カテナチオの国からやって来た指揮官マッシモ・フィッカデンティ,という先入観に気圧された訳ではないだろうが,開幕戦でオールコートのプレスが機能して5得点を奪った札幌の攻撃陣は,アウェーの名古屋DF陣に文字通り羽をむしられ,手羽先にされてしまったようだ。1対1の闘いには乗らない,と試合前に相手指揮官から挑発されたにも拘わらず,それを撥ね除ける闘志を見せることが叶わない展開の中,たった8本しかシュートを打つことも出来ず(しかもそのうち2本は福森のFK),尾張遠征は勝ち点をひとつも積み上げられずに終わってしまった。4チーム降格という厳しいレギュレーションを課せられたシーズンは,J1リーグ連続在籍5年目を迎える札幌にとっては正念場の年となりそうだ。
ジェイがいないFWは,小柏とチャナティップのシャドウ2枚が相手DFを剥がして,アンデルソン・ロペスに入ったくさびをいかに上手く拾えるかが鍵になるが,今日の名古屋の4枚のDFとボランチの守備網は的確なマーキングによりほぼ彼らに仕事をさせなかった。ジェイのように足元にボールを納めて時間を稼ぐことが不得手なロペスは,前半に小柏からのパスで,更に後半にはチャナティップからの浮き球によって,それぞれ決定機に近いチャンスからシュートを放ったが,いずれもくさびの役割を果たしてからの展開ではなかったため,マーカーを完全に剥がしてのチャンスメークではなく,シュートに力を込めることは出来なかった。
小柏は前後半共に何度か鋭い飛び出しによって相手DFラインを引き裂く場面はあったが,シュートまで持ち込むことが出来なかったというのはシャドウとしては物足りない。前半には自陣で不用意にドリブルを仕掛けたところでボールを奪われて危ないシーンを作られたが,やはり守備の反省よりもフィニッシュへのトライに関する改善を最優先に考えて欲しい。
チャナティップもまたトップ・コンディションにはほど遠い出来だった。マーカーを置いてきぼりにするターンの復活が望まれる。
失点は弱点である左サイドを破られて,最後は交代選手のひとり,相馬に決められたものだったが,もともと期待できない左サイドの守備を批判するよりも,交替FWがドゥグラスひとりで交代枠を二つも余してしまう戦術の方に不安を感じた。2点取られたら3点取り返す,というチームのフォーマットを貫徹するためには,ルヴァンで得点を取った中島も帯同させた上で,青木はアディショナルタイムだけでも使ってみるべきだったのではないか。名古屋が後半早々に行った柿谷,相馬,長澤の3枚替えは,明らかにミシャのお株を奪う積極策だった。選手層の違いは,降格免除の特例事項にはならない。ミシャの奮起を望む。
ジェイがいないFWは,小柏とチャナティップのシャドウ2枚が相手DFを剥がして,アンデルソン・ロペスに入ったくさびをいかに上手く拾えるかが鍵になるが,今日の名古屋の4枚のDFとボランチの守備網は的確なマーキングによりほぼ彼らに仕事をさせなかった。ジェイのように足元にボールを納めて時間を稼ぐことが不得手なロペスは,前半に小柏からのパスで,更に後半にはチャナティップからの浮き球によって,それぞれ決定機に近いチャンスからシュートを放ったが,いずれもくさびの役割を果たしてからの展開ではなかったため,マーカーを完全に剥がしてのチャンスメークではなく,シュートに力を込めることは出来なかった。
小柏は前後半共に何度か鋭い飛び出しによって相手DFラインを引き裂く場面はあったが,シュートまで持ち込むことが出来なかったというのはシャドウとしては物足りない。前半には自陣で不用意にドリブルを仕掛けたところでボールを奪われて危ないシーンを作られたが,やはり守備の反省よりもフィニッシュへのトライに関する改善を最優先に考えて欲しい。
チャナティップもまたトップ・コンディションにはほど遠い出来だった。マーカーを置いてきぼりにするターンの復活が望まれる。
失点は弱点である左サイドを破られて,最後は交代選手のひとり,相馬に決められたものだったが,もともと期待できない左サイドの守備を批判するよりも,交替FWがドゥグラスひとりで交代枠を二つも余してしまう戦術の方に不安を感じた。2点取られたら3点取り返す,というチームのフォーマットを貫徹するためには,ルヴァンで得点を取った中島も帯同させた上で,青木はアディショナルタイムだけでも使ってみるべきだったのではないか。名古屋が後半早々に行った柿谷,相馬,長澤の3枚替えは,明らかにミシャのお株を奪う積極策だった。選手層の違いは,降格免除の特例事項にはならない。ミシャの奮起を望む。