12月14日のしんぶん赤旗(14面)
「福島第一『収束』遠く。『宣言』1年。放射線量4倍近く」
放射線量4倍近く
「東電が11月27日に3号機原子炉建屋1階を2台のロボットで調査した結果、驚くべき事実が明らかになりました。原子炉格納容器の扉を動かすレールの溝で、毎時4780ミリシーベルトの放射線量を計測したのです。1年前の1300ミリシーベルトより3.7倍高く、同原発で作業している人たちの被曝量の上限100ミリシーベルトを1分あまりで超える猛烈な値です」・・・
空気穴から汚染水
「専門家も『不思議だ』と首をひねるできごとが発生しました。・・高濃度放射能汚染水を処理する装置が入っている建屋の外壁の、高さ5mのところから放射性物質を含む水が勢いよく流れ出していたのです。ここには空気を逃す穴が開いているだけ・・・。2日後に東電が明らかにした原因は・・・漏れたのは装置から出る廃液で、空気を逃がす配管と廃液を流す配管がつながっていて、廃液を流す配管に栓をしていたため、たまった廃液が空気を逃がす配管からもれたというのです」
「福島第一原発では、配管が崩れたりしたためだけでなく、配管を誤って切断したり、弁を誤って開けたりしたために、放射性物質を含む水が漏れる事故が頻発しています」・・
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「被ばく線量と人的被害」に関して、よく見る逆三角形の図がありますが、
3000~5000ミリシーベルトでは
「脱毛、永久不妊、白内障。短期被曝で50%が死亡」とあります。
このレベルが福島第一3号機の格納容器の扉の近くにあるということ
あまりにも”身近”なのと、数値が増えているのが不気味です。
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関連して、「バイバイ原発・京都」のMLに書かれたいた
小出先生「報道するラジオ」2012/12/14のお話(飯舘村に帰れるか、原発の現状、瓦礫処理、核燃料サイクル、核融合、海の汚染)の記事です。
小出先生のお話、リスナーの声、仕事で福島の郡山に週3回行き、不安であり、小出先生のお話を聴きたいと言われるのです。
<福島第1原発が今どうなっているのか>
4号機のプールも含めて、地震+津波で原発が事故となり、1~3号機は融けて落ちた、どこに炉心があるか不明、見ることも、測定器もダメ。推測しているのみで、正確にはわからないのです。
4号機は停止中で、原子炉は融けなかったか、燃料がプールにあり事故になり、建屋の中のプール、建物が爆発して壊れて宙吊り、燃料を取り出さないといけないが、燃料は空中に出すと回りの人が死ぬほどのもので取り出しも困難、容器の中に入れて取り出さないとダメで、巨大クレーンが要り、それの建屋が要るものの、作業開始に1年かかると東電はいい、その間大きな余震がないのを祈るのみであるのです。先週地震があり、小出先生、大丈夫かとこれを心配されたのです。東電は一刻も早く作業を進めて安全なところに燃料を取り出して欲しいのです。
1~3号機は見に行けない、建物にも入れない、ロボットも制御不能、未だにどうなっているか分からないのです。最悪、炉心が格納容器の底を破り地下水と接触し、汚染が海、あちこちに流れ、手を打たないといけないのに、人類が始めて経験する出来事が起きているのです。
リスナーの質問
<飯舘村の全村避難で、帰る事は可能か?>
大変難しい、放射能は目に見えず、飯舘村は原発からお金ももらわず日本一美しい山村になり、何としても帰りたいと思うのだが、飯舘村は放射能で汚れて、それを感じられない。日本は年間外部被爆を20ミリシーベルト未満なら帰っていいと言うが、それは特殊な放射能扱いの従事者のみ、一般の人にそんな被爆、ましてや子供に許してはならない。子供が帰れないなら復興できない。飯舘村の人には、気の毒であるが、帰らないで欲しいのです。
<瓦礫について>
岩手で教員をされていた方、岩手で瓦礫の山を目にして、大阪が瓦礫を受け入れるのはうれしいが、子供を守る立場にあり、灰を夢島に埋めること、海の汚染について聞かれて、大阪の子供も守ってほしいことについて、難しいことをみなさん聞かれるが、放射能で汚れた瓦礫は、全国に拡散してはいけない。その場で専用の焼却施設を作り処理し、出来た灰は放射能で汚れていて、埋めてはいけない。大阪に埋めるのはやってはいけない。現地で焼き、どこか1箇所に集めて保管すべき。しかし、被災地で瓦礫が山積みで、放置すると現地の子供を被爆させてしまい、全国で引き受けるのはやむを得ないなら、焼却施設にフィルターをつけて、灰を1箇所に集めて保管すべきなのです。フィルターで汚染物質は取り除ける。現場に適したフィルターをつければ、限りなくきれいに出来る、それをやるのが大前提なのです。
<原発を止めたら電気が足りないという人もいることについて>
使用済み核燃料の処分が決まらず、核燃料サイクルを断念したら行き場なし、これを放棄するのは無責任かについて、使用済み燃料は「どうしようもない」。原子力をやってしまい、核分裂生成物が出来る、避けられない、無毒化できない。原発はトイレのないマンションと呼ばれて、トイレがなければ住めない=そんなマンションは作ってはいけなかったのに、いつかトイレ(核燃料サイクル)が出来ると思いやってきた。生み出した放射性物質のうちプルトニウムを取り出すのが核燃料サイクル=夢の夢、政府も断念。もんじゅも機能しない。「これは止める」と政府が決め、サイクルは実現しない。生み出した放射能をどうするかであり、小出先生も方法を知らないが、原発を続けるとゴミが増える。一刻も早くそれは止めて、今まで作った放射能に向き合うべきなのです。核のゴミ、何とかしないといけないのに、日本の国は国内で埋め捨てにしようとして、地方の財政のないところにやろうと画策したが、全部失敗。日本の国は、モンゴルに埋め捨てにする!計画もあり、恥ずかしい国だと思う。埋め捨ては地面に捨てることで、300~1000Mの地底に埋めるのを法律で決めて、埋め捨てにして、そこにあるのが10~100万年…無害にはならず。ウランを掘り出してやっているが、ウランと同等の放射能に減るのが10~100万年、学術会議も、これは正しくない、何十、何百年は目の黒いところで保管するしかない(建屋、比較的浅い施設で放射能を入れて、環境に漏れないように監視するしかない)のです。地震列島では危険で、日本に世界の1~2割の地震が起きる、地上の建物も安全ではない、方法はなく、これ以上毒物を作らないのを決断しないといけないのです。
<再処理を止めたらどうなるかについて>
再処理しても放射能は消えず、プルトニウム(原爆材料)を取り出すのみ、プルトニウムはもんじゅで燃やすはずがアウト、取り出すことに意味なし(泣)。原爆材料を抱えても国際的な非難も受ける=再処理したらアカンのです。
<復興予算で核融合研究費110億円のことについて>
小出先生失笑され、今はウランを核分裂させることで、それは原爆の技術によるもの。核融合は水爆、水素を融合させてエネルギーを取り出すもので、これをどこかで実現させて水爆のエネルギーを取り出すものであり、各種のものがあったが、言われてきただけで、実現の見通しなし、21世紀中に実現できると思っている科学者は一人もいない。復興予算を核融合に使うなどは、犯罪なのです。平野さん、国立大学で研究しているところもあると聞かれて、阪大はレーザー核融合をやっているが、これは異端。正統派のものはトカマク反応で、イーターという核融合の装置を作ろうと、EU、アメリカ他の6カ国が集まってやっているが、核融合の勢力はほとんど集まったのに、21世紀中の実現の可能性はない。レーザー核融合はもっと可能性が低いのです。
<海洋汚染について>
海の放射能についてのお話、海も汚れて、空気中に出て地球全土を汚染し、福島の人が被爆し、気体+固体はどうしようもない。液体は、瓦礫が太平洋を流れてアメリカに流れ、放射能も何ヶ月、何年で太平洋に広がり、陸上だと野菜は留まるが、海では魚が泳ぎ、汚染はこれから広がり、陸上ではセシウムが主要な汚染であるが、海だとストロンチウム(セシウムより毒性が高い)の汚染が問題になり、このデータがどれだけ公表されるか、なのです。ストロンチウムはカルシウムに似て、骨に蓄積し、生物学的な毒性はセシウムの何倍も高いのです。
今回の小出先生のお話は以上でした。