32年前の今日は天安門事件に震撼した一日でした。民主化を求める学生に人民解放軍が銃を向け、多くの若者たちが無惨にも殺されました。キヤノン株式会社の輸出部にいた私は仕事で中国にも関わっていて、仕事仲間の家族や友人も行方不明になっていると聞き、心を痛めていました。命懸けで民主主義を求める人々を応援したい!と私のテーマの方向性を自覚した一日でもあります。そしてこの年の11月のベルリンの壁の崩壊で、私の思いは明確になりました。
まさにその夏、キヤノン株式会社でこの年から始まった16連休を利用して中国雲南省を旅行し、偶然出会ったアメリカ人とスウェーデン人の3人の女子学生たちと昆明、大理、さらに麗江の少数民族地域を一緒にまわることになりました。中国の多様な文化にふれたいとの思いで旅立ったひとり旅でしたが、日本語ができる建築学科のスーザンと、後に弁護士になる中国語が堪能な妹のアン、そしてそのどちらも堪能で、3年後にカンボジアで再会するテレサの三人の、文化や芸術、そして国際政治にも深い知識や感性に感化された思い出深い旅でした。
天安門事件があったからこそ現地に行ってマスコミ報道には表れない中国を知りたいとの思いは共通でした。