子供はかまってくれない

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2021年Jリーグ第32節 札幌VS.横浜【1:2】

2021年10月16日 21時54分58秒 | 北海道コンサドーレ札幌
札幌は前節の5得点の快勝から代表戦を挟んだため,チームの調子を維持できるかが鍵だったが,後半途中まではほとんど横浜に試合をさせなかったと言っても良いくらい,内容のあるゲームをした。ジェイ,ドウグラス,トゥチッチの「万里の長城トリオ」を全員ベンチに置いて,小柏と復活したチャナティップを前線に置いて,スピードとアジリティで勝負するという戦法は,横浜が自陣での組み立てすら思うようにできないような積極的なプレスとなって結実していた。こちらもピッチに戻ってきた福森と高嶺から何度も繰り出されたロングボールも,優勝争いに残るべく必死にボールを追いかける横浜を嘲笑うかのように効果的で,どちらが上位にいるチームか分からなくなるほど,後半途中までは戦術がはまっていた。

唯一の不安材料だった荒野も,今日は目を覆うようなボールロストはなく,駒井の気の抜けたパスミスも前半に一度あるきりだった。見事なシュートを決めた菅の動きも切れていたし,ルーカスの負傷退場というアクシデントを逆にエンジンにしたようなチーム全体の運動量の多さは,残り6試合という段階でもまだ残留を決められないチームのものではなかった。

後半の右サイドの突破からフリーのチャナティップに渡ったパスをふかしたシーンに象徴されるように,良い内容なのに決められない,といういつもの展開に焦れているうちに,試合は横浜が選手交替を華麗に決めて,絵に描いたような逆転劇を見せた。エウベルの突破力と天野の展開力,そして杉本の決定力は脅威だった。
それまでの良かったリズムを,よりによって万里の長城トリオを揃って登場させることで自ら失ってしまった札幌の敗因は,間違いなくミシャの判断だろう。確かに小柏と前田の運動量だけを見れば,試合展開のせいでスプリントを発揮する機会が少なかった前田に比べて,前線のプレスをさぼらなかった小柏の疲労度の方が大きかったかもしれない。けれども最後に圧倒的な動き出しの良さで札幌DFを出し抜いて決めた前田大然の決勝ゴールを見てしまうと,小柏にも同様の機会を与えて欲しかったと思うのは,万里の長城トリオの動きの鈍さに呆れかえったからだけではない。エースはお前だ,という信頼が選手を成長させるという理を,是非とも札幌も尊重してほしい。
残り6試合。残留は勿論だが,札幌の将来を背負う小柏にとっても大切なステップとなりますように。


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