最初の持ち込みゴミ(例えば1トン)に含まれるセシウム134.137の量を測って、その収支を主灰、飛灰、排ガスなどで出したものではないですね。」
「そうですね」とのことだった。
要するに、99.92%はバクフィルターに排ガスが入る直前と直後の収支。

ゴミに含まれる放射性物質の量を計測し、全体の収支を明らかにする事は
「それは連続的処理の中で、出来ないのでは」という話だった。

放射性セシウム全体の収支が明らかになっておらず、不明のセシウム134.137があると指摘され、不安の声が出されていることを伝え、
そうした計測をしてほしいと要望しておいた。
「本省に伝えます」との事。

いづれにしろ「不明」の分があることは明らか
電話に出られた方は
「炉内に付着しているのでは」と話されていたが、
それはそれで問題となる。
いづれにしろ、「除去率99.92%」を一人歩きさせるべきではない。

昨日の「京都市災害廃棄物広域処理に係る専門家委員会」
こんな質問も出ないで、スイスイと進んで行っていいのか?
「専門家の”科学的知見”」って、あの程度なの?

「クロマグロから微量セシウム」検出ー米西海岸で捕獲

2012年05月29日 | ガレキ・ごみ・放射線
昨日の各紙で上記の記事。

「カリフォルニア州沖で取れたマグロ15匹から、放射性のセシウム134が筋肉1kgあたり平均4.0ベクレル検出された。普通、太平洋の海洋生物や海水からセシウム134は検出されない。やはり放射性のセシウム137が微量検出されるが、昨年とれたクロマグロの測定値は平均値よりやや高い1キロあたり平均6.3ベクレルだった。チームは福島第一原発から放出されたものと見ている」(毎日)

本日の京都新聞
「原発沖の魚 なお高濃度」
東電発表で
「福島第一原発から20㌔圏内の海域で採取した魚介類から、最大で1㎏当たり1880ベクレルと高濃度の放射性セシウムを検出」
「最も高かったのは5月2日に採取したシロメバル。同様に海底近くにすむスズキが同1610ベクレル、ババガレイが同1260ベクレル、ヒラメが同1190ベクレルと高かった。国が定める新基準値である同100ベクレルを超えたのは13種類の魚だった」

がれき問題が起きてから、現在の京都市のごみ(一般廃棄物、3.11以降)焼却後のセシウム134.137濃度と比べる癖がついてしまった。
京都市のごみ焼却後の放射能濃度は最大で10~23ベクレル/㎏
この場合、ごみに含まれる放射性物質は、灰になり33倍化している。
この数字と比較すると
原発沖の魚の放射能濃度はいかに高いか!
焼かれて濃縮された京都市のごみの、81倍から188倍となっている。

5月29日、京都市のがれき持ちこみに関わる「専門家委員会」

2012年05月18日 | ガレキ・ごみ・放射線
京都市へのがれき持ちこみに関する
「第一回専門家委員会」が開かれます。
京都市議会「くらし環境委員会」に「資料」が配られました。(共産党市会議員団より)

京都市は、2月市議会の
「安全な最終処分地を確保することを条件に、関西広域連合の示した基準を参考にして安全と判断される災害廃棄物の早期受入れを検討する」決議(自民・民主・公明・京都・みんな・無所属)をテコに
「関西広域連合の『広域処理の統一基準』」にもとづいて、がれき受入れを前に進めようという方向です。
「専門家委員会」は、その「基準」や「安全性を検証」しようということで開かれますが、こうゆう会議は、「別室」でなく「生」で見たいですね。

・・・・・・・・・・
日時:5月29日(火)午後7時から
場所:キャンパスプラザ京都2階 第2会議室
出席委員:浅利美鈴(京都大学環境科学センター助教)
     遠藤啓吾(京都医療科学大学学長)
     武田信生(京都大学名誉教授)
     春山洋一(京都府立大学教授)
     福谷哲(京都大学原子炉実験所准教授)
     松本智裕(京都大学放射線生物研究センター長)
議題:本委員会の進め方、災害廃棄物の受入れの考え方について、その他
一般傍聴は、別室でモニターによる視聴ができます。午後6時半から4階受付で手続き。定員は170名。インターネット生中継も行うとの事 


京都で、ガレキ「広域処理」を考える

2012年04月30日 | ガレキ・ごみ・放射線
昨日、市原野で行われた
がれきの広域処理を考える学習会に参加した。
今回、二回目。
参加者は、若いお父さん・お母さんや若者たちが目立った。
少し早めに出なければいけなくなり、途中で退席したが
入口にいた若者たちと話したら、大原や近くで農業をしているそうだ。

そこでも紹介したのだが、「ごみから出される放射能」について少し書いてみたい。

・・・・・・・・・・・

①、京都市のごみ(一般廃棄物)から出る放射能は?

「一般廃棄物処理施設における放射能濃度測定結果」という資料がネットでも検索できるが、これが現在のところ唯一のデータで、

            測定日       空間線量率(敷地境界)  
東北部クリーンセンター 11月1.2日(2011年) 0.06(μsv/h)
北部クリーンセンター  11月7~9日      0.04 
南部クリーンセンター  11月10.11日      0.05
東部クリーンセンター  10月25.26日      0.03
東部山間埋立地     11月16日       0.06

      飛灰(セシウム134 セシウム137)セシウム計(Bq/kg) 
東北部 〃     9     14     23
北部  〃     4      6     10
南部  〃     6      8     14
東部  〃     6      5     11 
 *上記では、主灰・排ガス・下水道放流水・汚泥からは「不検出」
 *「主灰」とは、焼却炉から輩出される燃えがら、「飛灰」とは燃焼時の排ガスに含  まれるばいじん(ダスト)です。
東部山間埋立地の下水道放流水・汚泥・地下水からは「不検出」

この数字を伝えたら、「えっ?京都のごみからも、放射性物質が出てるん?」と
ちょっと驚き、の反応も・・・
確かに、京都の普通のごみからも出てます。
当然、この数字は、2011年3.11以降の数字ですから、それ以前はもっと低かったはず


②、次に、東京のごみの焼却からは、どれぐらい出ているか?
この数字には驚きました。
「都内一般廃棄物焼却施設における飛灰等の放射性物質等測定結果について」という資料(2011年9月8日)を、東京都環境局が出しています。(測定日は、2011年7月です)

施設名称    飛灰    主灰  敷地境界空間線量率
中央清掃工場 1846   141   0.18
港  〃   2048   144   0.16
北  〃   1776   161   0.19
品川 〃   1222   273   0.16
目黒 〃   2580   138   0.14 
大田 〃   3890   254   0.16 
多摩川〃   1742   254   0.14
世田谷〃   3110         0.14
千歳 〃   2780   206   0.15

*それぞれ、セシウム134と137の合計です。また、世田谷については、主灰はプラントの特性から、「排出されない」と記されていました。

京都では、共産党市会議員団などが、がれきなどの処理は「京都市の通常のごみ(の放射能濃度)以下でないとダメ」と訴えていますが、この数字を見ると、
多分「東京の普通のごみ」を京都で燃やしても、
京都の通常のごみのレベルの53倍から169倍の放射能(放射性物質を含んだ灰・排ガスなど)が出るのは間違いありません。(一番数字の高い京都市の東北部クリーンセンターとの比較)

③、東京都では、宮城県女川町のがれきを東京都のごみと混ぜて「試験燃焼」を行っていますが、そのデータが
「東京23区清掃一部組合が行った宮城県女川町のがれき試験燃焼の結果」(2012年1月31日)に出ています。
これは、女川町のがれきを全体の18.8%だけ東京の一般廃棄物と混ぜて、大田工場で試験燃焼させた(2011年12月13日)ものです。(同様に、品川工場でも行っています)

        混合ごみ焼却   大田工場測定値
                (2011年6月~12月) 
主灰       99        81~254
飛灰処理汚泥  1537       1736~3660
飛灰      2440       2135~6530  
汚水処理汚泥  不検出      不検出~40

これは一目瞭然で、東京の一般廃棄物に女川町のがれきを20%混ぜて燃やしても
現在東京で燃やしているごみと”同じような”数字が出るということ
東京都は、「基準値8000Bq/kg」なので”基準”以内という事ですが、
この「基準」が異常に高すぎる。
8000と言えば、京都の347倍
この「日常」は、本当に真剣に考えなくてはならない。

④、最後に、京都に運び込まれるかもしれない岩手県の一般廃棄物の焼却データについて
全データは岩手県のHpでご覧下さい。
海沿いの宮古と釜石、そして盛岡市と一関についてです。

               飛灰  主灰
盛岡市クリーンセンター    110  不検出 (2012年3月9日)
一関清掃センター       2900  187  (2012年3月1日)  
宮古 〃           156  不検出 (2012年1月12日)
岩手沿岸南部クリーンセンター 310      (2012年2月24日)
 (釜石など)
*単位は同じ。セシウムは134.137の合計

同じ場所での昨年のデータです。
               飛灰  主灰
盛岡市クリーンセンター    980   112 (2011年7月5日)
一関清掃センター      26000   1640 (2011年7月5日)  
 〃            30000   1550 (2011年7月22日) 
宮古 〃           240    40 (2011年7月21日)
岩手沿岸南部クリーンセンター 1128   30(スラグ)(2011年7月5日)

京都に運ばれるかもしれない「がれき」は、
当然、こちらの数字に近いのではないかと思います。