地球温暖化防止京都ネットワークで、
現在、京都市が進めている「地球温暖化対策条例」の改正に関わる
提言づくりを進めています。
―森を再生し「木の文化」を大切にするまちーに対応する部分を担当しているのですが
取りあえず、私案としてまとめたのが以下のものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
京都市の「地球温暖化対策条例」改正など、「中間とりまとめ」について
ー森を再生し「木の文化」を大切にするまちー
2010年7月14日
2030年の社会像について
この部分の議論は、どの項目をみても“しごく当たり前”に見えてしまうが、逆に議論の深まり方がこれでよいのかと思う。審議会を傍聴していても、ほとんど意見が出されていなかった。
この項は、「『木の文化』を大切に」という抽象的内容に引っ張られ、これが温暖化対策にどう大きく貢献するか、それが十分解明されていない点に、議論が盛り上がらない大きな原因があるのではないか。
「社会像の提起」で第一に語られるのは、2030年の「森の再生」「森に親しむ」「森の恵みの還元」、それによって「文化の醸成」「産業の振興に積極的に取り組んでいる姿」である。しかし、本来提起すべき問題は、こうした抽象的な“像”ではなく、それを構築するための柱となるべき政策提起であり、それに基づく「社会像」の転換である。
重要なことは、2030年、まち(社会)の一定部分は「鉄」ではなく「木材」に取って代わっている「社会像」である。そこに向けて「木材を生かした新産業」が、環境・産業政策転換の中に位置づけられ、それが、大きく伸張している姿である。狭いエリアの「地域産材」だけでなく、国産材をいかしたまち・家づくりが、京都での先進的な新たな産業づくりの中で位置づけられる必要がある。これは、素材(木材)の成長から材の生産・活用にいたる一連の過程であるとともに、その材の多面的な活用(単に材を“材”として生かすだけのものでない活用)、また当然「補修」という材の命の社会的継承過程を包含するものとなる。これはもちろん、それに関わる技術の継承・発展を含むものであり、これらを通じて新たな雇用拡大と産業の転換過程と対応する。
「中間とりまとめ」では、2030年の社会像の第二に、こうした内容が触れられているが、「京町屋の知恵を生かした新たな建築の促進」など、地域産材の活用がここに矮小化かされたものになっている。木材を活用した新たな環境産業の創出と京町屋の項は分離し、上に述べた「木材を生かした新産業の創出」を、もっと前に押し出すべきである。
木造建築物の拡大、地域産木材の需要拡大
木造建築物の拡大、地域産材の需要拡大を進める上で重要なことは、当然、そのネックとなっている部分の突破であり、それは「活用の仕組みづくり」と「財源」だろう。
公共施設への木材利用の義務化は重要で、地球温暖化防止京都ネットワークの議論でも、京都市役
所内の市民待合室壁面などへの杉材利用などの具体的提案が出された。現段階で、小学校や体育館の木造建築物に転換など、公共建築物での現段階での「需要」見通しを具体的に明らかにすることは、計画的促進のためにも、目標を明示化する上でも大切となる。
こうした取り組みは、新設の学校や庁舎などでは当然数が限られる。温暖化対策とも結びつけ、新設の公営住宅の増築することや、既存の公営住宅改修の際の「温暖化防止」仕様への転換も重要となる。
マンションや戸建の住宅などを、温暖化防止仕様に改修するために、専門的な相談にのれる「温暖化対策診断・相談員」が重要になる。こうした相談員を、専門家やNGOとも協力体制を組み、増やしていくことが求められる。
財源確保と排出源対策の強化
財源確保の上で、京都府や京都市において、温暖化ガスの最大の排出源となっている関西電力へ
の規制強化が重要となる。
現在、関西電力舞鶴石炭火力発電所が行っている「木質バイオマスの混焼」は、平成20年度の6万トン、その全てが海外からの輸入で賄われている。京都に、大量の間伐が必要な森があるにも関わらず、輸入品の方が安いからと、大量のエネルギーを使って海外から輸入するやり方は、全く合理性を欠くき、関係者からも苦情の声が聞こえている。こうしたやり方を変え、府内や近郊の材を活用するような仕組みを作れば、京都産材の循環的利用への力にもなる。そもそも温暖化対策において、関電石炭火力など大規模排出源での計画的・直接的排出規制が強く求められており、大量排出源での2020年、2030年の削減目標を定めること、あわせて、目標が達成できない場合、不足分を買い求めてでも達成する仕組みの導入を具体化すれば、それは財源確保に役立つ。
「森林の適切な保全」
京都市は「『木の文化』を大切にするまち」を掲げているが、今、京都の森では、カシノナガキクイムシによるナラ枯れや、マツノザイセンチュウによる松枯れが大きな問題となっている。こうした、森での樹木の大量枯死に、行政トップがもっと関心を持つべきである。現実に起こっている「森林環境の劣化」に、市民の関心を高める取り組みの強化は、温暖化防止のまちづくりにとって、具体的な生きた環境教育ともいえる課題であり、積極的取り組みが求められる。
以上
現在、京都市が進めている「地球温暖化対策条例」の改正に関わる
提言づくりを進めています。
―森を再生し「木の文化」を大切にするまちーに対応する部分を担当しているのですが
取りあえず、私案としてまとめたのが以下のものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
京都市の「地球温暖化対策条例」改正など、「中間とりまとめ」について
ー森を再生し「木の文化」を大切にするまちー
2010年7月14日
2030年の社会像について
この部分の議論は、どの項目をみても“しごく当たり前”に見えてしまうが、逆に議論の深まり方がこれでよいのかと思う。審議会を傍聴していても、ほとんど意見が出されていなかった。
この項は、「『木の文化』を大切に」という抽象的内容に引っ張られ、これが温暖化対策にどう大きく貢献するか、それが十分解明されていない点に、議論が盛り上がらない大きな原因があるのではないか。
「社会像の提起」で第一に語られるのは、2030年の「森の再生」「森に親しむ」「森の恵みの還元」、それによって「文化の醸成」「産業の振興に積極的に取り組んでいる姿」である。しかし、本来提起すべき問題は、こうした抽象的な“像”ではなく、それを構築するための柱となるべき政策提起であり、それに基づく「社会像」の転換である。
重要なことは、2030年、まち(社会)の一定部分は「鉄」ではなく「木材」に取って代わっている「社会像」である。そこに向けて「木材を生かした新産業」が、環境・産業政策転換の中に位置づけられ、それが、大きく伸張している姿である。狭いエリアの「地域産材」だけでなく、国産材をいかしたまち・家づくりが、京都での先進的な新たな産業づくりの中で位置づけられる必要がある。これは、素材(木材)の成長から材の生産・活用にいたる一連の過程であるとともに、その材の多面的な活用(単に材を“材”として生かすだけのものでない活用)、また当然「補修」という材の命の社会的継承過程を包含するものとなる。これはもちろん、それに関わる技術の継承・発展を含むものであり、これらを通じて新たな雇用拡大と産業の転換過程と対応する。
「中間とりまとめ」では、2030年の社会像の第二に、こうした内容が触れられているが、「京町屋の知恵を生かした新たな建築の促進」など、地域産材の活用がここに矮小化かされたものになっている。木材を活用した新たな環境産業の創出と京町屋の項は分離し、上に述べた「木材を生かした新産業の創出」を、もっと前に押し出すべきである。
木造建築物の拡大、地域産木材の需要拡大
木造建築物の拡大、地域産材の需要拡大を進める上で重要なことは、当然、そのネックとなっている部分の突破であり、それは「活用の仕組みづくり」と「財源」だろう。
公共施設への木材利用の義務化は重要で、地球温暖化防止京都ネットワークの議論でも、京都市役
所内の市民待合室壁面などへの杉材利用などの具体的提案が出された。現段階で、小学校や体育館の木造建築物に転換など、公共建築物での現段階での「需要」見通しを具体的に明らかにすることは、計画的促進のためにも、目標を明示化する上でも大切となる。
こうした取り組みは、新設の学校や庁舎などでは当然数が限られる。温暖化対策とも結びつけ、新設の公営住宅の増築することや、既存の公営住宅改修の際の「温暖化防止」仕様への転換も重要となる。
マンションや戸建の住宅などを、温暖化防止仕様に改修するために、専門的な相談にのれる「温暖化対策診断・相談員」が重要になる。こうした相談員を、専門家やNGOとも協力体制を組み、増やしていくことが求められる。
財源確保と排出源対策の強化
財源確保の上で、京都府や京都市において、温暖化ガスの最大の排出源となっている関西電力へ
の規制強化が重要となる。
現在、関西電力舞鶴石炭火力発電所が行っている「木質バイオマスの混焼」は、平成20年度の6万トン、その全てが海外からの輸入で賄われている。京都に、大量の間伐が必要な森があるにも関わらず、輸入品の方が安いからと、大量のエネルギーを使って海外から輸入するやり方は、全く合理性を欠くき、関係者からも苦情の声が聞こえている。こうしたやり方を変え、府内や近郊の材を活用するような仕組みを作れば、京都産材の循環的利用への力にもなる。そもそも温暖化対策において、関電石炭火力など大規模排出源での計画的・直接的排出規制が強く求められており、大量排出源での2020年、2030年の削減目標を定めること、あわせて、目標が達成できない場合、不足分を買い求めてでも達成する仕組みの導入を具体化すれば、それは財源確保に役立つ。
「森林の適切な保全」
京都市は「『木の文化』を大切にするまち」を掲げているが、今、京都の森では、カシノナガキクイムシによるナラ枯れや、マツノザイセンチュウによる松枯れが大きな問題となっている。こうした、森での樹木の大量枯死に、行政トップがもっと関心を持つべきである。現実に起こっている「森林環境の劣化」に、市民の関心を高める取り組みの強化は、温暖化防止のまちづくりにとって、具体的な生きた環境教育ともいえる課題であり、積極的取り組みが求められる。
以上