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子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

国際Aマッチ 日本代表VSオランダ代表【0:3】:これが世界ベスト4の決定力

2009年09月06日 00時07分00秒 | サッカーあれこれ
ヨハン・クライフが編み出した「トータルフットボール」という,正に日本が世界を目指すよすがとすべき戦術の母国,オランダ。考えようによっては,W杯南アフリカ本大会よりも興味深い対戦とも言える試合だったが,高い授業料に見合う高いレヴェルの講義だったのではないだろうか。
ロスタイムを入れて94分間の試合のうち,前半の69分間で得た手応えと,それを木っ端微塵に砕かれた後半の25分間の経験をどう活かすか,岡田監督と選手達に渡された課題は質も量も半端ではないという感じだ。

前半途中まで,プレスに掛ける運動量とスピードで中盤を制圧したのは,日本の方だった。常に数的優位を確保して相手のボールを奪い,サイドに廻して早めにスペースを突くという攻撃が機能する様は,観ていて快哉を叫びたくなるような30分だった。
アーリークロスに玉田が飛び出した場面,左サイドを崩してシュートまで持っていった場面,そして中村俊輔が右サイドを深く抉ってクロスを上げた場面。前半だけでも決定的なチャンスは3度あった。
後半の中村俊輔のFKも実に惜しかったが,結局いつものようにチャンスを作りながらも無得点のまま時間を消化しているうちに,徐々に体力と集中力を失い,やがて日本が目指す「世界ベスト4」の常連から洗礼を受ける時を迎えてしまった,という展開となった。

この「決定力」という積年の課題を別にすれば,大敗の原因の一つは,解説の松木氏が珍しく的を射た指摘をしていたように,まさしく選手交替を活かしたオランダと,フレッシュな選手が入ったはずなのに何故か運動量を落としてしまった日本の差かもしれない。ほとんど何も出来なかった本田の投入によってリズムを崩してしまった日本の攻撃に比べると,何をすべきかを理解し,精度の高いプレーで得点に絡んだエリア,フンテラールを見事に機能させた,かつての小野伸二の恩師であるファンマルヴァイク監督の指揮は際立っていた。スタンドで見守っていた小野は複雑な心境だったに違いない。

ただ一番反省すべきは,先取点を取られた段階でチーム全体の士気が一気に落ちてしまった日本代表のメンタル面の幼さではないか。攻めていても点が入らずに,そのうちにセットプレーやカウンターでやられてしまう。これまで幾度となく繰り返してきたパターンなのだから,「ここまではいつものことだ。ここで踏ん張るぞ」という切り替えを,率先してやれる選手が出て来ないと前進はない。
相手を削り,ボールを奪い続けた長谷部の奮闘を収穫として,ガーナ戦ではペース配分にも留意した闘いを期待したい。


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