阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

果物の輸出を増やすために-中国の検疫総局で得た問題意識と戦略

2011年12月28日 23時00分47秒 | 政治

 昨日、今日は早朝から駅での活動を行った後、一日中企業や団体を訪問しました。今日で仕事納めの職場が多いので、個人支援者よりも、農協や地方自治体、県庁の出先機関、医師会や商工会、また労働組合や一般企業などを幅広く訪問し、国政報告をしました。

 さて、中国では多くのテーマで意見交換をしましたが、私にとってのハイライトのひとつは「国家質量監督検験検疫総局(検疫総局)」を日本の国会議員としては初めて訪問し、そのトップと意見交換を行ったことでした。ここは、食品の輸出入における検疫検査や、安全基準の遵守を行う部局です。

 中国は現在、日本からの果物の輸出は、りんごと梨しか認めていません。検疫上の問題について、安全性を確認する上での十分なデータがないのがその理由とされています。しかし、香港や台湾、韓国などの東アジア諸国に加え、東南アジアや欧米諸国の多くで日本の果物は味のみならず安全性でも大きな評価を得ています。潜在的に大きな市場がある中国に、和歌山の桃や柿、みかんなどを輸出できるように働きかけることは、私にとっては大きな政治的テーマ。実際、当選後最初の国会質問ではこの問題を取り上げました。農水省の答弁は「中国は科学的な根拠に基づくデータを何よりも重視して輸入受け入れの可否を決める」とのことでした。

 このような状況を政治的に変えるべく、私たちは様々な手を打っています。

 12月20日にはかつらぎ町出身の平野博文国対委員長(元官房長官)が、柿や桃の産地であるかつらぎ町や九度山町の町長を首相官邸に招き、野田総理に中国に向けての果物の輸出を拡大するよう要望する機会を作ってくださいました。また、民主党には果物の輸出を促進するための議員連盟も発足。私もそのメンバーになっています。

 このようなプロセスを経て、沢山の資料も揃えて会談に臨みました。

 検疫総局のトップは、明快なプレゼンテーションを行い、「科学的根拠」に基づいて判断することを強調されていました。しかし、その後、安全性の評価が高い日本の果物がなぜ中国ではダメなのか、また、なぜリンゴと梨はOKなのかなど、「科学的根拠」の矛盾点について質問したところ、その回答を通し、この問題は、政治的な意味合いが強いことがわかってきました。

 大きなポイントは「毒ギョーザ事件」以降、日本政府による検疫の基準が厳しくなり、彼らの目には常軌を逸しているように映っていることです。私自身は日本に入ってくる食の安全・安心を犠牲にすることはあり得ないと思います。しかし、中国も、安全対策では相当の努力をしており、日本の対応がかなり彼らのメンツを損ね、信頼関係を傷つけている(と中国側が感じている)ことは理解しなくてはと思いました。そして、このような問題が解決できれば次のステップに進めることも確信できました。

 「中国の食品は危険」とレッテルを貼るのではなく、彼らの努力は認め、しかし、日本として絶対に譲れない安全基準のラインを明確にして、そこに早く確実に到達できるように協力をする。そんな過程を共有することで、果物の輸入受け入れの道が拓ける可能性が高まると感じました。

 今日はこんな説明をしながら訪問を続けました。どちらにしても、日本側の戦略の立て方には新しい可能性が生まれたと思います。政権与党の一員として、また果物王国・和歌山県の議員として努力を続ける決意です。




写真上:検疫総局にて質問する私


写真上:私の質問に答える検疫総局局長


写真上:この問題の解決のため、今後も意見交換を続けます。




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