京都・環境ウォッチ

いま京都で起こっている環境問題、自然環境の変化などにかかわって、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

「水俣病と地球環境」フォーラム

2009年12月24日 | 環境

昨日の「水俣病と地球環境」フォーラム、
12月23日という年末の押し迫った時期でしたが
50人の方に参加いただき
内容的にも非常に深い中身で成功でした。

基調報告を行った尾藤廣喜弁護士は、
1932年チッソが「アルデヒド」の製造を開始して以降の
「水俣病」の歴史を振り返りながら
現在進められている「ノーモア・ミナマタ国家賠償訴訟」の意味
そして「水俣病の歴史から何を学ぶか」を簡潔に話されました。
水俣病がなぜ「公害の原点」と言われるか
そこには注目される初期の段階での公害問題のみならず
「公害のあらゆるパターンが組み込まれている」問題であること
そして、それが示すものとは何か、次のように整理されました。

①、水俣病の場合も、「人体で発症する前に、自然界で既に
『太刀魚の水中での狂い死に』など発症が起こっている」
これをきっかけに、人間が自然界に目を向け、
早めに察知すれは、早期の段階で被害を食い止められたこと
これは地球温暖化の問題でも同様であるということ

②、発症は、戦前にもあったが、顕在化しなかった。
なぜか?過去には
国民皆保険などの制度がなく、
地域にも医師が一人しかいないところ(水俣)などでは
医者にかかるのは「死亡診断書を書いてもらう時だけ」
病気は表に出にくかった。
その点で、公害・環境問題は「貧困」と密接に関わる問題であり、
貧困問題の解決、国民皆保険など医療制度の成長と密接に関連している

③、さらに、原因がチッソの廃液であることが明らかになっても
動かなかった企業・国・行政
これらと国民との関係は、現在の地球環境問題でも本質的には同じで
変わっていない。
ある官僚は
「産業のために、漁民に死んでもらうのは方針だった」と言ったそうだが
これは昭和30年代の過去の問題でなく現在の問題である。

④、慢性微量汚染の怖さーこれは原爆による被爆も同じ

フォーラム終了後
地球温暖化防止京都ネットワークのメンバーで交流しました。
COP15 の結果をどうみるか?
私自身は、今回決着がつかなかった「中期目標」の振り分けや
その実現のための仕組みづくり
これに終始するだけでなく
国際炭素税などの導入で、
企業などが与えた環境負荷がそのまま増税に跳ね返り
その財源が途上国の「命と環境支援」に回る仕組みが作られる
そうした方向で、
これまでの取り組みをさらに発展させることが重要と考えています。
交流会ではトービン税の導入の重要性を訴える声も出されましたが
もちろん同じ脈絡です。
コメント
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