第一章 古事記はどのように研究されてきたか
古事記への6つの迫り方を紹介している(略)
そのうち著者は、第6の
「縄文・弥生期から紀元後500年代くらいまでの<古代の古代>の『古事記』登場以前の無文字時代のヤマト族の古層のことば表現を、中国少数民族・オキナワ民族などの口誦のことば表現を素材として作ったモデルから推測する方法」を採る
「『古事記』を、<古代の古代>の古層と、600~700年代<古代の近代>の新層・表層とに腑分けしながら読む」
(古事記は、日本語言葉をそのまま文字であらわすものではなかった。半分、外国語で表現するようなもの。その文字であらわすことに慣れていない時代の産物。だから、当てる漢字も意味が不明、あるいは”遠い”ものも当然ある。この発見は助かった。あの神々の文字で表された名前、意味不明で苦痛だった。漢字で表現された名前が頭に入って来なかった。しかしこれは、カタカナで「読んだ」ら頭に入ってくる)
(沢山の空想が湧く。それは誰のために必要だったのか。以前からずっと「口誦」は大切なものだった。それを受け継ぎながら、それがある意味で別のものに変えられていく)
600年代の編纂事業
「『古事記』の・・・かなりの部分は、すでに文字で記録されて大和朝廷の資料集積所のようなところに集められていた神話・物語資料だったのであろう」
「これらは以下の記事によれば、いわゆる『大化の改新』の戦闘の際に焼失したようだ。・・・その内の『国記』だけは焼失を免れたとある」
稗田阿礼の役割
「文字で記録されていたものの中で特殊なヤマト語の訓みを聞き書きして記録し、また口誦のメロディー・リズムなどが伝わっているものの場合はそれを聞いて現在の録音に近い状態で記憶する」
古事記は完成まで、わずか4カ月
「文字記録資料群などを・・・目の前に揃えて、それらを・・・よく吟味して取捨選択し<たった一つの神話>にまとめあげた」
「『古事記』は「高天の原」やタカミムスヒという、天皇氏族の根源にかかわる他界や神々については、なんとしてでも世界の始まりをかたる冒頭に置くべきだという意志を示した。特に「高天の原」は、『古事記』に登場する根の国、黄泉の国、妣の国、常世、海神の国という他界群と比較すると、天皇権力の神聖化・絶対化と直結する他界であるから、それを世界の始まりの位置に据えたのは、極めて政治的な色彩の濃い構成意識」
(当時、何らかの理由で、”突貫作業”だったのだ)
古事記への6つの迫り方を紹介している(略)
そのうち著者は、第6の
「縄文・弥生期から紀元後500年代くらいまでの<古代の古代>の『古事記』登場以前の無文字時代のヤマト族の古層のことば表現を、中国少数民族・オキナワ民族などの口誦のことば表現を素材として作ったモデルから推測する方法」を採る
「『古事記』を、<古代の古代>の古層と、600~700年代<古代の近代>の新層・表層とに腑分けしながら読む」
(古事記は、日本語言葉をそのまま文字であらわすものではなかった。半分、外国語で表現するようなもの。その文字であらわすことに慣れていない時代の産物。だから、当てる漢字も意味が不明、あるいは”遠い”ものも当然ある。この発見は助かった。あの神々の文字で表された名前、意味不明で苦痛だった。漢字で表現された名前が頭に入って来なかった。しかしこれは、カタカナで「読んだ」ら頭に入ってくる)
(沢山の空想が湧く。それは誰のために必要だったのか。以前からずっと「口誦」は大切なものだった。それを受け継ぎながら、それがある意味で別のものに変えられていく)
600年代の編纂事業
「『古事記』の・・・かなりの部分は、すでに文字で記録されて大和朝廷の資料集積所のようなところに集められていた神話・物語資料だったのであろう」
「これらは以下の記事によれば、いわゆる『大化の改新』の戦闘の際に焼失したようだ。・・・その内の『国記』だけは焼失を免れたとある」
稗田阿礼の役割
「文字で記録されていたものの中で特殊なヤマト語の訓みを聞き書きして記録し、また口誦のメロディー・リズムなどが伝わっているものの場合はそれを聞いて現在の録音に近い状態で記憶する」
古事記は完成まで、わずか4カ月
「文字記録資料群などを・・・目の前に揃えて、それらを・・・よく吟味して取捨選択し<たった一つの神話>にまとめあげた」
「『古事記』は「高天の原」やタカミムスヒという、天皇氏族の根源にかかわる他界や神々については、なんとしてでも世界の始まりをかたる冒頭に置くべきだという意志を示した。特に「高天の原」は、『古事記』に登場する根の国、黄泉の国、妣の国、常世、海神の国という他界群と比較すると、天皇権力の神聖化・絶対化と直結する他界であるから、それを世界の始まりの位置に据えたのは、極めて政治的な色彩の濃い構成意識」
(当時、何らかの理由で、”突貫作業”だったのだ)