阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

PKOにおける駆け付け警護に伴うリスクについて再び質問

2014年06月03日 11時35分56秒 | 政治

 昨日は安全保障・外務連合審査会で岸田文雄外務大臣、小野寺五典防衛大臣、小泉進次郎内閣府政務官に質問。PKOにおける駆け付け警護に伴うリスクに絞り、前回に続いて議論を行いました。

PKOの駆け付け警護に伴うリスクについて安全保障・外務連合審査会で質問 衆議院インターネットTV(6月3日) 

 目の前の救える命は救う。それは大前提です。しかし、実際に駆け付けた自衛隊が突入して救える状況はめったにありません。特に、駆け付け警護の結果「自衛的措置」であっても紛争の当事者になると、PKO要員だけでなくNGOも含めて危険に直面することになります。

 戦争になれば必ず人は死ぬのです。武力の行使をすれば外国人を殺傷し、民間人も巻き添えにする可能性が生まれます。自衛隊法施行規則39条には「我が国を防衛するために」「危険をかえりみず」「身をもって職務の完遂に努め」と宣誓するとありますが、実際に戦闘行為に従事することまでは想定していないと思います。「命令を下す立場として防衛大臣にその覚悟を聞くと同時に自衛隊員にどのように説明するのか質問したのですが、覚悟が定まっているようには感じられませんでした。

 中途半端に武器を持つことが一番危険。それは私が身を持って痛感したことでもあります。実際に日本国際ボランティアセンターのような紛争地での経験の長いNGOは、例えばアフガン事業などにおける安全確保において、とにかく軍事的行動と一線を引くことが安全確保の上で一番大事であることを強調しています。

 そもそもPKOにおける任務はミッションによって異なり、その都度合意文書で確認することになっています。米陸軍の規則(Operation Law Hand Book 2013)でもカナダ政府の軍の運用規則(Use of Force for CF Operation)でも、駆け付け警護は任務の中に入ってなければやらないことになっています。「他の国はやってるのに日本だけがやらない」という説明は破綻しているのです。にもかかわらず「今のままでは見捨てるしかない」と国民に訴えるレトリックは本当に危険だと思います。

 昨日は時間がなく質問できませんでしたが、展開より撤退の方が難しいこと、もっと議論する必要があります。紛争4派による和平協定はポル・ポト派の離脱を機に完全に破られPKO参加5原則が完全破綻したカンボジアPKOにいて「日本だけ」撤退する判断はできませんでした。PKOへの参加、撤退はあらゆるリスクをシュミレーションした上で最終的に政治判断するしかないのですが、撤退の条件を法律で縛って「なし崩し的に業務拡大」との事態にならないようにしなければなりません。一旦展開してしまうと撤退のリスクはとてつもなく大きいだけに、参加するPKOをいかに選ぶか、あらゆるインテリジェンスを駆使することが必要です。





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